家 Lv.10

 自然多きこの島は、森となって木々が沢山生えている。どうやら、島は特殊のようでハヴァマールによれば『木』は一週間もすれば必要な場所に生えるという。だから、いくら伐採しても問題ないらしい。


「この場所でいいだろ。きこりタイムだ」

「では、さっそく支援スキルを使いますね!」


 新しいスキルを俺に掛けてくれるスコル。手をかざしてくると、俺は不思議な緑色のオーラに包まれる。


「おぉ」

「キリエとグローリアです。あんまりプラスにはならないですが、ないよりはマシかと」

「移動速度が上がるし、これは助かるよ」

「良かったです!」


 単純に歩く速度が上がるだけでも効率アップ。さっそく歩いてみると、いつもより早く歩けた。いや、これはもう走っているに近い。


 俺はそのまま大木を『ゲイルチュール』でぎ倒していく。



「おりゃぁぁぁッ!!」



 本来、つるはしは岩とかを粉々にする為の物だが、ゲイルチュールは違う。木を倒し、石を砕き、土を掘れる万能つるはしなのだ。


 ピックを当てると、木は倒れ『木材』としてドロップ。自動的にアイテムボックスへ回収される。今回から、ゲイルチュールの効果のおかげで25~50個が獲得できるようになっている。


 確認してみると、本当に増えていた。



 木材×63 → 木材×80



 今ので『17個』も獲得したらしい。凄いなこりゃ! 今まで1~5個だったのが、一気にこんなに。こりゃ、今日中には島のレベルが『10』を超えるな。


 しかも、スコルの支援魔法のおかげで威力も移動速度も上がっている。1%とはいえ、ないよりはマシ。助かったな。



「凄いです、ラスティさん! 道が開けていますね」

「ああ、湖へのアクセスのしやすさ……つまり、道路整備を兼ねているからね」


 湖はそれほど離れていないが、木が邪魔だった。道を作れば、水も引いてこれる。俺はそのまま温泉の方も木を取っ払った。


 バッタバッタ薙ぎ倒し、木材を大量獲得。どんどん進めていく。たまに休憩して、スコルからヒールを貰って回復。雑談とかして仲を深めていく。


 そんなこんなで集中して作業を進めていれば、夕方になっていた。おっと、熱中しすぎたな。



「……ふぅ、疲れましたね」

「そうだな。もう十分ゲットした。そろそろ強化へ移ろう」

「はいっ。わたしは、お夕食の準備を進めますね」


 家の前で別れ、俺は玄関前に立つ。

 さっそく『家』を強化する。


 強化に必要な材料数は100個。これを『無人島開発スキル』で使用すると、家がレベルアップするようだ。


 俺はスキルを発動。



 木材×1277 → 木材×1177


 家Lv.1 → 家Lv.2



 おぉ、本当レベルアップした。

 外観がちょっとだけ変わったし、広さも微妙に変化しているようだ。よし、このまま一気に強化だ。



 家Lv.2 → 家Lv.10



 木材を800個使用。残り377個となったが、家の外観はかなり強化され、台風くらいなら余裕で耐えられそうな感じとなった。



 これでついに無人島は『Lv.17』となった。やっと『ワークテーブル』が使用できるようになった!

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