6.中節/後節

    ◆◆◆ 中節 ◆◆◆



━─━─ № 6-57 (1,188) ─━─━

  〖むちうつ〗(タ五段ツ完動詞)


むちうつ】⚠  #1,472

 〈むちつ〉の意。

 転じて〈しっげきれいする〉の意。

 原語は〔むちつ〕。



━─━─ № 6-59 (1,190) ─━─━

  〖あぶら〗(名詞)


あぶら】  #1,473

 〈油脂分〉〈水と相分離するすい性の化学物質〉の意。


あぶら】  #1,474

 〈動物から抽出されるあぶら〉の意。

 転じて〈精力〉〈人物の勢い〉〈おしい部分〉の意。


あぶら】⚠  #1,475

 〈あぶらを蓄える臓器〉の意。


あぶら】⚠  #1,476

 〈表皮上のあぶら〉の意。

 転じて〈潤滑油〉の意。


あぶら】⚠  #1,477

 〈塗り油〉〈薬油〉の意。



━─━─ № 6-61 (1,192) ─━─━

  〖もっとも〗(名容詞)


もっとも】⚠  #1,478

 〈道理にかなっている〉〈当然〉の意。



━─━─ № 6-63 (1,194) ─━─━

  〖もっとも〗(副詞)


もっとも】  #1,479

 〈他の何よりも程度のまさる〉の意。



━─━─ № 6-65 (1,196) ─━─━

  〖もっとも〗(接続詞)


っとも】⚠⛏  #1,480

 〈ではあるが〉〈とはいえど〉〈ただし〉の意。



━─━─ № 6-67 (1,198) ─━─━

  〖くたびれる〗(ラ下一段動詞)


くたれる】⚠⛏  #1,481

 〈活力や新鮮さが減退する〉の意。

 本当はこれを一字集約した〔萙{⿱艹枕}〕との国字を遣いたいところだが、残念ながら環境依存文字である。

 〔萃〕は〈やつれる〉〈くさむら〉転じて〈集まる〉の意。



━─━─ № 6-69 (1,200) ─━─━

  〖ふかしぎ〗〖ふしぎ〗(名容詞)


】【】  #1,482

 〈考えが及ばないほどそうだいあるいは難解であること〉の意。 

 本来は〝じんの及ばない仏のありさま〟を表現する仏教用語であるが、一般語としても成立すると思われ、また「」はこれの略語。

 ほぼ同義として遣われる語に「れつ」があるが実際には語源不詳であり、ゆえに語義も不詳であるため遣うことをすいしょうしない。



━─━─ № 6-71 (1,202) ─━─━

  〖ととのえる〗(ワア下一段動詞)


ととのえる】  #1,483

 〈乱れたものをきちんとした状態にする〉の意。


調ととのえる】  #1,484

 〈何かに際して必要なものをそろえる〉〈最適な状態にする〉の意。

 常用の読みだが、突然出されてパッと読める人はどれくらいいるんだろう。


ととのえる】⚠  #1,485

 〈粒をそろえる〉〈ならす〉の意。


ととのえる】⚠✗  #1,486

 同義のため[調ととのえる]を遣うことをすいしょうする。


ととのえる】【ととのえる】⚠✗  #1,487

 同義のため[ととのえる]を遣うことをすいしょうする。



━─━─ № 6-73 (1,204) ─━─━

  〖むじょう〗(名容詞)


じょう】  #1,488

 〈人らしい感情が無いこと〉〈ざんこくなこと〉の意。


じょう】  #1,489

 〈この上ないこと〉〈最高であること〉の意。


じょう】  #1,490

 〈永遠に持続する性質を持たないこと〉〈滅びある存在のこと〉の意。



━─━─ № 6-75 (1,206) ─━─━

  〖あまつさえ〗(副詞)


あまつさえ】【まつさえ】【あまえ】⚠  #1,491

 〈そのうえに〉〈それだけでなく〉〈おまけに〉の意。

 組成は〔あまえ〕であり、ここでの{つ}は「の」同様の格助詞。



━─━─ № 6-77 (1,208) ─━─━

  〖つまびらか〗(名容詞)


つまびらか】⚠  #1,492

 ⦅状態⦆〈くわしいさま〉〈詳細なさま〉の意。


つまびらか】⚠  #1,493

 ⦅行動⦆〈くわしくすること〉〈詳細にすること〉の意。



━─━─ № 6-79 (1,210) ─━─━

  〖くせ〗(名詞)


