第2話 この世との別れ
いつも行くスーパーの屋上。今日は風が強いようだ。幟がバタバタとなびいている。昔はこのコンクリートの殺風景な屋上にも小型のメリーゴーラウンドやゴーカートがあり、母親とおばあちゃんと一緒にスーパーで買ったお弁当を持ってよく来ていた。子供の頃は自分の存在価値なんて考えても見なかった。
おばあちゃんは僕が小さい頃に亡くなった。
「あの頃は良かったな」
そうつぶやくと、手すりに手をかけた。
躊躇はなかった。なかったと言ったら嘘になるかもしれない。最後に母親にお礼でも言っておけば良かった。
ふわりと風に乗った気がした。
「誰か飛び降りたぞ!!!」
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