第26話・木星戦役その3

 どうやら出航したタイミングがよかったらしく、ジュピトリス9とマザー・バンガードはわずか数ヶ月で地球圏に到着します。

 核パルスエンジンの性能が向上したのもありますが、通常2年かかる事を考えれば異常なスピードと言えるでしょう。

 そしてマザー・バンガードはマストの破損を口実に、わざと到着を遅らせていました。



 サナリィとブッホ・コンツェルンは地球圏を支配するに至った・・・・・・・・・・・・表裏一体の組織ですが、表向きは別の組織です。

 そしてシェリンドン・ロナはくやしいと思っていました。

 ニュータイプ至上主義のコスモ貴族主義をかかげているのに、彼女たちは覚醒したニュータイプを持っていなかったからです。

 サナリィはハリソン大尉をようしてる!

 ベラお姉様にはキンケドゥがいる!

 ズルイ!


 何だかんだでコスモ貴族主義を唱えるシェリンドン・ロナは、ニュータイプとして覚醒したトビアの子種を狙っていました。

 クラックス・ドゥガチやカラス先生、そしてザビーネもそうでしたが、彼らはニュータイプ遺伝子が本気で存在すると思っていたようです。

 ニュータイプは人類の進化云々と聞かされて育ったせいか、シェリンドンはそんなヘンテコリンなDNAがあると疑いもせずにトビアを狙っていたのです。

 ニュータイプも覚醒進化すると聞き、覚醒者の遺伝子が欲しくなっちゃった模様。

 なんとも下世話な話です。



 予定通り連邦軍と合流したクロスボーン・バンガードはF91の部隊と交戦、ハリソン・マディン大尉はガンダムの口を開けて・・・・・・・・・・キンケドゥに迫ります。

 さらに木星帝国軍まで到着し、茶番で戦闘が始まってしまいました。


 もちろんハリソン大尉は全て承知の上で戦闘しています。

 たとえ何も教えられなくても、ガンダムの口を開けられる覚醒済みニュータイプが察しない訳がありません。

 大尉は何も言わずとも何もかもよろしくやってくれる便利な人だったのです。

 なぜならキンケドゥに壊された専用機と同じカラーリングのの予備が準備万端整っていたからです。

 キンケドゥは、わざとハリソン機の頭部を壊しませんでした。



 ドゥガチ(バイオ脳)の目的、その一つは死の旋風デス・ゲイルズ隊をキンケドゥにぶつけて覚醒させる事。

 前の戦いで死の旋風隊のカラクリがバレてしまったので、ハリソン大尉がキンケドゥ機にダメージを与えてハンデとします失敗しました。


 もう一つの目的は、ドゥガチのバイオ脳を載せたモビルアーマー・エレゴレラを使ってテテニスを無事マザー・バンガードへと送り返す事でした。

 トビア王子の白馬X3に救出させてケッコンさせるために。

 エレゴレラはカボチャの馬車でディオナはネズミの御者です。

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