ヘヴィリィローズラスト近辺

「そうか」


 自分の子供。考えたこともなかった。


『どうする?』


「どうしようもないよ」


 見て見ぬふりか。それとも。


「彼女は、今どこに」


『それが、子供の存在を把握したのと同時に消えちゃってる』


「消えた?」


『反応がないの。監視カメラのタグにも映らない』


 まさか。


「しんだのか?」


『いや、生体反応が前後したわけじゃないから、生きてる、とは思うけど。この街のどこにいるか、確かめられないんだよね』


 いるけど、いない。

 そういうことなのだろうか。


「そのままにしておこう」


『えっ』


「子供にはときどき会いに行く。必要なら援護もする」


『そんな』


「おまえも来るんだよ。母親役だ」


『はぁ?』

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