星座に手を伸ばして

綿麻きぬ

希望的観測

 一人、僕は夜空を見ている。空には君と見たオリオン座がある。僕だけで見ても君と一緒に見たときと何も変わらない空の領域だ。


 絶対的に届かない空の領域。それに僕は手を伸ばそう。失ってしまった僕らの繋がりに想いを馳せて。


 流れていった時間はもう戻らない。繋がって、流れていく。それは当たり前だ。そして君との思い出は僕の一部で、それもいつかは忘れていく。流れ星みたいだ。


 でも、いつか、もう一度、点を結んで線になって欲しいと希望的観測をしてしまう。きっと僕はそういう生き物だ。

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星座に手を伸ばして 綿麻きぬ @wataasa_kinu

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