28.趣向 〜より

28.前節/中節/後節

    ◆◆◆ 前節 ◆◆◆



━─━─ № 28-1 (2,652) ─━─━

  〖たれ〗(名詞)


垂渥たれ】⚠⛏  #2,660

 〈垂らしけて用いる調味料〉の意。

 転じて〈料理の仕上げとして外側にまぶす調味料〉の意。

 より適切な字として〈味がこゆい〉の意の〔浓{氵+衣}〕があるが表示が環境依存であるため、〈こゆい光沢〉の意の〔渥〕に代理させる。

 原語は〔たれ〕。



━─━─ № 28-3 (2,654) ─━─━

  〖べい〗⛏(副助詞的名詞)


べい】⚠⛏  #2,661

 〈さら〉〈しょくをのせる平たい形状の食器〉の意。

 教育課程小学三年で習う字であるが、音読みが教えられず、どう発音するか知らない人が多数であると想像される。

 なお「さら」の語源は〈まだ何もなく真っ平らな地がさらされている状態〉の意の〔さら〕であるが、同様にそこから派生した〈改めるためさらもどす〉の意の〔さら〕とは微妙に異なる。



━─━─ № 28-5 (2,656) ─━─━

  〖ぎんべい〗⛏(名詞)


ぎんべい】⚠⛏  #2,662

 〈銀製の皿〉の意。

 〝銀食器は毒物に触れると黒ずむので混入検知に役立つ〟とわれ、その具体的な対象は毒であるが、厳密にはりゅう物に反応するものゆえ純粋に対しては無力で、逆にりゅう物はそこかしこに存在するし食物中や空気中などにも含まれるため、信頼性としては目安程度である。

 また、りゅう物が空気中にも含まれることから、何もしなくても黒ずんでいくため手入れに手間を要するし、なにより質感が冷たくて温かみの重要な家庭料理などには向かないため、きどったりするようなシチュエーションを除けばそんな良い物ではないように思われる。



━─━─ № 28-7 (2,658) ─━─━

  〖さわち〗(名詞)


わち】⚠  #2,663

 〈さら〉〈しょくをのせる平たい形状の食器〉の意。



━─━─ № 28-9 (2,660) ─━─━

  〖しんこ〗(名詞)


しん】⚠⛏  #2,664

 〈つけもの〉の意。


しん】✗  #2,665

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈つけもの職のにない手〉のような意となる。


しん】✗  #2,666

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈味覚を新ためる香味〉のような意となる。

 「やく」と書いて同義だが、当該語は香味よりも塩味に主体をおく食品を指すため沿わない。


しん】⚠  #2,667

 〈うるちまいを精白し洗って乾燥させてから少量の水を加えて製粉しふるい分けた米粉〉の意。

 「じょうしん」とも呼ばれ、〔糝〕は〈こなき〉〈米粉を使った料理や菓子〉の意。

 団子などによく用いられる。


しん】✗  #2,668

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈上等な新米の粉〉のような意となる。



━─━─ № 28-11 (2,662) ─━─━

  〖にくさ〗(名詞)


にく】⚠  #2,669

 〈肉を取るためのふたまた以上に分かれた刺し食器〉〈forkフォーク〉の意。

 ようのようにまたのない刺し食器とくらべ、軸が単一でないために取った対象物が回転せず安定を得やすい。

 ゆえにくしも二本刺したほうが親切であり、きる料理人はそのようにする。



━─━─ № 28-13 (2,664) ─━─━

  〖ほうじゅんぜっか〗⛏(名容詞)


ほうじゅんぜっ】⚠⛏  #2,670

 〈香り高さや味の良さに素晴らしく優れているさま〉の意。

 〔ほうじゅん〕は〈香り高く味が良いさま〉、〔ぜっ〕は〈よく優れて美しいさま〉の意。



    ◆◆◆ 中節 ◆◆◆



━─━─ № 28-15 (2,666) ─━─━

  〖よしなに〗(副詞的感嘆詞)


しなに】⚠⛏  #2,671

 〈よろしい運びとなるように〉の意。

 転じて〈よろしく頼みます〉の意。

 一般に{よしなに}と平仮名で表記されるため解釈困難におちいりがちかと思われるが、語義から導けばこのような漢字表記が可能である。



━─━─ № 28-17 (2,668) ─━─━

  〖いみじくも〗(副詞)


いみじくも】⚠⛏  #2,672

 〈並々ならず〉〈華々しく〉の意。

 転じて〈正当に〉〈適切に〉〈巧みに〉の意。

 原語は〈とどめられるところ無く〉の意の〔くも〕だが、表記から意味が察しがたいにも程があるので、とうらしい表記を新たに提案するもの。

 「む」は〈きらって遠ざける〉の意で「まぬ」がその否定だが、「みじ」はさらに強い否定で〈きらって遠ざける事などあり得ない〉の意。


くも】⚠⛏✗  #2,673

 語義に反して不吉な感じがするので[くも]を遣うことをすいしょうする。




━─━─ № 28-19 (2,670) ─━─━

  〖てんぜん〗(名容詞)


てんぜん】⚠  #2,674

 〈あつかましいさま〉の意。



━─━─ № 28-21 (2,672) ─━─━

  〖しりごむ〗(マ五段動詞)


しりごむ】⚠  #2,675

 〈うしろめたさや恐怖などらよってためらう〉の意。

 組成は〔しりむ〕。


しりむ】✗  #2,676

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈座薬を込める(‼)〉のような意となる。



━─━─ № 28-23 (2,674) ─━─━

  〖もなみ〗〖もがみ〗(名容詞)


