21.存在 〜より

21.前節/中節/後節

    ◆◆◆ 前節 ◆◆◆



━─━─ № 21-1 (2,442) ─━─━

  〖はばかり〗(名詞)


はばかり】⚠  #2,505

 〈人目をはばかるような事柄〉の意。

 転じて〈便意〉〈便所〉の意。



    ◆◆◆ 中節 ◆◆◆



━─━─ № 21-3 (2,444) ─━─━

  〖みぞうう〗〖みぞう〗(名容詞)


ぞう】【】  #2,506

 〈その事がかつてまで一度も無かった〉の意。

 [ぞう]で正式であり、[]はその崩れ。



━─━─ № 21-5 (2,446) ─━─━

  〖しっくり〗(サ変名容詞)


しっり】⚠⛏  #2,507

 〈調和してとても安定しているさま〉の意。


しっり】✗  #2,508

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈がんじょうに固まって〉のような意となる。



━─━─ № 21-7 (2,448) ─━─━

  〖まえおき〗(サ変名詞)


まえき】⚠  #2,509

 〈順序ある物に対してその直前に別の物を設置すること〉の意。

 〝副詞は用言に対して前置きされる〟など。


まえき】⚠⛏  #2,510

 〈事前をすること〉の意。

 こちらの意味で[まえき]と表記するのは字義不相応であり、また「措置」「処置」という語も日本語独自であって本来ならば成立せず、漢語では前者が「措施」、後者が「対処」となる。



━─━─ № 21-9 (2,450) ─━─━

  〖ななのかいりつ〗⛏(成句・名詞)


ななかいりつ】⛏  #2,511

 〈ぼくのかんがえたさいきょうの戒律〉の意。

 たぶんこれらが守られればおよそ平穏にやっていけると思われるもの。


  ㋑ 不妬ねたんではいけない:自身に無いものを持つ人をむやみに敵に回さないこと

  ㋺ 不棄なげてはいけない:自他の物やこころざしをむやみにはいしないこと

  ㋩ 不誅せめてはいけない:自他をむやみに罰しないこと

  ㋥ 不簒とってはいけない:自他から物や機会をむやみに搾取しないこと

  ㋭ 不痍きずつけてはいけない:自他をむやみに苦しめないこと

  ㋬ 不欺あざむいてはいけない:自他をむやみに騙さないこと

  ㋣ 不痴しれてはいけないくつをむやみにこばまないこと


 なお仏教では、〈悪の三根源〉の意の〝さんどく〟と、その解法が示されており、知っていると『西遊記』がちょっと楽しくなる小ネタである。


  ㊀ とんよくほしいままにすること → ㋥㋭㋬が該当

    ◦ 解法= くう:怒りの対象に実態なんか無いという概念を得る

  ㊁ しん:怒りに任せること → ㋑㋺㋩が該当

    ◦ 解法= のう:八つの戒律を守ることで我欲の制御能力を得る

  ㊂ :理をこばむこと → ㋣が該当

    ◦ 解法= じょう:慈悲をともなう事で知識からへの昇華を得る


 〝㊂〟を禁忌と定める宗教がおそらく仏教以外には存在せず、それは大半の宗教が政治的動機によって発足しているもので、〝民衆に物を考えさせると困った事態になる〟との教訓によると思われる。

 民衆としては〝バカにするな〟と思うかもしれないが、実際に現代でも、ちょっと知識をかじっただけで全てを理解したようなつもりになって、人の言葉も聞かずに支離滅裂な行動をしてまわる人らが多数おり、そのせいで社会すらかいしかかってもいるので、愚民政策というものには一定のとう性が認められると言える。

 仏教の悪いところは〝やろうとさえ思えば全人類が、きちんとくつで考えて判断していくことができる〟という前提のもとに教義がさだめられている所であって、しかし現実ではそんなことは無く、扱えるくつの綿密さはIQ(≠IQ値)依存であり、そしてそれはしょうがいほぼ一定とされるためであり、これこそが、超自然的にではなくかなり人間寄りに、かつたんもなく非常にすうこうな理論を展開しているはずの仏教が、あまり成功を収めることができていない理由と考えられる。

