#27 美人教師ともした



 この日部活が休みの放課後、約束通り文芸部の教室で一人待っていると、キョウコちゃんが一人でやって来た。


 キョウコちゃんは急いで来たのか、息が荒かった。



「はぁはぁ、待たせてすまん! 他の先生に捕まっててな、早く水元に会いに来たかったのにあのスケベジジイめ!」


「キョウコちゃん、大丈夫?」


「あぁ大丈夫だ。 それで早速だが、なんの話だったんだ?」


「えーっと、出来れば学校じゃなくて外に出て話したいんだけど」


「そうか、じゃあ車取って来るからどこかで待ち合わせするか」


「そうですね、お願いします」



 15分後に待ち合わせして、一旦学校を出た。


 待ち合わせ場所にキョウコちゃんが車で迎えに来てくれて乗り込むと、お喋りしながらドライブをした。



 しばらく走ると、ラブホの駐車場に車を入れようとしたので、「おいコラメス豚!淫行条例でツーホーするぞ!」と脅して止めた。


 キョウコちゃんは渋々といった態度で諦めながらも、ちょっと嬉しそうだった。

 どうやら、大事な話の前に緊張気味の俺をリラックスさせようと、キョウコちゃんなりのボケだったらしい。



「まったく流石年の功だぜ、この悪戯子猫ちゃんときたら、やれやれ」


「歳のことは言うんじゃない!」


「何言ってるんですか、それがキョウコちゃんの最大の魅力じゃないですか」


「んん?アラサーなのがか?」


「そうですよ。 若い子には無い、滲み出る色気っていうんですか? 大人の女性だからこその魅力ですよ」


「そ、そうか? 水元に言われると、そういう物かと思えてしまうのが不思議だ。 きっと水元は唯一無二の主人公なんだろうな。この身も心も捧げるだけの価値がある男だと思えるよ」


 相変わらず熱い思いを語るキョウコちゃんは、車を市立体育館の駐車場の片隅に停めた。



「ここなら平日は人も少ないし、私や水元だとは誰も気づかないだろう」


「ありがとうございます」


 そう言ってキョウコちゃんの頭を撫でてあげると、キョウコちゃんは目を細めたかと思うと、一気にギアをトップまで入れた。


「はぅ♡ ご主人様のお褒めのお言葉だけでキョウコ逝ってしまいそう♡」


「切り替えるのはやっ!」


「もっとナデナデして欲しいでしゅ♪」


 キョウコちゃん(29歳独身)は目をウルウルさせながら、真っ直ぐ俺を見つめて更なるご褒美を要求して来た。


 とりあえず、自分のヒザを「ここに頭乗せて」という意味でポンポン叩いてヒザ枕をしてあげた。「むふぅ♡」と幸せそうなキョウコちゃんの頭をナデナデし続けると、荒い鼻息が聞こえるほどキョウコちゃんは興奮し始めていた。



「それで大事な話があるんだけど、このまま聞いてくれます?」


「あぁ大丈夫だ。このまま話してくれ」


 あ、普段の口調に戻った。

 スイッチのオン・オフが凄すぎて、慣れるまで時間かかりそうだ。


「どうした?」


 俺が戸惑って話し始めないから、キョウコちゃんは俺のヒザに頭を乗せたまま、下から俺を見上げた。

 狭い車の中で、結構きつそうな体勢だ。 早く用件を済ませた方が良さそうだな。


「あぁえーっと・・・キョウコちゃん、俺キョウコちゃんの事が好きです。大切な人だと思ってます。 でも、俺にはキョウコちゃん以外にも大切に思ってる人が二人います」


「んん?二人居るの? 土田だけじゃなくて?」


「ええ、3年の木田サクラさんもです」


「はぁ?3年の木田と言えば、風紀委員に居た子だろ!?」


 キョウコちゃんはそう言って、俺のヒザから体を起こした。



「そうです。そのサクラさんです」


「あの子は真面目で、恋愛とか興味無さそうなイメージだが」


「そうですね、最初はそうでしたが、仲良くしてる内に完全に堕としました」


「お前ってヤツは・・・・って私も同じか。 わかった。他に2人居ようが3人居ようが私は構わないよ」


「え?」


「大事な話ってそういうことだろ? 水元ずっと言ってたものな「俺はハーレム主人公だ」って。私は水元を一人で独占しようとは思ってないから大丈夫だぞ。 その代わり、二人きりの時間は私だけをたっぷり可愛がって欲しいな♡」


「流石キョウコちゃん・・・年の功ですね」


「だから歳の話はするんじゃない!」


 そう声を荒げるキョウコちゃんの後頭部に左手を回して顔を引き寄せ、そのまま唇に口づけをした。


 キョウコちゃんは一瞬目を見開いて驚いた様に固まったけど、直ぐに目元が緩んで両手を俺の首に回して抱きしめて来た。


 キョウコちゃんにホールドされたまま口を一度離して、もう一度確認した。



「キョウコちゃん以外の人も大切にするっていうことは、キョウコちゃんと結婚は出来ないってことだけど、本当に良いんですか?」


「ああ全然構わないよ。 この際だから言っておくけど、元々結婚に執着なんかしてないからな。水元はずっと結婚に焦ってる行き遅れだと思ってたようだけど、結婚なんかよりも水元をどうやってペットにしようか、そればかり考えていたからな」


 おい、教師がナニ企んでんだよ!


「・・・・」


「待て!今は改心して逆に私が水元のペットになりたいって思ってるんだ! あぁその蔑むような眼差しがたまらない!!! ゾクゾクする♡はぁん♡」


 もうこの人喋らせてると、どんどん一人で勝手に暴走しそうだから、もう1度キスして黙らせた。



 後で聞いたら、キョウコちゃんも、ファーストキスだった。



 昨日と今日で、3人のヒロインのファーストキスを頂いてしまった。

 やっぱり凄いな、俺の主人公力。










 この日は自宅前まで車で送ってくれて、降りる間際「水元、最後に少しだけ」と真っ赤な顔して呼び止められて、唇に軽くキスしたら、いきなり助手席の背もたれ倒されて押し倒されて、ぐちゅぐちゅのべちょべちょになるまで顔じゅうキスされた。


 なんとか押しのけて逃げるように車から降りると、パワーウインドが下がり車の中から満足そうな笑顔で「おやすみなさい♡ ご主人さま♪」と言って、キョウコちゃんの車は走り去って行った。



「やべーな、あいつ」


 と独り言を言いながら玄関から家に入ると、リビングに居たクルミに

「ちょっとなにその顔!!!顔じゅうに口紅つけて!!!しかもジジイのクセに香水の匂いする!!! ちょーきめぇ!!!」と、ローキックを連打された。



 更に速攻でメグっちにチクられて、飛んできたメグっちにも正座で1時間お説教された。



「マーキングしたままのノリオ寄こすなんて、コレってメグにケンカ売ってるよね!」


「いや、発情したメス豚キョウコちゃんはそんなこと考えて無いと思うぞ? ただの欲求不満じゃないのか?」


「っていつまで顔じゅうキスマークつけてんだし!さっさと洗って来てよ!」


「いやメグっちが正座させるから洗いたくても洗えなかったんだし」


「いいから洗って来て!」


「へいへい」



 シャワー浴びて綺麗に洗い落として部屋に戻ると、今度は「上書きだし!」とマイクロビキニのメグっちに襲われた。











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