あなたにピンチが訪れた! さあ、どうする!?

0:みなさんは青春真っただ中の高校生です! さあ、青春してピンチを乗り切りましょう! 準備はいいですかー?


 アイムOK!



1:やらかしました。目覚まし時計をセットし忘れて、寝坊した! お母さんはカンカンに怒っている……ごめんと謝っただけでは許されない!

 このままだとお説教を受けて遅刻をする! さあ、ピンチを乗り切ってください!


「ちょっと待った、マミー! お説教をしている間にも時間は刻一刻とすぎていくんだ! お説教タイムは帰ってからにして、今はこの俺をトーストをくわえさせたまま油断なく緊急発進させるのが先決だと思わないかい!?」



2:機転を利かせてお母さんのお説教を回避したあなた。しかし、教室に入るのが一秒遅れて、鬼の担任は遅刻だといい、先ほどのお母さんみたいにカンカンだ!

 さあ、ピンチを乗り切ってください!


「ウエイト・ア・リトル・ミニッツ! 確かに教室の時計では一秒遅れたかもしれない。しかし運動する物体は時間の流れが遅くなるのが相対性理論、駆け込んでくる俺の腕時計では間に合っていたんだ! ここは走り続けた闘志とアインシュタイン博士に敬意を表して、俺の占有時空を採用していただけないか!?」



3:ピンチを乗り切り、なんとか授業をできる身になったあなた。しかし、遅刻をしたせいで教科書、ノートをすべて忘れた! 友達に全部借りるのは難しい……。ピンチを乗り切ってください!


 指笛を甲高く吹き鳴らす。

 すると教室の窓ガラスを割って、外から一匹のセントバーナードが躍りこんでくる。

「よーし来たな、セント・ジョージ! こんな時の為に予備の教科書ノート一式をお前に持たせて待機させておいてよかった。……よし、今日必要なのはこれとこれとこれだな。ご褒美にこのチュールをやろう。さあ行け、セント・ジョージ! お前はもう用済みだ!」



4:授業中のあなた(なんの授業でもいいですよ)。あなたは寝るのが大好きだ。授業中寝ようとしていると、先生がこちらを見ていた! 先生は腹いせに、あなたに質問をした! だめだ、わからない!さあ、ピンチを乗り切ってください!


 悠然と腕を組んで、

「よかろう。……答える準備は既に出来ている。しかし答は全てこの世の果てに置いてきた! 知りたければ取りに行け! ここに新たなる大学園時代の始まりだ! 学園王に俺はなる!」



5:休憩時間にトイレに行っているあなた……しかし、トイレの前を学校一のヤンキーが占領している! このままでは漏らしてしまう。それに、ほかの階のトイレに行けば、確実に授業に遅れる! 行けるトイレはここしかない……。

 チキンなあなたは堂々と入れない! ピンチを乗り切ってください!


 他のトイレに回って授業に遅刻して教室に現れ、

「ハッハッハッ! 盲目の花売り娘が学校前の横断歩道を渡るのに難儀していてね。思わず助けてあげたら、お礼に竜宮城に連れていかれそうになったよ。何とか振り切ってきたが授業開始には間に合わなかった。……許せ!」



6:お昼ご飯の時間。あなたは寝坊のためお弁当を持ってきていないので、購買でパンを買うことにした。しかし、購買はパンの争奪戦が行われている! ピンチを乗り切ってください!


 購買のパンを買い占めて値を釣り上げている転売ヤーを見つけて「ライダーきりもみ反転キック!」で再起不能リタイアさせ、パンを巻き上げる。

 そいつへと親指で一円玉を弾きつつ「釣りはいらない!」



7:昼食後、あなたはクラスメイトに呼び出された。校舎裏での愛の告白だ。しかし、愛する恋人のいるあなたは、その告白を断った。しかし、そのクラスメイトは逆ギレした! ヤンデレだ! このままでは殺される確率が99%! ピンチを乗り切ってください!


「すまない。俺は素敵な君の愛を受け取る資格はないんだ。俺はこう見えて実はLGBT方面の人間なんだ。性の多様性がどーたらこーたら、虹の旗があーたらうーたらで残念ながら君とはつき合えない。そういう方面に理解を深めてくれたら、いつか君とつきあえるかもしれない。その時まで今はお休み、さよならBABY」



8:放課後、あなたは他校に通う恋人と一緒に帰るために、電車に乗って恋人の元へ向かう。しかし、なんと刃物を持った男が人質を取って電車内に立てこもった! このままでは恋人と会えない! ピンチを乗り切ってください!


 犯人が立てこもる車両の隣まで移動するとすかさず非常ブレーキを作動させ、電車を急停止させる。犯人が慌てたところでその車両に素早く躍りこむ。奇襲の三角蹴りを一発、人質から手を離させる。ナイフで切りかかってきた犯人の前で折り畳み傘を広げて牽制し、隙を見てナイフを持っている手をひねり凶器を落とさせる(この時、犯人の親指だけを握るのがポイント)。後は他の乗客の手も借りて身柄を拘束する。

「やれやれ。こういう時には『MASTERキートン』を読んでいれば何とかなるもんだ」



9:なんとか恋人と会ったあなた。しかし、今日が付き合って一周年の記念日であることを忘れていた! 恋人はプレゼントを用意してくれたのに自分だけ用意していないのはおかしい! ピンチを乗り切ってください!


 壁ドンして、

「ベタな台詞だが、この俺の無事な身体がここにある事がお前への最高のプレゼントだ。……何? 何だって? ……服を着てくれ?」



10:家に帰ったあなた。すると、母と父が赤点のテストをもって待ち構えていた。母が怒るのは怖くない。しかし、父はマジで怖い。ピンチを乗り切ってください!


 母親の首元にナイフを突きつけ、父に向って、

「……いいか、取引をしよう。このままテストの事を忘れてくれれば俺は母さんに何もしない。だがこれ以上、赤点にこだわるなら……後は解るな。お互いにワン・ツー・スリーで手に持ったナイフとテスト用紙を床に落とそう。いいか、行くぞ。ワン……」

 瞬間、父から奇襲の三角蹴りを一発食らい、母親から手を離してしまう。ナイフで切りかかった俺は、父に折り畳み傘を広げて牽制され、隙を見てナイフを持っている手をひねられ凶器を落してしまう(この時、俺の親指だけを握るのがポイント)。父親と母親が俺を床に伏せさせ、俺は後ろ手にとられて身柄を拘束されてしまう。

父「やれやれ。こういう時には『MASTERキートン』を読んでいれば何とかなるもんだ」



ピンチは以上です! いかがでしたか? 楽しんでくれたのならすごくうれしいです!


俺「最後はピンチを切り抜けていない気もしますが、ドンマイ!」

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