テスト
小学校の授業で、社会という教科があった。
当時まだ小学2年生だった僕は、この時は社会というものが欲望と嫉妬、虚無にまみれたコンクリートジャングルだと知る由もなく、ピュアな気持ちで勉学に励んでいた。
ある日、その社会のテストで
「問1.工場から出る空気中のゴミ・ほこり等はどのようにして掃除しますか?」
「問2.何故、工場の周りの海水が汚れるのでしょう?」
という問題があった。
問1は、ゴミ・ほこり等を除去するためだけに存在する家電製品を活用しないわけがない、一番合理的かつ効率の良い手法はこれだと閃き
「掃除機で吸い取る」
と書した。
後日、先生から採点されたテスト用紙には大きくバツ印が付いていた。
問2は、従業員にとって限られた時間で作業をするにあたり、移動距離は大幅なタイムロスになるので、環境破壊になると知りつつも、合理的かつ効率の良い手法はこれだと閃き
「従業員が海に向かって用を足しているから」
と書した。
後日、先生から採点されたテスト用紙には大きくバツ印が付いていた。
この問題の答えが未だにわからないまま、僕は無知な大人へと成長してしまった。
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