裁縫スキルを習得している妹
俺に『無人島開発スキル』の力を与え、ゲイルチュールをくれ、様々なアドバイスや時には強化をしてくれたり、何かと便利な
こいつの正体は、今だにハッキリしないが……とりあえず、世間一般的には『魔王』として知られ、恐れられているようだ。俺は全く興味がなくて知らなかったけどな。
そんな妹と共に、洞窟を目指して森を歩いていた。
「なあ、ハヴァマール」
「なんだい、兄上」
「お前、どうして猫耳なんだ。あとあの家にあるスライムのクッションはどうやって手に入れた」
「この猫耳は
衣装アイテムとな?
そんなものが存在するんだな。
「で、クッションは?」
「うむ。余には『
「裁縫スキルぅ?」
「服を作ったり、あのようなクッションを作ったり、コスプレを作ったり色々出来るぞ」
「なるほどなぁ。まさか服を作れるとはな」
どうやら、ハヴァマールの趣味でもあるらしく、そのようなスキルを習得しているのだとか。こりゃ、服とか破れた時は直して貰おうかな。
「兄上の服も作ろうか? その皇子の格好もそろそろ変えた方がいいのでは」
「そうだな、もう帝国の皇子ではないし、この島に相応しい服装にしたいな。材料とか必要なら言ってくれ、集めるから」
「基本的には『糸』が必要なのだが、生憎もう切らしていてな。入手方法は『細い毛』をドロップするモンスターか、植物モンスターのドロップする『綿』を原料とするかだな」
なかなか難易度の高そうな要求だな。まあ、今回の洞窟ついでにゲット出来ればラッキーと思っておこう。そもそもそんな『毛』だとか『綿』だとかドロップするモンスターって、どんなモンスターだよ?
「一応、教えてくれ」
「毛の方は種類が多くてな~。例えば『ピンクネザーランドドワーフ』とか。でも、あの子は可愛いので討伐したら怒る!」
「いや、名前だけじゃ分からんし」
ちょっと頬を膨らませ、両手を耳よりちょっと上の
なるほど。『毛』を落とすのはラビット系のモンスターなのか。それはさすがの俺も倒し辛い。それに、ハヴァマールに嫌われる。却下だな。
「植物モンスターの“マンドラゴラ”を倒すしかないな」
「ああ、それは聞いたことある。抜くと悲鳴を上げるヤツだな」
「多分、この島にも生息しているはずだ」
なら、マンドラゴラを倒そう。
どこかで沸いているといいんだが。
◆
洞窟まで辿り着いた。
この前は、巨大イノシシ『グリンブルスティ』を倒した。落とし穴こそ残っていないが、その破壊の爪痕がまだ残っている。
洞窟内部は……穏やかなようだ。
よし、これなら『
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