Black or White
吉岡剛
伝承
第1話 むかしばなし
むかしむかし。
白い羽の生えている種族と、黒い羽の生えている種族、そして羽の生えていない種族は同じ世界で暮らしていました。
羽の生えていない種族は空を飛べないので地上で、羽の生えている種族は空に浮かぶ浮島で暮らしていました。
ある日、羽の生えていない種族を見た黒い羽の生えている種族が言いました。
「羽の生えていない種族は空も飛べないし寿命も短い。僕たちより劣っている種族だから奴隷にしよう」
そうして羽の生えていない種族をこき使おうとしました。
それを見た白い羽の生えている種族は、こう言いました。
「奴隷にするなんていけないこと。仲良くするべきだ」
お互いの意見が反発し合った白い羽の生えている種族と黒い羽の生えている種族は言い争いをしました。
言い争いはだんだん過激になり、ついに二つの種族の間で戦争になってしまいました。
お互いに空飛ぶ浮島に住んでいたのでその島を攻撃し合いました。
戦いは長引きました。
戦争が終わったのは、戦争が始まったときに生きていた羽の生えていない種族の人たちが、誰もいなくなったころでした。
白い羽の生えている種族が、黒い羽の生えている種族の住んでいる島を深い深い谷に落としたのです。
そして、白い羽の生えている種族は、その谷に別の浮遊島を使って蓋をしました。
深い谷に浮遊島をつかって閉じ込められた黒い羽の生えている種族は出てくることができなくなりました。
こうして、羽の生えていない種族を奴隷にしようとした黒い羽の生えている種族は閉じ込められました。
羽の生えていない種族は白い羽の生えている種族にとても感謝し、神様のような彼らを『神族』と呼んで崇めるようになりました。
そして、黒い羽の生えている種族は自分たちを奴隷にしようとした悪魔のような種族ということで『魔族』と呼ぶようになりました。
こうして羽の生えていない種族は『神族』に守られ、平和に暮らすことになりました。
【童話 神族と魔族】
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