夢とチョコレート

 2月14日。私はチョコになった。


 魔女さんは私の願いを叶えて。けどこんなことまでは望んでいない。


 貧乏でチョコを買うことさえ敵わない私に魔女さんはチョコを出すと言った。しかしそのチョコが私自身だとは少しも思わなかった。


 私は好きな人の席に置かれた。


 そしてバックの中に閉じ込められた。何時間もずっと。あの人が大事にすればするほどずっと長い時間。


 やがてバックから出た。それは私が終わるときを意味する。彼は包を開けた。


 あぁもう終わるんだ。そう思ったとき、夢から覚めた。

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