可愛い子

巫 歪

私、可愛いんだ!

「メイちゃんは本当に可愛いわね。お人形さんみたい!」

「うちの孫は本当に可愛いなあ。」

「メイちゃんって本当に可愛いよね!いいなあ、私もメイちゃんみたいな顔だったらよかったのにー」

「うちのメイは世界一かわいいな!」



綺麗なアイスティー色の目、サラサラロングの茶髪、雪のように白く、少しピンクがかった肌、ぷっくりとした涙袋、華奢な体、愛らしい表情。



生まれた時からずっと、「可愛い」って言われ続けてきた。

みんなが私を褒めた。

誰もが私を羨ましがった。



「メイちゃんおはよう!わあ!その髪飾り可愛いね!どこで買ったの?」

「ママに買ってもらったの!可愛いでしょ!」

「うん!メイちゃんとっても似合ってる!可愛い!」



自分の身につけているものを「可愛い」と言われることもまた、嬉しかった。

とにかく誰かに「可愛い」と言われたい。

みんな私を見て!褒めて!




だって私は世界で一番可愛いの!

他の誰よりも可愛いの!

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