変な幼馴染
猫の集会
第1話
オレの名前は、小太郎。
部屋で勉強をしていたら、
キィ。
コトっ。
なんか音がしたので振り向いてみた。
糸電話…
それを手に取り
「何?」
糸電話できっとドアの向こうにいるであろ
う幼馴染、琴美に話しかけた。
「あのー、ドアを開けて入ってもよろしいで
しょうか?」
さっき糸電話渡すのに一回ドア開けたくせ
に何を今更…
「あぁ、いいよ」
「おっじゃまー」
元気に琴美が入って来た。
「どうした?」
「いやー、暇でさ。」
「だよな。暇だからこんなもん作ってきたん
だよな?」
「まーねー」
「なら、勉強しなよ。もうすぐテストだよ」
「あぁ、そういう暇じゃないからー」
なら、どういう暇だ…
とりあえず琴美をほっといて勉強を再開し
た。
すると糸電話をオレの耳に押しつけてきた。
「そこ、単細胞のぼうが膿になってますよ」
と、糸電話越しに伝えてきた。
「普通に話せ‼︎」
「えーっ、せっかくつくってきたのにー…も
っとフル活用しようよー」
いやいや…
そんなのせっかくつくらなくてそもそもい
いから…
オレの勉強中隣でずっと本を読んでいた琴
美…
しかも、その本持参してきてるし。
なら、家で読めばいいのに…
たまに本を読み疲れたのか、一度本をとじ
て話しかけてくる琴美。
「今日、何してた?」
は?何をいってる…
「何って学校だろ。しかも同じクラスなくせ
に。」
「あっ、そうなんだ…すっかり忘れてた」
「大丈夫かよ」
「いやー、この本読んでたらさ、すっかり本
の中に迷い込んじゃってさ」
入り込んだとかじゃなくて迷い込んだ⁇
「何の本読んでんの?」
「迷路」
あ〜、なるほど。
それにしてもテスト前に迷路の本って…
そんな変わり者の幼馴染だけど一緒にいる
と嫌な気はしない。
「私そろそろ帰るけど引き止めるならいまだ
よ⁈」
「あ、大丈夫っす。間に合ってます」
「そ、じゃまた明日」
「おー、じゃあなー」
別に何をするってわけじゃないけどこうや
ってうちに来ては、ゴロゴロして帰ってい
く。
そして次の日もテスト前の為帰りが早かっ
た。
コンコン。
琴美だな。
「おー、どうぞ」
「おい‼︎小太郎!気軽にどうぞなんてダメだ
ろ!不審者だったらどうする⁈」
「あー、そうだね。でも階段の登り方が琴美
っぽかったからさ」
しかしいつも元気な琴美。
でも、琴美は人見知りが激しく学校では大
人しい。
美人で大人しいなんて男子の中では高嶺の
花なんて言われている。
でも、実際は変だし夏はズボンにシャツを
インしている。
なぜならお腹が冷えてしまうんだそうな。
腹巻したらって昔言った事がある。でも、
そんな事したらあいつは癖になって腹巻が
ないとお腹を下す。
癖になるから巻いてやらないって言ってい
たっけ。
本当に変わり者だ。
今日も迷路でもやるのかと思いきや小さな
テーブルになにやら勉強道具?
「理科の教科書プリーズ」
なんて手をひらひら出してきた。
「あ、今日は真面目に勉強やるんだ」
すると、低い声で
「当たり前さ。私を誰だと思っているんだい
?」
なんて、いきなり言い出した。
「琴美だろ」
「ブー。今のはお相撲さんの真似でしたー」
「は?わかんね…ま、いいや。ほら教科書」
教科書を渡すと、
すっごく集中している琴美。
三十分後。
「あーっ、疲れたー」
どうやら頑張って勉強していたらしい。
「どれ、見せて」
‼︎ ‼︎ ‼︎
なんだコレ‼︎
顕微鏡を綺麗に複写していた…
スッゲー上手いけどさ。
影なんかもかいてさ…
でも、部位を覚える所だよな?
そこに三十分かけていいのかよ‼︎
試しに部位を覚えたのか聞いてみた。
「ここの部位は、なんですか?」
「覗き見穴」
「そうだけど、接眼レンズな」
「うん。そうだろうよ」
おい!大丈夫か…
「あー、今日は頑張ったわー」
顕微鏡を描き終えるとオレの布団で気持ち
良さそうに寝る琴美…
琴美は、よく寝ながら笑う。
そして今日も…
フフッ、フフフ…
「こたろ〜、それカモシカ〜…」
どんな夢見てんだよ‼︎
琴美は、自由人だ。
しばらくして、目を覚ます琴美。
「小太郎‼︎何かが近づいてくる…」
「え?」
「しっ」
ぐぅ〜。
「それ、琴美の腹の音だろ」
「あー、なるほど。夕飯の時間が近づいてき
たのか。じゃ帰るわ。またね」
「おー、また。」
いつもながら変な幼馴染琴美である。
続く。
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