 しゃとその周囲の人らは、きっと頭が良すぎたんだ。

 当該七条も、自分ではなかなかよくそろえれたと思うが、しかし仏教と同じくらいには役に立たないだろう。



━─━─ № 21-11 (2,452) ─━─━

  〖あじわわせる〗〖あじあわせる〗(サ下一段動詞)


あじわせる】【あじあわせる】⚠⛏  #2,512

 〈味覚を体験させる〉の意。

 転じて〈感覚を体験させる〉の意。

 一見して奇妙な姿をした語だが、組成としては「味わう」に〈〜させる〉の意の「aせる」が付いたものであり、かつ「味わう」の{う}はワ行(古語ではハ行)のそれであるので、{味わwaせる}={味わわせる}となる。

 ただし音便として{あじあわせる}と発音するのが一般的であるため、ひらがなに読み仮名が必要と判断した珍しい例。

 なお{通りた→通った}のように、音便化した語はそのままの形で書くのが通例であるから、{味あわせる}と表記しても誤りとは言えないので、誤用警察のみなさんにはご周知の程よろしくおねがいします、、



    ◆◆◆ 後節 ◆◆◆



━─━─ № 21-13 (2,454) ─━─━

  〖おか〗〖くが〗(名詞)


おか】⚠  #2,513

 〈小高い土地〉の意。

 転じて〈山地上でさらに成っているおか〉の意。

 組成は〔おお〕。


おか】⚠  #2,514

 〈上部が平らなおか〉〈台地〉の意。


おか】⚠  #2,515

 〈段状になっているおか〉の意。

 {おおざと・こざと}の原字。


おか】⚠  #2,516

 〈大きなおか〉の意。


おか】⚠  #2,517

 〈けわしいおか〉の意。

 「きゅうりょう」は本来「きゅうりょう」。


おか】⚠  #2,518

 〈連なっている高地〉の意。

 転じて〈大地〉の意。


くが】⚠  #2,519

 〈国を成すおか〉の意。

 組成は〔くに〕。



━─━─ № 21-15 (2,456) ─━─━

  〖かんにそむ〗⛏(マ五段動詞)


かんむ】⚠⛏  #2,520

 〈感覚に合う〉〈素直に受け止めることができる事柄である〉の意。



━─━─ № 21-17 (2,458) ─━─━

  〖おめおめ〗(副詞)


おめおめ】【おめおめ】【おめおめ】【めおめ】⚠⛏  #2,521

 〈恥ずかしくもおそれをなして〉の意。

 転じて〈あつかましくも〉の意。

 〔おめおめ〕との原語を一字集約したものであるため{同の字点}は付かない。



━─━─ № 21-19 (2,460) ─━─━

  〖みすます〗(サ五段動詞)


ます】⚠  #2,522

 〈よけいな物が混じらないようにしてよく見る〉の意。


ます】⚠  #2,523

 〈よけいな判断が混じらないようにしてよく識別する〉の意。


ます】⚠  #2,524

 〈よけいな要素が混じらないようにしてよく識別する〉の意。



━─━─ № 21-21 (2,462) ─━─━

  〖かんしょ〗(名詞)


かんしょ】⚠  #2,525

 〈休憩所〉の意。

 転じて〈トイレ〉〈便所〉の意。

 同義語に「いんしょ」「よう」「ちょう」「あらい」「じょう」「しょうしつ」「かわや」「せっちん」「とうちん」「こう」「はばかり」など存在するが、なにこのバリエーションの多さ。

 トイレに情熱注ぎすぎやろ、だからウォシュレットなんて物まで編み出してしまったのかこの国は、いやホントおそれ入るわ。

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