かぐや姫の脱獄

コロッセオ

第0話 プロローグ

「虚無」

この現象はつまらないという感情からなる。

クソゲーをやる時、暇すぎて死ぬ時、

そして、単調な作業をする時。

あなたは単調な作業と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

持久走、単語の暗記、車の運転、様々である。

そしてその中でも「ブラック労働」という

ものが存在する。

「ブラック労働」は単調な作業を半永久的に繰り返すという言わば「THE 地獄」である。

普通の人間は逃げてしまうが、

この空の向こう側、「月」では、その作業を永遠としている者がいた。


ペラ、カリカリ、ポンっ

ペラ、カリカリ、ポンっ………

この擬音が何かと言うと、書類作業である。

承諾の声明を書留め、印鑑を押す。

そんな作業や他の業務を

月では100時間ぶっつづけで行う。

これを聞いたものは「は?」って驚いたり、

首をかしげて360°回転するだろう。


ここで、少し勉強をしよう。

月の自転速度である。

答えはもう言うが1周するのに約13日かかる。

これを時間に直すと312時間である。

つまり月での1日というのは312時間となる。

そして日本社会での労働時間は1日8時間つまり…1日の3分の1である。

ここで察した人も多いかもしれないが、

これを月での1日に変換すると

なんとビックリ、約100時間になるのだ。


しかし、この100時間というのはあくまで

定時、ホワイト企業なのだ。

じゃあそうじゃない所はどうなんだ?

という話になる。

長いこと話してきたがここから始まるのは

月のお姫様がこのブラック職場から逃げるために一矢報いる話である。


第1話に続く…

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