不眠症狂奏曲

羽弦トリス

第1話不眠症の始まり

あれは僕が26歳の時。仕事で朝まで帰れない日が続くようになってから。例えば昨日、朝の7時には出勤して、今日の昼に仕事から解放されるような仕事をし始めて半年経った時であった。

夜勤ではない、30時間勤務をやらされて精神的にも身体的にも辛いと感じるようになってからだ。

仕事が終わっても、自宅で寝れなくなったのだ。

僕は心の中で、たぶん身体が仕事に慣れたんだ!と思っていた。

寝たとしても、1時間おきに目覚める。こうなると、既に不眠症なのだ。

衰弱していき、心療内科へ行くことを決心した。


会社から遠くて、自宅からも距離のあるクリニックのドアを開いたのが、27歳の始め頃。

医師に不眠症ですと言われる。軽い睡眠薬と精神安定剤をもらった。

その晩、薬を飲み寝てみたら数年ぶりに朝まで眠れた。

どんどん、体力が回復して以前よりも、仕事量が増えたが、夜、または昼に眠れた。

しかし、一年は続かなかった。再び不眠症になったのだ。

それから、仕事を辞めなくては行けない程の状態になり退職したのだ。


再び仕事を探し、結婚し、子供が出来たが不眠症は続く。

ついに、統合失調症と診断された。

仕事は長くは続かなかった。

半端ない薬の量と睡眠薬で、狂人になりかけていた。クリニックを変えてだいぶ薬の量は減った。

だが、眠れない。

昼間眠くなり、昼寝する事が年に数回あるかどうか。

今は、睡眠薬で3時間眠れたらいいところ。

兎に角眠れない。

頼むから、再びベゲタミンAを製造開始して欲しいのだが。

先週の土曜日は夜中の4時まで眠れず、日曜日は1時まで起きていた。

だから、昼寝しようとしたのだが、眠れなかった。

不眠症噺の始まり始まり。



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