#19 幼馴染の決断



 文芸部に強引に入部させられて以来、俺の日常が色々と変わりつつある。



 特に放課後の過ごし方。


 文芸部は、月水金にある。

 それに加えてサクラさんとの約束もあり、空いている火木でサクラさんと寄り道デートをしている。 サクラさんには受験勉強もあるので、今の所、週2程度が丁度いいらしく、都合が良かった。


 そして、毎日夜になるとメグっちと勉強したりお喋りしたりしている。

 因みに週末は、メグっちがウチに泊まっては二人でゴロゴロダラダラしているな。





 メグっちと言えば、あの三つ巴の修羅場イベント以来スキンシップが更に激しく、そして色々と幼馴染アピールにも余念がない。




「メグっちよ、最近俺のTシャツばかり着たがるが、メグっちが着た後、胸周りが伸びちゃってるんだぞ? おっぱいが大きいのも困りものだな、まったくやれやれだぜ」


「いいじゃん、可愛いJKの匂いがたっぷり染み込んだTシャツ、ちょープレミアものだし」


「いや、すでにこの部屋自体がメグっちの匂いが染み込んでいるんだが。何せ10年物だしな」


「そだよー? ノリオはもう少しメグとの長年の積み重ねをじゅーよーししないとだし。 幼馴染は負けヒロインとか言ってるけど、そんなに軽いものじゃないっしょ?」


「う~ん、そうだなー、確かにスク水装備のメグっちは最強だしなぁ」


 メグっちは寝転がってスマホをいじりながらこんな会話をしているが、その間そのピチピチでムチムチな生足を俺の脚に絡ませていた。




 幼馴染のアピールと言えば、毎朝起こしに来たり、留守の母親の代わりに食事を用意してくれたり、勉強が苦手な主人公の為に勉強を教えてくれたりと、家族じゃないのに家族よりも世話を焼いてくれる等をラノベでよく見るが、ウチのメグっちはそんなラノベの幼馴染たちとは一線を画す。


 朝はメイクで忙しい為、俺を起こしにくる余裕など無いし、料理は俺の方のが上手いので態々俺の為に作ることも無い。勉強もまた然り、俺の方のが成績が良いので教えるのは俺の方だ。じゃあメグっちは何でアピールをしているのか? それは女性の武器を最大限活かしたエロアピールだろう。


 子供の頃からずっと一緒に居たから、俺の性癖趣向を充分に把握しているメグっち。 スク水装備したり、お風呂イベントでボヨンボヨンしたり。

 二人で歩く時に腕組んだり、部屋で過ごす時にベタベタするのもそうだろう。

 要は、その豊満な体を存分に使ってスキンシップをするのがメグっちなりの幼馴染アピールなのだ。


 それ、女性なら誰でも出来るんじゃないの?と思うかもしれないけど、気兼ねなく毎日俺の部屋に来れたり、気兼ねなく俺と腕組んだりお風呂に入ったり出来るのは、メグっちだけだ。その時間をフルでスキンシップしていると思って貰えれば理解して貰えるだろうか。



 ただ残念なことに、いくらメグっちが豊満で魅力的な女性であろうとも、そのアピールは効果が薄い。


 何せ、俺には慣れ過ぎてしまっているからな。

 スク水くらいの付加価値を付けなければ、今のメグっちでは厳しいだろう。




 因みにスク水は標準装備となり、メグっちは毎日スク水を着る様になった。


 メグっち曰く「スク水のが動きやすいしサイズも併せやすいし値段も安いし(サイズの大きいブラは種類が少なく価格も高いらしい)、ノリオも喜ぶし」とのことだった。


「土田メグ?あーあのスク水の?」と、今ではメグっちと言えばスク水というくらいの代名詞となり、「スイマーメグっち」の二つ名も付けられる程になったが、相変わらず他の女子にはスク水が流行ることはなかった。



 そして・・・


「最近なんかノリオ、メグのスク水みても全然ときめいて無くない?」


「う~ん、どうだろ。 スク水は相変わらず大好きなんだけどな、メグっちにフレッシュさを感じられなくなっているのは、あるかもな」


「フレッシュさが無い・・・・つまり、倦怠期みないなもの?」


「そうだなぁ、まぁ10年以上一緒に居るからなぁ。でもそれはしょうがなくないか?メグっちだって俺にはそうだろ?」


 メグっちは、ピチピチでムチムチの生足で胡坐をかいて、腕組んで考え事を始めた。


 すると、何か結論に至ったようだ。



「・・・・わかったし。メグ、スク水の次のステージに登るよ」


「次のステージ?」


「うん・・・通販でマイクロビキニ買ったし! もうコレしかないっしょ!!!」





 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。








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