#45 人間イスと言う名のお尻マイスター
文芸部での反省会では、俺は最後まで人間イスのままだった。
キョウコちゃんは、途中何度も俺のピ――にお尻でモゾモゾと刺激を与えたり、俺の肩に回していた左手で俺の耳たぶをモミモミしたりと、ここぞとばかりに人間イスの俺をオモチャにしていた。
そんな様子を文芸部軍団の面々は気付いて居ながらも、キョウコちゃんの態度は真剣そのものだったし、俺もお尻の感触に全集中する為に目を瞑って黙って居たので、誰一人ツッコミを入れることが出来ないまま話し合いが進められた。
しかし、1時間ほど経った頃だろうか、我慢の限界が来た部員たちが文句を言い出した。
「やっぱり先生だけズルイですよ! 替わって下さい!」
「そうだよー、先生だけズルいよねー」
「そうっすよ!」
「私たちだって水元先輩と遊びたいっすよ!」
「あのなぁ、私だって好きでこうしてる訳じゃないんだからな!」
「え?キョウコちゃんそうなの? 好きでしてるとしか思えないんだけど?」
すかさず俺はツッコミを入れる。
「当たり前だ! これは指導の一環だ! 担任として、そして顧問としての重要な職務なんだよ!」
キョウコちゃんはそう言いながらも俺の耳タブをモミモミしている。
いつもの様に強い口調で押し通すつもりだろうが、まるで説得力が無いな。
とりあえず、目の前にあるキョウコちゃんのセクシーな膝小僧や脚の内側を、フェザータッチで軽くなでてみる。
「ひゃん♡」
反応が面白いので、しばらくフェザータッチを続ける。
「ひゃん♡ はぁぁぁん♡」
「ほら!指導とか言いながら楽しんでるだけじゃないですか! 先生だけズルイですよ!」
「「「そーだそーだ!」」」
収拾がつかなくなってきたので、ココでハーレム主人公様の俺が一言。
「いくら俺のヒザの座り心地が良いからって、独り占めは良くないぜ?キョウコちゃん。 みんなにも後でちゃんと座らせてあげるから、ココは俺に免じてあまりキョウコちゃんを責めないであげてくれるかい?」
「や、約束ですよ・・・ポッ」
「えー私も座っていーのー?」
「出た!ノリオ節!」
「生ノリ先輩、マジ半端ないっす!」
「ご、ご主人様・・・今のはちょっと格好良かったでしゅ♡ 学校なのにキョウコもう濡れ濡れ♡」
恐ろしきかな、俺の主人公力。
俺の言葉ひとつで女の子たちの不平不満を治めてしまうとは。
ていうか、キョウコちゃん、変態なのもう文芸部で隠す気ねーだろ。
ということで、キョウコちゃんと交代で部員のみんなを順番に座らせてあげた。
まずは、金田ツインズ。
二人同時プレイだ。
脚を開いて左右のヒザそれぞれにミカンさんとレモンさんが座り、お尻をグリグリしながら座り心地を確かめる。
「あ、コレ意外といいっすね!」
「生ノリチェアー、半端ないっす!」
「生ノリってなんだ?」
「生のノリオ先輩っすよ!」
「じゃあ君らは、生ミカンと生レモンだな」
「生レモンって、ママレモンみたいっすね!」
生ミカンと生レモンのお尻は、二人とも肉付きが控えめな為か、ちょっと硬めで女性というよりも少女と言うべきか。 多分クルミもこんな感じなんだろうと思った。
いつかクルミも「お兄ちゃんのヒザに座りたい」とか言う日が来るのだろうか。
続いて、ぽっちゃり副部長の日比野さん。
決して太ってはいないが、恐らくこの中では一番重量があるだろう。
日比野さんは、俺に背中を向けヒザに座り、そのまま背もたれの様に俺にもたれ掛かって来た。 そして俺の両手を取って自分のお腹に持ってきて、シートベルトの様に固定した。
「う~ん、言う程かな~?」
癒し系キャラのクセして、中々厳しい評価だ。
低評価に人間イスとしてのプライドがちょっとだけキズついたので、両手でお腹のお肉を軽くモミモミした。
「あふぅん♡ って、ちょっと!お腹のお肉つままないでよー!」
ぶっちゃけ、揉み心地最高。流石癒し系。
俺のモミモミから逃れようと暴れるから、重量のあるお尻が俺のヒザの上でブヨンブヨンと暴れる。
お尻の感触も、最高だった。 意図せずピ――が元気になってしまったぞ。
モミモミを止めて解放すると、日比野さんは真っ赤な顔して「ななななんかぁー硬かった!なんか硬かった!硬かったよー!」とみんなに訴えていたが、恥ずかしいのかナニが硬かったか具体的な名詞を言わない為、不思議な顔した他のメンバーたちから「ナニが硬かったの?」と聞かれていた。
最後に、部長のフジコさんだ。
以前なら、こういうこととは無縁のキャラだとは思っていたが、キャラ崩壊した現在は違う。
この人は、優等生キャラでもマドンナでも無い。
ただの中二病拗らせた痛い少女だ。
案の定、フジコさんは普通に座らなかった。
スカートを摘まんで少し上げると、ガニ股で俺に跨り正面から向かい合わせで座って来た。 所謂対面座位。 しかもスカートをたくし上げている為、直にだ。
一応タイツを履いているから、下着や肌は直では無いが、それでもスカートの上からとでは感触が違う。
「やるな?フジコさん。 主人公の俺でも、流石にコレに耐えるのは至難の業だぜ」
生々しい感触に速攻で俺のピ――は元気になった。
「お、お褒めに預かり光栄です・・・」
フジコさんは茹でダコの様に真っ赤な顔で鼻息も荒く、ちょっとヤバイ人になっていた。
バランスをとる為に、フジコさんは両手を俺の肩に乗せ、俺の両手はフジコさんの腰に回して軽く支えている。
はたから見たら、抱き合っている様に見えるだろう。
見つめ合う主人公と元メインヒロイン候補。
だが俺は、フジコさんの表情よりもお尻の感触のが最重要案件なので、目を瞑り全集中でお尻の感触を味わう。
しかし、俺が目を瞑ったことでフジコさんが勘違いしてしまった。
そう、キス待ちフェイスだと。
そんなことも知らずに俺は、目を瞑ったままフジコさんのお尻の感触を堪能していると、キョウコちゃんが吠えた。
「月野ぉぉぉ! キスは許可してないだろうーがぁぁ!」
ハッ!っとして目を開けると、目の前には目を瞑って唇を突き出し鼻息を荒くして今にも俺にキスしようとしているフジコさんのどアップが。
その瞬間、キョウコちゃんや文芸部軍団の面々がフジコさんを引きずり下ろす。
「あと少し!あと少しだったの! 後生だから見逃して!後生だから!」
羽交い絞めにされ大声で訴え悔しさを滲ませるフジコさん。
今にも血の涙を流しそうな程、悔しがっている。
後生なんて言葉、リアルで使う人初めてみたぜ。
そして、さも当然の様に再び俺のヒザに座るキョウコちゃん。
ふむ
やはりお尻の重みと感触、そして形においてキョウコちゃんが一番だな。
長時間に渡り反省会をしたのに、結局胡散臭い中身はあまり変わっていない文芸部面々と顧問。
コレも俺という主人公が居るから仕方ないのだろうか。
そう
俺はどうしても罪を作ってしまうお尻マイスター、ノリオ。
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