5.後節

━─━─ № 5-135 (1,104) ─━─━

  〖ほほみ〗(名詞)


ほほみ】⚠  #1,372

 〈ほおほころばせるようにかすかに笑うこと〉の意。


微笑ほほえみ】⚯✗  #1,373

 同形異義語が存在するので遣うことをすいしょうしない。

 「しょう」と紛らわしい。

 なお{微笑}一体での熟字訓であり{ほほ}という読みをする理由は無い。



━─━─ № 5-137 (1,106) ─━─━

  〖いわぬがはな〗(成句・名詞)


わぬがはな】  #1,374

 〈言わないほうがなごやかでいれる〉〈言わないほうがいい〉の意。


わぬがはな】✗  #1,375

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈黙ればパリピ(⁉)〉のような意となる。



━─━─ № 5-139 (1,108) ─━─━

  〖うじゃうじゃ〗〖うぞうぞ〗〖うじうじ〗〖うずうず〗(サ変名容詞)


うじゃうじゃ】【うぞうぞ】⚠⛏  #1,376

 〈小さなものの集団がきる〉の意。

 転じて〈おびただしく〉の意。


うじうじ】⚠⛏  #1,377

 〈延々とうずくまって〉の意。


うずうず】⚠⛏  #1,378

 〈はやる心を抑えるようにうずくまって〉の意。



━─━─ № 5-141 (1,110) ─━─━

  〖ひとり〗(副詞的名詞)


一人ひとり】⚯  #1,379

 〈人数が一名であること〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


ひとり】  #1,380

 〈単独であること〉〈孤独であること〉の意。



━─━─ № 5-143 (1,112) ─━─━

  〖さだめる〗(マ下一段動詞)


さだめる】  #1,381

 〈定理的に決まっている〉の意。


さだめる】⚠  #1,382

 〈人が決める〉の意。

 こちらの意味で[さだめる]と表記するのは字義不相応。



━─━─ № 5-145 (1,114) ─━─━

  〖つられる〗(ラ下一段動詞)


られる】  #1,383

 ⦅自動⦆〈何かに誘われて不本意な動作をする〉〈何かに誘われて自分も同じ動作をする〉の意。


られる】⚠  #1,384

 ⦅自動⦆〈り下げた状態にされる〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


られる】  #1,385

 ⦅他動⦆〈連行される〉の意。

 「れられる」の崩し。

 他動詞であるため、連行する側に連行の意思が必要。



━─━─ № 5-147 (1,116) ─━─━

  〖わらう〗(ワア五段動詞)


わらう】  #1,386

 〈可笑をかしがる〉〈おもしろがる〉の意。


わらう】⚠  #1,387

 〈ちょうしょうする〉〈からかってあざわらう〉の意。

 能動的関与を伴う。


わらう】⚠  #1,388

 〈冷笑する〉〈にして笑い捨てる〉の意。

 遠巻きにして直接関与しない。


わらう】⚠  #1,389

 〈失笑する〉〈失礼に当たる笑いを思わず漏らす〉の意。

 〔哂〕は〈あざける〉のほか〈ほほむ〉の意も持つ。


わらう】⚠  #1,390

 〈爆笑する〉〈ぜるように激しく笑う〉の意。

 なお〈複数で〉〈大勢で〉の意は含まない。


わらう】⚠  #1,391

 〈にこにこする〉の意。

 単にじょうげんなだけなど、何かに対して笑っているとは限らない。


わらう】⚠  #1,392

 〈花が咲く〉の意。



━─━─ № 5-149 (1,118) ─━─━

  〖こぼす〗(サ五段動詞)


こぼす】⚠  #1,393

 〈中身をあふれ返して落下させる〉〈はんらんさせる〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


こぼす】⚠  #1,394

 〈漏らし落とす〉〈粒を滴り落とす〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。

 なお〝「ぜろ」だから中身をからにしてしまうこと〟との説明がみられるが、これはただ〔リン〕が〔リン(←漢数字の{れい}であって記号の{まる}ではない)〕と同じ音という理由で当て字されたに過ぎず、〔零〕は字義的に〈あまれ〉の意しか持たないので不適切な説明。

 漢語における当て字とは一般に筆記の簡略化を目的とするところ、より複雑な「零」が当て字された理由としては、もともと漢の国にも「ゼロの概念」が無く、したがって〝「リン」は数詞の空白けたを埋める便べん上の表示に過ぎないもので、漢字には含まれない〟との思想による。


こぼす】⚠  #1,395

 〈取り壊す〉〈打ち崩す〉〈くだく〉の意。



━─━─ № 5-151 (1,120) ─━─━

  〖くそ〗(感嘆詞)


くそ】⚠  #1,396

 〈このけがれものめ〉の意。

 とうえんの場合に言う掛け声。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。

 特に示し合わせたわけでもないはずなのに、どういうわけかほぼ万国共通で〈ふん〉に相当する単語がとうに用いられる。



━─━─ № 5-153 (1,122) ─━─━

  〖ぢたんだ〗〖じたんだ〗〖じだんだ〗(名詞)


たんだ】【たんだ】⚠  #1,397

 〈たんだを踏むかのように地面を踏むさま〉の意。

 [たんだ]は〈足踏み式のふいご〉の意。

 悔しさやいまいましさ表すためにする所作。


だん】【だん】✗  #1,398

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈地の集団の愚か者(⁉)〉〈地の集団の大男(⁉)〉のような意となる。

 そもそも{だんだ}ではなく〔たたら〕を原語とする{たんだ}である。



━─━─ № 5-155 (1,124) ─━─━

  〖かりそめ〗(名詞)


かりそめ】⚠  #1,399

 〈虚構〉〈その場かぎり〉の意。

 転じて〈軽薄にも〉〈冗談らしく〉の意。

 組成は〔め〕。


かりめ】✗  #1,400

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈仮どうを始めたころ〉のような意となる。

 当該語はそれ自体が虚構の本どうであって、将来の本どうへ移行するための仮どうをしているものではない。

 なお〈本当は病ではないのにそれをよそおうこと〉の意の「びょう」については元々そんな言葉など無く、正しくは「そうびょう」であり、強いてうならば〝仮面うつびょう〟などのように〈ある病がそれそのもののしょうじょうを見せずに別の病とおぼしきしょうじょうのみを呈する病態〉は「仮病」に当たると言える。

 ほか〔仮〕は〈官人の休日〉の意の〔假〕の略字であるため、〈反〉という意を持つわけではない。



━─━─ № 5-157 (1,126) ─━─━

  〖しんどい〗(形容詞)


しんい】⚠⛏  #1,401

 〈疲労が続く見込みでつらい〉〈もうつらい〉〈ほんとつらい〉〈マジあかん〉〈ヤベエって〉〈センパイもう帰っていいすか〉の意。

 組成は〔い〕であり、「ひどい」の語源とみなせる。


しんい】⚠✗  #1,402

 同義のため[しんい]を遣うことをすいしょうする。



━─━─ № 5-159 (1,128) ─━─━

  〖げい〗(名詞)


げい】⚠  #1,403

 〈修練により身につけた技能や学問〉の意。


げい】✗  #1,404

 字義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 〔芸〕は〈草切る〉の意であり、そもそも{イー}ではなく「ユン」と同じに{ユン}と発音する。



━─━─ № 5-161 (1,130) ─━─━

  〖あからさま〗(形容詞)


あかさま】  #1,405

 〈露骨であるさま〉の意。

 転じて〈意図的に包み隠さないさま〉の意。


明白あからさま】⚯✗  #1,406

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈はっきりしている〉のような意となる。

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