無人島の開発状況

 スコルのヒールのスキル詳細を見せて貰った。



 [ヒール][Lv.5]

 [魔力消費量:30]

 [効果]

  対象の軽症程度の傷や疲労を回復する。回復力は、スキルレベルと使用者のINTに影響する。アンデッド属性に対してはダメージを与える。



 これは便利だな。

 ポーションなどの回復剤がなくとも直ぐ回復できるわけか。ただ、スコルの魔力は消費するから乱発は出来なさそうだな。



「回復魔法なんて初めて受けたよ」

「そうなんですか? ラスティさんほどの方なら専属のヒーラーとかいそうですが」

「城じゃあ、そんなの居なかったなぁ」

「じゃあ、わたしが初めてなんですねっ」


 なんだかスコルは嬉しそうだった。なんだろう、急に上機嫌だな。


「まあな。おかげで無人島開発も難なく進められそうだよ。ほら、病気になったら薬もないから大変だしな」

「治療ならいつでも申し付けて下さいね」



 そう破顔するスコル。花のような笑顔がまぶしいぜ。エルフは表情豊かで愛嬌たっぷりだな。おかげで退屈しなくて済む。正直、一緒にいるのが楽しくなりつつあった。


 だが、まだ住居環境は良いとは言えない。一刻も早く無人島開発を進めねば。



 現在、無人島の開発状況は――



 [無人島][Lv.2]

 [開発状況]

  沼 Lv.1

  小屋 Lv.1


 [食料]

  ラズベリー×6


 [所持材料]

  石×5

  木材×3



 らしい。スキルを使用すると【開発状況】というものが示され、進捗が理解できた。どうやら、開発が進むと無人島自体のレベルが上がるようだ。


 まだこんなモンか。だけど今日はもっと進めていく。材料を集め、今度こそ『水』を確保だ。その後は農地を展開して食糧問題を解決せねばな。今のところ木の実しか食べれてないし。このままでは餓死がししてしまう。



「スコル、今日は一緒に行動しよう」

「はい、構いませんけれど……海辺で水浴びだけして来ていいですか? その、お風呂がないので……代わりに」



 そうだったな。風呂問題もあった。あとトイレとかな。まあ、トイレはその辺で――と、考えていたがスコルは女の子だからな、気を遣ってやらないとイカンな。



「分かった。済ませたら合流してくれ。俺はその間に材料を少しでも集めてくる」

「ありがとうございます、ラスティさん。では」



 ぺこっと丁寧に頭を下げてスコルは小屋を出ていく。……むぅ、心配だな。なるべく近くで行動するか。万が一にもモンスターに襲われたら大変だ。俺は途中までスコルを送り、近くの森で材料収集を開始した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る