眠ることで何かが起こる

お題：薄汚い同性愛 制限時間：15分

催眠療法。

　そんな怪しいことをうちの父親が仕事としてやってる。

　眠った相手に情報を喋らせて、問題解決をしようとするビジネスだ。わかりやすい例でいえば、浮気調査だね。答えられるならここにはこないし、答えられないければこない。また、医院にくることができない場合は出張費として、どこかカフェのような場所で診察を開始するという感じ。

　だから、逃げ場らしいところはほとんどないといえる。

　で、悩みがある人は多い。そして効果絶大といえば、当然人気がでる。芸能人やら、お偉いさんがきたりもする。

　父親はめったに休みがない。

　朝から夜まで、ずっとその仕事。母親は家で家事をしてる。

　私はお手伝いとして、女の子の相手をさせてもらってる。

　うん、性欲のためだよ。

　とろーんと意識がない状態。触っても反応がないのは大変だけど、膣をどれだけいじれば潮をはくのか、あるいは母乳は本当にでないのか、なんてことを試行錯誤しながらお手伝いの方をしてる。

　もちろんさ、依頼にあったことも、身体の奥底に眠る意思と会話することによって、解決策を探すこともやってる。

　学校では一人だから、こういった場所でしか人と触れることができない。

「……はぁ」

　そんなことを考えると、憂鬱になるな。

「大丈夫ですか？」

「はい、これを飲んで、目を閉じて、この音楽に集中してください。ときより、私がいろいろな場所に触りますが慌てないで落ち着いてください」

　室内灯を少し暗くして、睡眠にかかる音楽をかける。

　渡した薬は、やばい薬ではないが催眠にかかる薬だと聞いてる。

　そんなピンポイントあるわけないだろ！　って思うけど、実際あるんだよね。

　裏取引というか、ほぼ薬剤師との個人との取引。

　で、薬があれば誰でもできるじゃんって思うかもしれないけど、ベッドやら、音楽やら、身につけた電気信号パッチが特殊な環境を生み出してるという。

　主にベッドだろうね。

　なんていうか。穴があいたり、ピンク色の触手があったり。他にもわからないものがたくさんついてる。

　私がいろいろお手伝いと性行為（後片付け込み）したあとは、父親にバトンタッチ。

　専門的な言葉の連呼、揺さぶり、握手。

　何がどうなってるかは、やっぱりわからなかった。