なみ】【がみ】⚠  #2,677

 〈いちばん上の位置〉の意。

 [なみ]は[がみ]の音便。



━─━─ № 28-25 (2,676) ─━─━

  〖まします〗(サ五段動詞)


まします】⚠  #2,678

 〈鎮座する〉の意。

 転じて〈られる〉〈居らっしゃる〉の意。

 組成は〔す〕と思われる。

 一般に、神や君主に対してすうはい的に言う。

 なお「未然形動詞まします」「連用形動詞させまします」の形で〈お連用形動詞になる〉の意となる。



    ◆◆◆ 後節 ◆◆◆



━─━─ № 28-27 (2,678) ─━─━

  〖どうひょうかしてもちてきせいめいたいがはっしたとははんていできないきせい〗⛏(成句・名詞)


ひょうてもてきせいめいたいはっしたとははんてい不遂できなせい】⚠⛏  #2,679

 〈あかんタイプの声〉の意。

 わざわざここに掲載する必要あるかという異論は、これを認めない。



━─━─ № 28-29 (2,680) ─━─━

  〖きがね〗(サ変名詞)


ね】⚠  #2,680

 〈遠慮〉の意。

 [ね]は〈一つのものが複数の役割を果たすこと〉の意であり、ここでは〈自分だけでなく他者の都合にも配慮をすること〉の意となる。



━─━─ № 28-31 (2,682) ─━─━

  〖ひとのいとしきはやがらすまでも〗⛏(成句・名容詞)


ひといときはがらすまでも】⚠⛏  #2,681

 〈人を愛するあまりその人が住んでいる家の屋根のからすまでをも愛してしまうさま〉の意。

 「おくあい」との言葉をい回したものであり、また〝からすとは迷惑なイタズラをする動物である〟ことから「痘痕あばたえくぼ」などと同様に〈できあい〉〈もうもく的なへんあい〉の意味合いを持つ。



━─━─ № 28-33 (2,684) ─━─━

  〖ふたごころ〗(名詞)


ふたごころ】  #2,682

 〈複数の気持ちを同時に持つこと〉の意。

 〝好きな部分も有るがきらいな部分も有る〟のような状態を指す。

 また[ふた]は同列のものを数える数詞であるため、〝キリンさんとゾウさんが好きだが、プエルトリコヒメエメラルドハチドリさんも好きだ〟のような場合には「ごころ」と表記すべきである。


ふたごころ】⚠  #2,683

 〈表層とは二元的にい反する気持ちを持つこと〉の意。

 転じて〈下心やはんぎゃくしんを持つこと〉の意。

 原語は〔ふたこころ〕。

 〝好きだと言っているが本当はきらいである〟のような状態を指す。

 同列でなく優劣や順序のある気持ちを言うものであるため、こちらの意味で[ふたごころ]と表記するのは字義不相応であり、また〈前言と正反対の意見を述べること〉は「ごん」ではなく「ごん」とう。

 なお{うたがう}の読みがある。



━─━─ № 28-35 (2,686) ─━─━

  〖かいがいしい〗(形容詞)


かいがいしい】⚠⛏  #2,684

 〈骨身を惜しまずがんっているさま〉の意。


かいがいしい】⚠⛏  #2,685

 〈手際よく機敏であるさま〉の意。


がいしい】⚠✗  #2,686

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈とてもきっこう模様らしい(⁉)〉のような意となる。

 〔甲〕は〈かめこう〉、〔斐〕は〈模様〉の意であり、「の国」の名は〝道がきっこう模様のようによくっている要所である〟ことによるが、本当に「道がきっこう模様」と言える程度だったかはわしにはわからん(

 あと「きっこう縛り」ってあれかめこうに縛りつけるわけでもないし「縛り」なのではないかと(



━─━─ № 28-37 (2,688) ─━─━

  〖ずずずと〗(副詞)


と】⚠⛏  #2,687

 〈ものが引きられてこすれる音がっているさま〉の意。



━─━─ № 28-39 (2,690) ─━─━

  〖ちゃら〗(名詞)


棄遣ちゃら】⚯⛏  #2,688

 〈取り決めなどが白紙に帰ること〉の意。

 語源不明とされているが、おそらく〈打ちてる〉の意の「る」の音便〔撲遣ぶちゃる〕から来るものではないかと想像し、それに基づいた熟字訓を新たに提案するもの。

 〝〈小さな金属片などが継続して打ち鳴るおん〉の意の「チャラチャラ」から来ており、〈やみに飾り立てるような軽薄さ〉を示す〟とする説もみられるが、当該語義の〈帳消し〉は一定の条件達成を経てされる場合が多く、必ずしも軽薄でないどころかむしろ厳格ですらあることから、いまいち沿わない説明のように感じられる。



━─━─ № 28-41 (2,692) ─━─━

  〖かす〗⛏(サ五段動助詞)


す】⚠⛏  #2,689

 〈きたす〉の意。



━─━─ № 28-43 (2,694) ─━─━

  〖おちゃらかす〗(サ五段動詞)


【お棄遣ちゃらす】⚯⛏  #2,690

 〈とぼけたりおどけたりして台無しにする〉の意。



━─━─ № 28-45 (2,696) ─━─━

  〖ゆあみ〗(サ変名詞)


ゆあみ】⚠  #2,691

 〈入浴すること〉の意。

 原語は〔び〕。

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