ランダムダンジョン突入
エドゥアルドの完治を確認。
「しかし凄いな、不老不死の力。老いもしないし、死にもしないわけか。無敵じゃん」
「そうでもないですよ。不死と言っても、殺そうと思えば手段がないわけではないので」
「へえ、それはちょっと気になるな。例えば?」
「……」
聞き返すと、エドゥアルドは少し悩んでいた。そうか、エインヘリャルの弱点を言ってしまうようなものだし、そう易々と発言できる情報ではないか。
「いや、やっぱり止めておく」
「いえ、ラスティ様には言っておきましょう。例えば、封印とか永久凍結・石化とかですね。かなり上位の魔法スキルなので、使い手はあまりいませんが」
なるほどなぁ、最強相手にはそういう手段が手っ取り早いわけだ。納得して、俺は階段を降りていく。ついにダンジョンへ踏み入れるんだ。
「話してくれてありがとう、エドゥ」
「エ、エドゥ?」
「最近、思ったんだけど“エドゥアルド”って、ちょっと長いだろ。だから、愛称だ」
「…………」
エドゥはスカートを両手で握り締め、口を
◆
ランダムダンジョン第一層へ突入したようだ。エドゥがそう教えてくれた。部屋内部は、なんだか神殿のような雰囲気があった。この前と変わらずか。それにしても、この無人島の地下にこんなモンが実在するだなんて信じられないけど、これが現実だ。
「あぁ、そうだ。重要な事を忘れていたよ、エドゥ」
「重要な事、ですか」
「モンスターを出て来れないように出来ないの? 島を荒らされても困るんだよなぁ」
「う~ん、さすがの自分も“ヴァルハラ”の力に干渉できるかどうか。あれは、大賢者でも持て余すの程の魔力量。失敗すれば、自分が吹き飛びます」
そ、そんなにハイリスクなのか。
それでは処置に困るな。
しばらくはこのままかなあ。
先へ進むと、オークが出現。こちらへ向かってきた。この前のヤツか――!
[エレファントオーク]
[属性:地]
[種族:人間]
[詳細]
鼻が長いオーク。その嗅覚は鋭く、鼻を武器にする場合もある。武器は『エレファントアックス』を扱い、投げてくるので注意する。
「エレファントオークというのか。道理で鼻が長いと思ったよ。エドゥ、支援できるのか?」
「回復魔法の『グロリアスヒール』しか覚えていないです。後は補助系でグロリアステレポートですね」
スコルに近い系統と思ったのだが、そうでもないのか。大賢者とはいえ、聖女系のスキルはある程度しか覚えられないわけか。でも、ヒールは使えるようだし『体力回復ポーション改』の節約はできるな。
――となると、今まで見せて貰った『ソウル』スキルが期待大かな。
「じゃあ、いざとなったら頼む」
「了解しました」
俺は前に向き直る。
エレファントオークが二十体ほど向かってくる。この前はビビってしまったが、今日は一味違うぞ。頼れる仲間もいるし、本気でいく。
「まずは、落とし穴(小)を設置だ!!」
石と土を100個消費。
10個の落とし穴を地面に設置した。その直後、エレファントオークが落とし穴に掛かり、次々に落下していく――!!
『ングォォォォォ……!!』
そこへ、すかさず風属性スキルの『サンダーブレイク』を落とし、粉砕。二十いたオークが瞬く間に塵と化し、ドロップアイテムを大量に落とした。落とし穴の中に。
「よっしゃー! 楽勝だな」
「す、すごいです……ラスティ様。あの地面の罠は意外でした」
「わははは! そうだろう。こんな斬新な戦い方をしているヤツは、世界で俺ただ一人だろうな」
「ええ、やっぱりラスティ様は大変魅力的な殿方です。あのワーグナーを倒しただけあります。素晴らしい」
なんか褒められまくりだ。悪い気はしないし、
俺は誤魔化すように先へ進んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます