#13 幼馴染とお風呂イベント



 サクラ先輩との放課後デートを終えて自宅に帰ると、メグっちが俺の部屋で待っていた。



「もう晩御飯は食べたのか?」


「うん、家で食べて来たよ」


「そうか、俺はまだだからココで食べさせて貰うな」


 そう断ってから、クルミがコンビニで買ってきてくれていた唐揚げ弁当を食べ始める。 

 そういえば、お昼も唐揚げだったな。 



「ねえ、ノリオ。 今日はサクラ先輩と一緒だったの?」


「おう、そうだぞ。よく知ってるな。 サクラ先輩がどうしても俺と放課後デートがしたいって言うからさ。 ハーレム主人公も大変なんだぜ?」


「へぇ~・・・」


「ん?なんだ?気になるのか? 月野さんの次はサクラ先輩にも焼き餅か? 主人公の幼馴染というのも大変だな。 そんなメグっちにはご褒美に俺の唐揚げを1つあげよう」


「むー、それをノリオが言うなだし。ていうかサクラ先輩、どんな感じだった? ガチめだった?」もぐもぐ


「う~ん、そうだな。 俺のこと”唯一のボーイフレンドとして、これからもよろしく”って言ってたぞ。 あれはガチだな」


「うっわ、あのサクラ先輩がそんなこと言うなんガチ恋確定じゃん。マジで言ってたの?いつものノリオの妄想じゃなくて?」


「ああ、マジで言ってたな。 疑うなら今度自分で聞いてみろ。 っていうか俺のは妄想じゃないぞ、全て現実だぞ」



 メグっちに改めて指摘され、しみじみと思う。


 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。




「よし決めた! メグ今日ココに泊まるから!」


 今日は金曜日で明日は土曜日だし、メグっちが泊っても特に問題はない。



「ああ、それは良いけど、どうした?急に」


「メグが負けヒロインじゃないってとこ、見せてやるし!」


「おおそうか、頑張ってくれ。 とりあえず、俺は風呂入って来る」



 そう言って一人でお風呂に入っていると、スク水を装備したメグっちが後から入って来た。



「今日のメグっち、サービスしすぎじゃないか!? スク水幼馴染とお風呂イベントだとか、やはり最強ヒロインの座はメグっちに確定かよ!!!」


「ふっふっふっ、ノリオの性癖はメグが一番わかってるし。メグの手にかかればノリオなんてチョロ雑魚だし」



 因みにだが、俺もメグっちもガキのころから互いの裸を見慣れているせいで、今更裸を見てもお互い恥ずかしくも無い。

 なにせ、ガキの頃からしょっちゅう一緒にお風呂入ってたしな。

 流石に中学生になってからは数えるほどだが、妹のクルミよりも遅い時期の小学校の高学年までよく一緒に入っていた。


 だから俺は、メグっちの裸よりもスク水姿の方にエロティシズムを感じてしまう。



 ただし、俺の性的センサーがビンビンに反応しているからと言って、俺からメグっちにエロエロなことをすることは無い。


 俺は主人公だしな

 一時の性欲に負けてそんなことをしてしまえば、他のヒロインたちを悲しませてしまう。 ヒロインたちに悲しい想いをさせない、それがハーレム主人公のプライドってヤツだ。


 だから、スク水の幼馴染に大興奮していても、あくまで視姦して楽しむだけで、一切手を出さない。



 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。





 しかし、メグっちはそんな俺にお構いなしだ。


 偶然を装って、その豊満な胸をボヨンボヨンと俺に押し付けてくる。


 昔から遠慮なしにスキンシップしてくるメグっちだったが、ここ数日は特に激しいな。


 月野さんの話をした後からだろうか

 更に今日、サクラ先輩の話もしたしな



 他のヒロイン達の話を聞いて焦って積極的に大胆になるなんて、可愛い幼馴染だぜまったく



 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。






 ひとしきりメグっちとのラッキースケベ的なボヨンボヨンを楽しんだ後、俺はお礼にメグっちの頭を洗ってあげる。


 頭を泡立てて、爪を立てるようにモミモミ頭皮をマッサージしてあげると、メグっちは気持ちよさそうに鼻歌を歌い始めた。

 先ほどまで大胆だったメグっちは、いつもの様な落ち着きを取り戻していた。


 メグっちの洗髪を終えると、湯舟に二人で浸かる。

 二人とも「ふぃ~」と脱力した息が漏れる。



 のんびり二人きりのバスタイム。幼馴染だからこそだろうな。

 他のヒロインたちとだったら、こうも落ち着いた時間にはならないだろう。



「ちょい!お風呂でオナラするなし! メグにまで”ブブッ”って振動来たし!ちょーくせーし!マジ死ねだし!」



 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。



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