#04 主人公様がぼっち飯のハズが無い
お昼休憩になると、教室は喧噪に包まれる。
この学校には食堂とかそんなお洒落な施設は無い。
なにせ田舎の普通の公立高校だからな。
因みに、屋上は常時封鎖されているし、校舎裏はずっと日陰でジメジメしてて狭くて外からはフェンスで丸見えだから誰も寄り付かず、ラブコメ定番の告白スポットとか空想上の話だ。
だからだろうな、この主人公様の俺に告白イベントが発生しないのは。
おっと、話がそれてしまった。
お昼のお弁当だ。
俺は自分の席で食べる。
何せ主人公様だからな
自分から席を移動する必要は無い。
カバンからお弁当を取り出して机に置く。
朝、母親が作ってくれたお弁当だ。
妹のクルミも俺と色違いでお揃いの弁当袋に弁当箱を使っている。
前にお互い間違えて逆のお弁当箱を学校に持ってきた時の妹の発狂ブリが懐かしい。
あの時は、何故か俺が責められて鳩尾にグーパン入れられたっけな
相変わらずのツンデレさんめ
フタを開けると、厚焼き玉子と冷凍食品のから揚げにホウレンソウの御浸しだ。
甘い厚焼き玉子から味わう。
うん、甘い。
次にホウレンソウの御浸しだ。
そしてから揚げは最後のメインディッシュ。
冷凍食品と言えど、侮るべからず。
冷めててもプリプリしてて美味しい。
お弁当を食べ終えるとカラになったお弁当箱を廊下のシンクで軽く濯いで、カバンに仕舞う。
残りの休憩時間は、図書室に行って過ごそう。
え?
食事中は一人なのかって?
そうさ、みんな俺の主人公様オーラが畏れ多くて、近寄ることすら遠慮してるからな。
メグっちだって月野さんだって、きっとそうだ。
ホントは二人とも俺と一緒に食べたいんだろうけどな。
二人とも俺を取り合って争いになることを避けて、牽制しあっているのだろう。
メグっちは仕方無くギャル軍団の連中と一緒に食べてるし、月野さんも仕方なく仲良し女子グループと一緒に食べている。
まぁ、二人が争ってもクラスの雰囲気が悪くなるだけだし、だからお昼は俺も大人しく一人で食べてるってわけさ。
そう
俺は罪作りな男、ノリオ。
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