第2話

◎ 第1章 初めの春

第5話 楽しい毎日


山はすっかり春模様となりました。

水の中も同様です。

だんだんと水温も上がってきました。

魚も昆虫も水草も。

そこかしこで生命が溢れています 


あの小さなふたりは、どうなったのでしょう。


いました!

鮭の子どもとかえるの子どもです。

大きさこそ違えども、よく似たかたちのふたりです。

ぽっこりとした大きなお腹は、鮭の子ども。

ひとまわり小さいけど、やっぱりぽっこりとしたお腹はかえるの子どもです。

どちらもぽっこりお腹の栄養が、ご飯代わり。

だから、何も食べなくてもお腹が空きません。

夜に寝ること以外は、ふわふわゆらゆら、一日中遊び続けています。


明るい陽射しは、水の中の枯れ葉のベットにも降り注ぎます。


「お腹がぽこぽこ。

なんだか幸せだねぇ」


鮭くんが言います。


「お腹がぽこぽこ。

なんだか幸せだねぇ」


かえるくんも言います。


流れのおだやかな淵の中。

毎日楽しく遊んで暮らすふたりです。

おだやかな流れに任せて行ったり来たり。


ふわふわ、ゆらゆら。


水中を流れていく落ち葉の上に乗ったり。

ときどき流れてくる大きな氷のかたまりに乗ったり。

ゆったりとした時間が流れます。

時には。

亀じいさんのむかし話を聞いたりもします。

楽しい毎日です。

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