くせ】⚠  #1,494

 〈曲がり〉〈ひづみ〉の意。

 転じて〈ゆがみ〉〈常道でないこと〉の意。

 〝くせっ毛〟〝くせもの〟など。


くせ】⚠  #1,495

 〈かたより〉の意。

 転じて〈ひがみ〉〈落ち度ある状態〉の意。

 〝のび太のくせに〟〝失敗したくせに〟など。


くせ】  #1,496

 〈かたよった習性〉〈病的な習性〉の意。

 〝頭をく癖〟〝小物をくすねる癖〟など。




━─━─ № 6-81 (1,212) ─━─━

  〖おどる〗(ラ五段動詞)


おどる】  #1,497

 〈飛び跳ねる〉の意。

 転じて〈心が揺さぶられる〉〈心が乱される〉の意。


おどる】  #1,498

 〈音楽などに合わせておどる〉の意。

 転じて〈他者の意のままに行動する〉の意。



━─━─ № 6-83 (1,214) ─━─━

  〖なげる〗(ガ下一段動詞)


げる】  #1,499

 〈とうてきする〉〈投げ込む〉の意。

 転じて〈つぎ込む〉〈送る〉〈与える〉〈割り当てる〉〈当てはまる〉〈そこにとどまる〉〈手放す〉〈捨てる(≠てる)〉〈放置する〉〈手を引く〉〈あきらめる(≠あきらめる)〉の意。

 組成は〔ぐる〕であり、〈こぶしを投げ込む〉の意の「なぐる」の語源。


げる】⚠⛏  #1,500

 〈てる〉〈はいする〉〈処分する〉〈ち壊しにする〉の意。

 組成は〔る〕と思われ、[げる]とは別語と考えられる。



━─━─ № 6-85 (1,216) ─━─━

  〖みなげ〗(サ変名詞)


げ】⚠⛏  #1,501

 〈自分の身体を放棄する〉〈自害する〉の意。


げ】✗  #1,502

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈身体をとうてきする(⁉)〉のような意となる。

 じんの事を「り」などとわない以上、当該語も投身自殺を特に指すわけではないと解するのがとうと思われる。



━─━─ № 6-87 (1,218) ─━─━

  〖とっさ〗(名容詞)


とっ】⚠  #1,503

 〈少し嘆息するだけで過ぎ去ってしまうような一瞬の時間〉の意。

 転じて〈っという間〉〈一瞬〉の意。

 〔咄〕は〈舌打ちや驚きの短い声〉、〔嗟〕は〈舌打ちや嘆きの短い声〉の意。



    ◆◆◆ 後節 ◆◆◆



━─━─ № 6-89 (1,220) ─━─━

  〖まく〗(カ五段動詞)


く】⚠  #1,504

 〈線状や帯状の物をまわし付ける〉の意。

 転じて〈取り囲む〉の意。


く】⚠  #1,505

 〈止めひもいて束ねる〉の意。


く】⚠  #1,506

 〈垂れている布などをいて上げる〉の意。

 転じて〈まわり込んで被せる〉〈上の立場から吸い上げる〉の意。


く】⚠  #1,507

 〈手で振り散らす〉の意。

 転じて〈追跡の手から逃れきる〉の意。


く】⚠  #1,508

 〈種をく〉の意。


く】⚠  #1,509

 〈広範囲にく〉の意。

 転じて〈広く及ぼす〉〈でんさせる〉の意。



━─━─ № 6-91 (1,222) ─━─━

  〖ちょうど〗(副詞的名詞)


ちょう】  #1,510

 〈端数が無いこと〉〈過不足なく勘定できること〉の意。

 転じて〈ぴったりあてはまる〉〈加減が最適である〉の意。

 {丁}は個数を数える単位。



━─━─ № 6-93 (1,224) ─━─━

  〖ちょうど〗(名詞)


調ちょう】  #1,511

 〈調ととのえられたたく〉〈手周りの道具〉〈家具〉の意。


ちょう】⚠  #1,512

 〈流動性を持つ物質の粘度や硬度〉の意。


ちょう】⚠  #1,513

 〈規模や威力がただことならないほど超越したいしゆみ〉の意。

 転じて〈⦅{〜級}を伴って⦆ものすごい〉の意。

 「いしゆみ」は〈強化弓〉の事で、げんを原動力とした機械部分を持ち、crossbowクロスボウもその一種だがそのものではなく、投石機などを含む「いしゆみ」をうもの。

 なおcrossbowクロスボウは訓練なしで使うことに重点を置いた武器であり、コンパクトにしたせいでげんが短いので実は長弓よりも威力が弱く、それを強い引きで補うために巻き機の操作を要するせいで連射性にも断然劣り、また矢も合わせて短いから長距離を安定して飛ばないもので、本当に強化弓と呼べるかにはがある。


