魔導レーザー兵器

 スコルに聖属性付与を頼み、シグチュールを生成。俺は剣を構えた。



「……聖剣クラスの魔法剣ですか」

「これでお前をぶった切る。ニールセンの居場所を言うなら今のうちだぞ」


「どうぞ、やってみて下さい」

「そうか。なら……!」



 素早く移動して、俺はミカエルの背後を取った。

 こんな棒立ちで……隙だらけじゃないか。いや、罠か……なにかあるのか。けど、それでもいい。ダメージを与えるのみ。



「なんと素晴らしい移動速度。ですが……」



 ミカエルは、不敵に笑うと“黒い渦”を出した。こ、これは……ニールセンと同じ渦だ。まさか、これはダークエルフの秘術だったのか。



「こんなモン! サンダーブレイク!!」



 渦を振り払い、俺はそのままミカエルの背中へ斬りかかった。しかし、刃が到達することはなく、気づけばミカエルは俺の背後に回っていた。……いつの間に!



「それでは、私を倒すことなどできない。ニールセンもね」



 コイツ、かなりレベルが高いぞ。

 魔力もスコルよりも上だろう。

 下手すりゃ、大賢者であるエドゥを上回っているかもしれない。


 この女、魔法で身体能力を大幅に強化しているな。



「けど、俺を舐めない方がいいぞ。そこらにいる冒険者とは違うんだ」

「ほう? どう違うというのですか。ただの子供にしか見えないですけどね」


「なら、見せてやるよ。俺の力をな」



 無人島開発スキルを発動し、俺は無数の石を降らせた。



 [落石][Lv.10]

  Level.5 :物理ダメージ 5000%




「な、なんです、これ……!!」



 さすがのミカエルもこれには驚いたようだ。



「これだけじゃない。お前にはこれをお見舞いしてやる」



 更に無人島開発スキルを発動し、材料を使って『魔導レーザー兵器』を設置した。



 [魔導レーザー兵器][Lv.10]

 [防衛スキル]

 [効果]

  S級ランクの防衛兵器。この魔導レーザーは自動で対象を排除する。無人島開発スキルを習得している場合は任意発動も可能。この兵器は破壊可能。


 Level.1 :魔法ダメージ 10000%、状態異常発生率10%、有効レンジ:500、再装填10秒、最大設置台数:3。

 Level.2 :魔法ダメージ 20000%、状態異常発生率20%、有効レンジ:1000、再装填9秒、最大設置台数:6。

 Level.3 :魔法ダメージ 30000%、状態異常発生率30%、有効レンジ:1500、再装填8秒、最大設置台数:9。

 Level.4 :魔法ダメージ 40000%、状態異常発生率40%、有効レンジ:2000、再装填7秒、最大設置台数:12。

 Level.5 :魔法ダメージ 50000%、状態異常発生率50%、有効レンジ:2500、再装填6秒、最大設置台数:15。

 Level.6 :魔法ダメージ 60000%、状態異常発生率60%、有効レンジ:3000、再装填5秒、最大設置台数:18。

 Level.7 :魔法ダメージ 70000%、状態異常発生率70%、有効レンジ:3500、再装填4秒、最大設置台数:21。

 Level.8 :魔法ダメージ 80000%、状態異常発生率80%、有効レンジ:4000、再装填3秒、最大設置台数:24。

 Level.9 :魔法ダメージ 90000%、状態異常発生率90%、有効レンジ:4500、再装填2秒、最大設置台数:27。

 Level.10 :魔法ダメージ 100000%、状態異常発生率100%、有効レンジ:5000、再装填1秒、最大設置台数:30。



 さすがに『Level.10』を使うわけにはいかないので、抑えて『Level.1』を設置してぶっ放した。これには意外どころか想像すらしていなかったようでミカエルは驚愕していた。



「な、な、な……!!!」



 大砲のような光がミカエルを襲う。

 これはいくら移動速度が速いと言っても避けられない。


 雷のような嵐のような光が何分間も続いて、やがて視界が開けた。すると地面には腕を抑えて膝をつくミカエルの姿があった。



「これで俺の勝ちだ」

「……こんなスキルをお持ちとは。これなら、ニールセンを倒せるかもしれません」


「は? なんだって?」


「この時を私は待っていた。あの男を止めて欲しい」


「へ……ええッ!?」



 コイツ、最初からそのつもりで?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る