2020年4月7日(火)-2

「マジで学校再開するのかなぁ。もう今日、明日じゃん、はじまるのさ……」


 というか市内の中学校はもうはじまっているんだよな、今日が始業式だもん。

 で、明日8日が小中学校の始業式、息子が通う幼稚園も同じく始業式、9日が市内中学校の入学式、そして10日が市内小学校の入学式……。


「もう中学校ははじまっているようなもんだから、休校にはならないのかなぁ。確かに関東では一番感染者数が少ない県だし、高校はもうはじまって……いるんだよな?」


 ふと思い立って調べて見たら、自主休校している私立高校も多いようだ。宇都宮短大付属を皮切りに、佐野日大高校も休校を打ち出している。だが県内一のマンモス校、作新学院は通常どおりできているっぽい。


 その後も一日ネットに貼りつき、夕方までに県内でも、小山市に続いて下野、壬生、野木での休校が決まったのを確認した。


「で! なんで群馬県のすぐお隣のここ足利市が休校にならないんだよぉおおおお!」


 思わず頭をかきむしってしまう。あまりに悲嘆に暮れ、Twitterにもつい荒れた投稿をくり返していると、フォロワーさんがこんなリプをくれた。


『うちの市も休校になる気配がないんですよ。たとえ再開するとしても自主休校を考えてはいるんですが、とりあえず市の教育委員会に意見ということでメールを送ってみました』


「市の教育委員会にご意見メールか……」


 なるほど、市民の意見を市に届けるツールを活用するという方法。これは悪くないかもしれない。

 さっそく市役所のHPに飛んで、教育委員会のところを調べる。すると「ご意見はこちら」という形でメールフォームが作られていた。


「モンペの走りみたいな行動をしているって思われるかしら? それでもいいや。今は学校が再開するほうが怖い」


 マスクもまともにつけられないうちの子供たちを集団生活の場に向かわせたらどうなるのか。まだ薬も治療法もこれだというのがわかっていない未知のウイルスが潜む中に飛び込む危険を考えれば、モンペと思われることくらいどうということはない。


「えーと、『小学校入学を控えている児童の保護者です。娘はマスクをつける習慣がこれまでなく、上手くつけることが難しいです。その状態で集団生活を送らせるのは親としてとても心配があります。つきましては、市内小中学校の学校再開を検討していただきたく、メールさせていただきました』……」


 そうして打ち込んだメールを送信。たった一つの意見でも、同じような声が十か二十集まれば市長の意見も変わるかも……!


「県内でもあちこちが休校を表明しているんだから。お願いしますよ市長殿……!」

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