ちょう】⦅助数詞・知らんけど⦆  #1,514

 〈物理げんしょうによって発生した史上もっとも高いとされる温度〉〈ゼットンの火球の温度〉の意。知らんけど。

 転じて〈⦅{〜級}を伴って⦆ものすげえ〉の意。知らんけど。



━─━─ № 6-95 (1,226) ─━─━

  〖このうえなく〗(副詞)


このうえなく】⚠⛏  #1,515

 〈それより良い状態もなく〉〈最高の〉〈無上の〉の意。



━─━─ № 6-97 (1,228) ─━─━

  〖つい〗(名詞)


つい】⚠  #1,516

 〈終端そのもの〉〈最後〉〈最期〉の意。

 「ついえる」の組成は〔ついる〕。


つい】⚠  #1,517

 〈到達させた成果〉の意。


つい】⚠  #1,518

 〈到達された状態〉〈極まった状態〉の意。


つい】⚠  #1,519

 〈同様のものが接続している事柄の終端〉の意。

 転じて〈連続する事柄のそれぞれの始まり〉の意。

 「ついで」は〈何かを終えた直後で⦅その勢いのまま⦆〉の意。


つい】⚠  #1,520

 〈連続する事柄のそれぞれの内容〉の意。



━─━─ № 6-99 (1,230) ─━─━

  〖ついぞ〗(副詞)


つい】⚠⛏  #1,521

 〈このに及んで〉〈とうとう〉〈今までに一度も〉の意。



━─━─ № 6-101 (1,232) ─━─━

  〖ちょっかん〗(サ変名詞)


ちょっかん】  #1,522

 〈意味するところが現物から直接感じられるさま〉の意。

 〈説明不要であるさま〉を「直感的」とう。


ちょっかん】  #1,523

 〈意識的な推論なしに瞬時に導き出される判断〉の意。

 単に言語化されていないというだけで、実際には経験則に基づく合理的判断である事が大半。

 動物や成功者らがこれにしたがって思わしい結果を得る一方、小っちぇえ人物ほど〝説明できないなら信用に足りない〟と軽視しては痛い目を見るもので、これが〝人間は動物よりも愚か〟と言われる直接の原因。



━─━─ № 6-103 (1,234) ─━─━

  〖さいつう〗⛏(名詞)


さいつう】⚠⛏  #1,524

 〈何らかの原因により痛みがもよおされること〉の意。



━─━─ № 6-105 (1,236) ─━─━

  〖せんたくし〗(名詞)


せんたく】⚠⛏  #1,525

 〈枝分かれしていて選ぶべき道すじ〉の意。

 転じて〈問題に対して選択し得る解法候補の個々〉の意。


せんたく】✗  #1,526

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈を選ぶ(⁉)〉のような意となる。

 〔肢〕は〈四つでひとつのてあし〉であって、特にどれかを選んだりする性質のものではないと考えられる。



━─━─ № 6-107 (1,238) ─━─━

  〖ぐず〗(名容詞)


】  #1,527

 〈意図が愚かしいさま〉の意。

 転じて〈良い案を出せずに行動を決めかねているさま〉の意。



━─━─ № 6-109 (1,240) ─━─━

  〖どうてん〗(サ変名詞)


どうてん】  #1,528

 〈状況が急激に転換すること〉の意。


どうてん】⚠  #1,529

 〈非常に驚いて平静を失うこと〉の意。

 こちらの意味で[どうてん]と表記するのは字義不相応。



━─━─ № 6-111 (1,242) ─━─━

  〖そこはかともなく〗(副詞)


ともく】⚠⛏  #1,530

 〈どこがどうという事でもなく〉〈なんとなく〉の意。

 ひらがなに同一の読み仮名が必要と判断した非常に珍しい例。



━─━─ № 6-113 (1,244) ─━─━

  〖こな〗〖こ〗(名詞)


こな】【】⚠  #1,531

 〈これ以上無いほど微細に物をくだいたもの〉〈粉末〉の意。

 なお〈それ以上まだくだける範囲で物をくだいたもの〉は「ばら」とう。


こな】【】  #1,532

 〈米のこな〉の意。



━─━─ № 6-115 (1,246) ─━─━

  〖ぶっちゃける〗(カ下一段動詞)


ちゃける】⚠  #1,533

 〈内容物を勢いよくまきちらす〉の意。

 転じて〈たんなく言い述べる〉〈包み隠さず白状する〉の意。

 原語は〔ける〕。



━─━─ № 6-117 (1,248) ─━─━

  〖わかつ〗(タ五段動詞)


わかつ】⚠  #1,534

 〈一つのものを二つ以上にわける〉〈まきちらす〉の意。

 原語は〔分かつ〕。

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