第2話・-V-作戦

 -V-作戦は地球連邦の悲願である人類の他星系進出を前提とした地球の完全破壊を目的とした具体案であり、長ければ10年以上の歳月を必要とする壮大な計画でした。


 発案・主導はジオン・ズム・ダイクン(以後『父ジオン』と呼称)と、ミライさんの父親(以後『父ヤシマ』と呼称)。


 -V-作戦のⅤは文字ではありません。

 ガンダムのマニュアルに書かれたマークは『空の上と地面の下で連邦とジオンがつながっている』という意味の記号です。



 -V-作戦のシナリオは、傀儡かいらい国家ジオン公国の誕生から始まります。

 まず軌道上からスペースコロニーを落して地殻を粉砕し、核シェルターを破壊します。

 これは脅しなので、できれば一度で済ませたかった模様。


 次にオデッサの鉱脈を徹底的に採掘してジャブローに送り、宇宙移民船ペガサス級を大量生産、連邦軍とジオン軍の戦闘で地上の住民たちをジャブローに追い立てペガサス級を往復させ、どんどん宇宙に上げてしまいます。

 ジオンの国力は連邦の30分の1しかないので、足りない分は連邦軍がジオン服に着替えて補充、次々とジオン化。


 ここまでの過程で-V-作戦の関係者が増えると、反乱分子の出現が予想されます。

 そのためにサイド7でガンダム・ガンキャノン・ガンタンクが開発されていました(形式番号は後付け設定なので忘れましょう)。

 反乱分子のモビルスーツは大半がザクやグフ、あとはキャリフォルニアベースにドムが少数あればいい方なので、ガンダム軍団にかかればイチコロです。


 地上の人間が確実に一掃される宇宙世紀0087頃、アステロイドで資源採掘用に使われていた小惑星アクシズが到着、南極条約を口実に連邦・ジオンの双方から集められた大量の核爆弾をルナツーから受け取り地球に落とします(ただしファーストの時点ではルナツーを落とす予定だったと推測)。


 アクシズ落としこそ-V-作戦のクライマックスだったのです。


 この時点で住民の打ち上げが完全に終わっていない可能性はありますが、ジャブローはそのために作られた巨大な核シェルターです。

 そして最期の宇宙船が飛び立った後も地球に残ろうとする人間は、ジャブロー最下層に仕掛けられた核自爆装置によって消滅させる予定でした。


 打ち上げられた一般市民は木星圏に送られ、木星のエネルギー船団(後の木星船団公社)が準備を進めている恒星間移民船に乗せられ、目的地に到着するまで冷凍睡眠カプセルで保存されるのです。


 なお作戦中は地上の市民を宇宙に上げるため『地上に住む者は全員エリート』『地上のエリートどもが地球を汚している』『資源の尽きた地上に住み続ける者たちのためにスペースノイドが搾取されている』などのプロパガンダを流していました。



 以上が-V-作戦の概要です。

 ただしジオン首相と父ヤシマは、いくつかの条件をつけていたようです。

『可能な限り一般市民の死傷者を出さない』

『将兵の死は無駄にしない』

 もう一つくらいあってもよさそうな気がしますが、私に読み取れたのは、この2つだけです。



 そうそう、サンライズ公式設定は忘れてください。

 あれは邪魔なだけです。

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