夜景2

「どう思う?」


「何も」


何も、見えない。声だけが聞こえる。


「私は、見えないから」


「じゃあ帰れよ」


「帰れないよ。帰り道が分からない」


「ほら。ライト」


「見えないよ?」


夜になると、何をしても、見えない。見えなくなる。何も。


「おまえ、見えないのか、ほんとに」


「うん。ほんとに見えない」


「そうか。見えるように、なりたいか?」


「わかんない。見えるようになることで、昼の景色がわからなくなるなら、見えないままでいい」

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