第21話 身を寄せ合う2人
夜の
ボルドは寝室でブリジットを待ちながら、見慣れぬ
ブリジットの帰還を
しかし先代は体調が優れないため欠席していた。
ボルドも同席を許され、ブリジットとシルビアが交わす昔話に耳を傾けていたが、総じて静かな食事の席だった。
ブリジットは過去の話をしてからどこか
夕食は早々にお開きになり、ブリジットは
「ボルド。今日は疲れただろう」
夜着に身を包んだブリジットは寝室に入るとそう言ってベッドに腰掛けた。
だが彼女の目にいつもの
「アタシも疲れた」
そう言うとブリジットはベッドに横たわり、ボルドを手招きする。
ボルドは一礼すると彼女の
いつもはすぐにボルドに
彼女は天井の一点を見つめたまま
「……おまえは死なせはしない」
「えっ?」
思わずそう声を
「母が
そう言うとブリジットはわずかだが彼の手を握る力を強めた。
ボルドは彼女を
だからせめて彼はブリジットの手を強く握り返した。
今までそんなことはなかったから、ブリジットは少し
そんな彼女に伝える言葉をボルドは懸命に
「ずっと……お
ボルドの言葉を聞き、ブリジットの口元がわずかに
そこにはほのかな笑みが浮かんでいた。
「おまえは口下手だな。まあ、ペラペラ
そう言うとブリジットはボルドの黒髪を
「今夜はもう寝ろ。本隊が合流するまで明日からしばらくここで暮らすからな。
そう言うとブリジットはボルトをそっと抱き寄せた。
甘い香りのする彼女の体に包まれるように抱きしめられたボルドは、
今までこんなふうに誰かに優しく抱きしめられたことはない。
ボルドはこの時、ハッキリ自覚した。
自分は……この女性と一緒にいたいのだと。
「おやすみなさい。ブリジット」
「……ああ」
ほどなくしてブリジットの寝息が聞こえてくる。
これまでのボルドの人生で眠るときはいつだって1人だった。
だが、今は彼女がすぐそばにいる。
今夜は眠れないと思っていたが、ブリジットの体温を感じながらボルドはゆっくりと眠りに落ちていくのだった。
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