破壊の書
「ほう、ルドミラが現れるとはな」
「陛下……いや、貴方が魔王だったのですね。我々人類を
「そうだ、ルドミラ。貴様がずっと魔王だと思い込んでいたオーディンは、人類の救世主だった。だが、この私が魔王として汚名を着せてやったのさ」
――そういう事か。全部、親父……アントニンの仕組んだものだったんだ。
「やはり、そうだったか!! この裏切者!!」
突如、大声が響き渡る。この声は……まさか、駆けつけてくれたのか! 俺は、声の方向に視線を向けた。すると、そこには――。
「ハヴァマール! ストレルカとテオドールも駆けつけてくれたのか!」
「そうだ、兄上。起きて見れば、邪悪な気配が島にいるではないか! 帝国の皇帝が魔王だったとはな」
キッとアントニンを睨むハヴァマール。そうだな、ずっと魔王なんて不名誉を押し付けられていたんだ。俺としても許せない。
アントニンはまた高笑いして、ハヴァマールを鷹のような鋭い目で睨みつけた。
「ハヴァマール、ずっと姿を現さないと思ったら、ラスティの影に潜んでいたか。帝国から追放される機会を伺い、兄を待っていたようだな」
「そうとも! 兄上には自由になって欲しかった。新しい国を作り、人類に希望を与えて欲しかったのだ」
そうか、それでハヴァマールは……ずっと見守っていてくれたんだな。嬉しいじゃないか。
「貴様などもうオーディンではない! ただの下等生物よ。それに、帝領伯の娘に……ほう、これは驚いた。テオドールも島に来たのか。まさに伝説の集結か」
名指しされたテオドールは失笑した。
「皇帝、貴方が魔王だったとは」
「そうだ。世界聖書の中に封印されている『ドヴォルザーク』を完全解放したその時、私は再び魔王として君臨する。その時、世界は滅亡するだろう」
「世界聖書……元々は世界の記録を残す為だった。だが、魔王を封印する為にも使われた。その封印は完全ではなかったのですね」
「そうだ、過去・現在・未来……全てを記すこの本は最初から“滅亡”しか書かれていない。何故なら、魔王が必ず世界を滅ぼすからだ。この聖書は、聖書ではない!! 魔王の為に存在する“破壊の書”だ。この私が作ったな……!」
ぎゅるぎゅるとアントニンの体が変化していく。部分的にも魔王化する気か! ていうか、皇帝が世界聖書を作った?? そうか、それさえも“偽り”だったんだ。人々の希望と示していたものは、クソ親父の大嘘。魔王を復活させる為のブラフ!!
この魔王は、
「スコル、ハヴァマール、ストレルカ……そして、ルドミラ、エドゥアルド、テオドール……! 全員、力を貸してくれ!! あのクソ魔王を倒すぞ!!」
「もちろんです! アルフレッドさんの為にも……わたし、全力でいきます!」「兄上、あの男を生かしてはおけぬ。聖槍・グングニルを使うといい!!」「ラスティ様、こちらはオケアノスの準備、いつでも大丈夫ですよ」「さあ、これで最後にしよう! ラスティくん!」「ラスティ様、この自分も使って下さい」「こうなったら、やるしかないよね。アイツから奪ったペットたちを使う時がきたな」
こちらは七人だ。
向こうは魔王ひとり!!
力を合わせれば倒せるはずだ……。力を借りるぜ、みんな。俺は『聖槍・グングニル』を強く持ち、
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