共和国で歓迎を受けた
船旅を終え、俺たちは『グラズノフ共和国』に入った。
港は以前と変わらず活気がある。
いや、もっと増えたかも。
ニールセンが破壊した建物は元に戻っていた。
復興も進んだようだな。
「ここまでありがとう、ストレルカ」
「いえいえ、ラスティ様の為ですから」
ここまで来たからには、一度ブレアに挨拶をしていこう。
「みんな、まずは城へ向かう」
「ブレアさんに会いにいくのですね」
「その通りだよ、スコル」
みんなを連れ、街を歩いていく。
すると明らかに周囲から見られていた。
なんだろう……以前よりも目立っているような。
視線はなぜか俺に注がれている気がする。
「あの、ラスティくん。民衆から見られているようですが」
「だな。俺ってそんな有名人だったっけ……」
「グラズノフ共和国を守ったからでは?」
「そうかな。俺はたいしたことはしていないと思うけど」
気にせず城を目指していると、明らかに人だかりが出来ていた。……たくさんの人がついて来ている!?
足を止めて振り向いてみると、そこには数百人がいた。うわ、いつの間にこんなに!
「ラスティ様だ!!」「おぉ、本物かぁ!」「あのニールセンから共和国を守った英雄!」「きゃ~、ラスティ様、素敵ですぅ!」「結婚してくださいッ」「どうか、この私もラルゴに移住させてください!」「ラスティ様、万歳~!」
こんな風に歓迎されるとは思わなかった。嬉しいけど照れるな。
そうか、みんな俺のことを覚えていてくれたんだ。
「ラスティ様なら宿屋を無料にしておくよ!」「こっちだって回復ポーション無料さ!」「いやいや、こっちなんてレストラン無料さ!!」「私は性的サービス無料よ!」「ウチはマッサージしますから」「レア装備を提供する!」「武器、防具ならタダで強化してやるぞい」
これまた凄いことになった。
どうやら俺はなんでも無料でサービスを受けられるようだ。いいのだろうか……。いやこの感じだと問題なさそうだな。
気持ちは嬉しいが、今はブレアに会う方が優先だ。
「ありがとう、みんな! また街へ来るよ。ブレアに会ってくる」
俺はそう言い残し、街の人と別れた。
* * *
城へ到着早々、マーカス将軍が出迎えてくれた。
「待っていたよ、ラスティくん。それに皆さんも」
「ご無沙汰、将軍。てか、俺たちが来ることを知っていたのか?」
「テテュス号が見えたからね。それに、街が騒がしかったから察しがついた」
そういうことか。
この城は結構な高さがあるから、街並みが一望できる。港も見えるし、俺たちが来たことは直ぐに分かったわけだ。
「ブレアに挨拶しに来た。会えるかな」
「もちろんだ。娘は広間で待っている」
城の中へ案内され、俺たちは歩いて向かう。
久しぶりの城内。
それにブレアとの再会。
元気にしているかな。
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