2020年4月7日(火)-3
そうしてその日の夕方、緊急速報という感じでテロップが流され、テレビ画面に時の総理大臣が登場。
例のアベノマスクしっかりつけているのが何度見てもシュール。まわりに映るひとたちは布マスクとか不織布で、一人だけ給食マスク状態だから。
『えー、新型コロナウイルスの感染が都市部で急速に拡大している事態を受けて、政府は新型コロナウイルス対策特措法に基づき、【緊急事態宣言】を行うことを決定いたしました』
「とうとう出た! 緊急事態宣言!」
もう何日か前から出るか? 出ないか? どうなの? どうするの? という感じでじりじりしていたが、とうとう出た。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。
「宣言は5月6日まで……ってことはGWいっぱいは緊急事態宣言下か。あー、でも栃木県は入っていない。どうなんだろ、でもこういう事態になったんだから学校は休みにしていいんじゃないの?」
その後、夜の6時半からはじまる県のNHKニュースも目を皿にして最初から最後まで見てみる。
新たに宇都宮市と栃木市が休校に入ることに決めたと、アナウンサーが原稿を読み上げていた。
そうして天気予報が終わり、NHKの夜7時の全国ニュースが流れではじまる。
「……で! 我が足利市は結局休校にしないんかーい!」
思わず盛大にずっこけてしまう。いや、しろよ。ほかの市町村と足並みをそろえようぜ。お隣の群馬は休校がもう決まってるっていったい何度言ったと思ってんだ。ここ県境の市だぞ? ほぼ群馬みたいなもんだぞ?
「市にメールしたのも無駄骨になるのか? いやいやホント待ってよ無理だって~!」
思わず半泣きになるが、そんなの関係ねぇとばかりに「ママお腹空いた~!」と子供たちの大合唱。はいはいはいはい、あんたらはいいよね座っていればご飯が出てくるんだからねぇ! と思わずプチ切れてしまう。
そうして子供たちにご飯を出し、自分も掻き込んだあと、こりもせずにまた市のHPを見に行ってしまった。
ところが、だ。
「――お? 教育委員会のところのお知らせ欄が変わってる」
トップに『お探しのページは現在、ご覧いただくことができません』という注意書きがでかでかと書いてあって、更新ボタンを押しても画面はそのまま。
――ということは。市役所のほうでなんらかの話し合いがはじまっているということか?
「いいぞ……話し合え……わたしが出したメールも会議の場で読み上げるがいい……さっさと休校を確定してくれ……」
思わずPCの前でゲンドウポーズで待ってしまう。
そうして夜の8時半近くになって、ようやくHPが更新された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます