聖女の癒し

 演説も終わり、俺たちは城へ引き返した。

 今後どうするか決めていかないとな。


 借りた部屋は、窓ガラスが全て吹き飛んだので別の部屋へ。


 ……ようやく、スコルと一緒に過ごせるな。


 ベッドに身を預けると、スコルも這い寄ってきた。



「……あ、あの、ラスティさん」

「どうした、スコル」

「さ……さっきの続きをしてもいいですか」



 顔を真っ赤にするスコルは、俺の胸に顔を埋めた。小さくて可愛い。


 そうだな、さっきは動きすぎて疲れた。少しだけゆっくりしたい。



「ああ、いいよ。こっちおいで」

「あ、ありがとうございます。嬉しい……」


「今日は大変なことになったな」

「そうですね。神聖帝国の親衛隊と王が現れました。ニールセンという方は……やっぱり、世界を支配したいんでしょうか」


「だろうね。アイツには野望があるらしい。俺には恨みはあったとは思うけど、それよりも世界を手に入れる方を選んだんだ」



 俺というよりは、ドヴォルザーク帝国への恨みも強いのかもしれない。だから、のし上がって国々を支配するようになった。


 今はドヴォルザーク帝国さえ落とそうとしている。あの帝国が陥落すれば……次は共和国か。そして、その次は俺の島国ラルゴさえも狙うだろう。



「これからどうすればいいのでしょうか」

「鉄はほとんど使ってしまったからなぁ。このままラルゴには帰れないな」

「共和国と共に戦うのです?」

「いや、今は材料集めを優先する。戦争は激化しているけど、帝国もそこまで弱いわけじゃないからな」



 アルフレッドの兄・ルーシャスが耐えてくれているはずだ。それに聖騎士たちも、かなりの精鋭揃いだ。そう簡単には落ちないはず。


「分かりました。でも、それまでは……ラスティさんと、こうしていて……いいですか」

「もちろんだ。しばらくは二人きりで居よう」

「はいっ。では、ラスティさんを癒して差し上げますね」



 ごそごそと服を脱ぎ始めるスコル。恥ずかしそうに下着姿になって――って、ええッ!?



「ちょ、待て! スコル……なにを」

「だ、大丈夫です。裸にはなりませんから」

「そういう問題ではなく!!」



 とんでもなく綺麗だ。

 真っ白な肌が神々しすぎて、俺はどこを見ていいのか分からない!


 エルフの神秘的な美しさは承知していたが、スコルは別格だ。常人の女の子を遥に凌駕しているスレンダー巨乳。


 何度か見たことはあったけど、こうして間近にすると……また別の興奮があった。



「どうしてもラスティさんを癒してあげたいんです」

「そ、そこまでしなくても……?」

「ダメです。たまには、わたしに身を委ねてください。どうぞ、胸に頭を埋めてください」


 そう言ってスコルは、下着姿のまま抱きついてきた。うわ、心の準備が出来ていないぞ……!



 気づけば、俺はスコルに包まれていた。



「…………」



 俺は頭が真っ白になった。

 こ、これは……困ったというか、どう反応すればいいのやら。


 けど。

 とても癒される。


 スコルのぬくもりを感じる。



「好きですよ、ラスティさん」

「……ありがとう、スコル。しばらく、このままで」

「はい、ずっと一緒です」



 俺はしばらくこのままでいることにした。

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