少数派
巫 歪
石
小さい時から、「普通の人」と違うことをしていた。
周りの子はみんなでかくれんぼや、鬼ごっこをしている。お絵描きをしている子もいる。本を読んでいる子もいる。大概の子供はそういうことをして、1日を過ごす。
けれど、私は違った。みんなが絵を描いている時、私は石を並べていた。小さいもの、大きいもの、尖ったもの。特に並びに決まりがあるわけではないが、ただひたすら並べていた。
先生が私を呼ぶ。「ひずみちゃん、こっちでみんなとお絵描きしよう。」
私は無視して、黙々と石を並べる。
先生が、小さい声で呟く。「みんなやってるのに、どうしてあの子はいつも外れたようなことをするのかしら。迷惑な子。」
別に、絵を描きたくなかったわけではない。
何か外れたことをしたかったというわけでもない。
私はただ、人と同じことをやりたくないだった。
それでも、世間はそれを許してはくれない。
’'なんで「普通の子」と同じことができないの?’'
巫 歪 5歳。
カンナギ ヒズミ ゴサイ
齢五歳にして、初めて自分が世間から切り離されていると感じた瞬間だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます