2.
「すみません、遅れました。貴方が転校生の弥生瑞希(やよいみずき)さんですか?」
「あ、はい、そうです」
「私副会長の三森鈴夜(みもりすずや)と言います。今門を開けますね」
「どうも」
ウィーンと音がして門が開いた。
転校生君が校内に入ったのを確認して門を閉める副会長。
そしてポカーンとしてそれを見ている俺。
「じゃあ理事長室に案内しますので着いてきてください」
「あ、はい、わかりました」
「こちらです」
そんな何気ない会話の後、理事長室に向かう2人。
それを見届ける茂みの中にいる俺。
………………………………え?
え?え?どういう事??
副会長のイベントは??
転校生が門飛び越えて着地地点にいる副会長に抱きとめてもらうイベントは??
そしてそこで作り笑顔を指摘した転校生を副会長が気に入り濃厚なキスをするイベントは??
え?イベント何もなし??
俺何のために朝早くから茂みの中スタンバってたの??
ここ王道学園じゃなかったの??
そんな、誰か嘘だと言ってくれ、王道イベントがないなんて………。
「そんなの嘘だぁぁぁあ!!」
朝早く、茂みの中から誰かの泣きに近い声が聞こえたと校内で噂になったのは言うまでもない……。
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