1.後節゠2/2

━─━─ № 1-277 (278) ─━─━

  〖いよいよ〗(名詞)


いよいよ】【いよいよ】【いよいよ】【よいよ】⚠  #484

 〈ついに〉〈到頭〉〈なお一層〉の意。

 〔いよいよ〕との原語を一字集約したものであるため{同の字点}は付かない。



━─━─ № 1-279 (280) ─━─━

  〖もたつく〗(カ五段動詞)


もたく】⚠⛏  #485

 〈何かにまとわり付かれたように手間取る〉の意。

 原語は〔まとわく〕。



━─━─ № 1-281 (282) ─━─━

  〖まざまざと〗(副詞)


まざまざと】【まざまざと】【まざまざと】【ざまざと】⚠⛏  #486

 〈はっきりと生々しく〉の意。

 〔〕との原語を一字集約したものであるため{同の字点}は付かない。


まざまざと】【まざまざと】【まざまざと】【ざまざと】⚠✗  #487

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈証拠をきっかりと伴って〉のような意となる。

 なお〔歴〕は〈経過〉〈記録〉転じて〈根拠のあるさま〉の意。



━─━─ № 1-283 (284) ─━─━

  〖よぎる〗(ラ五段動詞)


よぎる】⚠  #488

 〈かすめて通り抜ける〉〈不意に立ち寄る〉の意。

 原語は〔よこる〕。



━─━─ № 1-285 (286) ─━─━

  〖くだり〗(名詞)


くだり】  #489

 〈高い所から下りること〉の意。

 転じて〈御所や起点から離れる方向へ向かうこと〉の意。


くだり】【くだり】⚠  #490

 〈さきほど挙がった話題〉の意。

 転じて〈当該事件〉の意。

 立件はふつう立場が上の者がすることから〔くだり〕を原語とすると思われる。


くだり】【くだり】⚠  #491

 〈条項〉の意。

 転じて〈章〉〈段落〉の意。

 くだりひとつずつを一定の単位で箇条書きすることから、〔くだり〕を原語とすると思われる。

 〝そのくだり要る?〟など。


くだり】【くだり】⚠  #492

 〈文章のぎょう〉の意。

 個々のくだりを一行ずつ書くことから、〔くだり〕を原語とすると思われる。

 三行半で書く習慣のあった〈絶縁状〉の意の「くだりはん」がこれ。



━─━─ № 1-287 (288) ─━─━

  〖くだん〗(名詞)


くだ】⚠⛏  #493

 〈さきほど挙がった話題〉の意。

 原語は〔くだ〕であり、その音便により{ん}がされたものだが、強いて漢字を当てるならばこの表記がとうと考えられる。



━─━─ № 1-289 (290) ─━─━

  〖ありつく〗(カ五段動詞)


く】⚠⛏  #494

 〈存在が定着する〉の意。

 転じて〈ひと心地つく〉〈求めていたものを得る〉の意。


く】✗  #495

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈所有が付着する(⁉)〉のような意となる。



━─━─ № 1-291 (292) ─━─━

  〖そそぐ〗〖すすぐ〗(ガ五段動詞)


そそぐ】⚠  #496

 〈水や液体が流れる〉の意。


そそぐ】  #497

 〈入れ物にそそぎ込む〉の意。


そそぐ】⚠  #498

 〈敷地にそそぎ込む〉の意。

 転じて〈畑に引水する〉の意。


そそぐ】⚠✗  #499

 同義のため[そそぐ]を遣うことをすいしょうする。


そそぐ】⚠  #500

 〈川のはんらんによって地が肥える〉の意。


そそぐ】⚠  #501

 〈入れ物からそそぎ出る〉の意。


そそぐ】【すすぐ】⚠  #502

 〈汚れを水洗いして落とす〉の意。


そそぐ】⚠  #503

 ⦅多くは概念的に⦆〈そそぐ〉の意。



━─━─ № 1-293 (294) ─━─━

  〖あお〗(名詞)


あお】  #504

 〈lightライト blueブルー〉〈水色〉の意。

 転じて〈blueブルー〉〈せいしょく〉の意。

 さらに転じて〈未熟〉の意。

 かつては〈緑色〉の意もまた持ち、またさらに〈育ちざかり〉〈春〉などにも転じたが、「blueブルー」に押されて〈真青色〉に落ち着いた模様。

 〈未熟〉の意は〝植物がまだれていない状態だとその色味があおかっていること〟に由来するが、本当なら〈植物のあお〉の意の[あお]で書かれるべきだった。

 なお「せいしゅん」という語について、その〔青〕は陰陽五行に由来して〈はるという季節〉を意味するとのことであるが、〔春〕も〈芽吹き〉を示す語で〈未熟〉の意に転じるは大いにあるので、単純に意味の似通う字を並べた語だと解釈しても特に問題ないと思われる。

 ちなみに〔春〕はほかに、多くの動物が繁殖期に差し掛かることから〈いろごと〉の意を含むが、なんかオトナだったりコドモだったりと節操ない語ではある。


あお】⚠  #505

 〈青緑色の宝石〉の意。

 転じて〈turquoiseターコイズ〉〈青緑色〉の意。


あお】⚠  #506

 〈広がる青の海〉の意。

 転じて〈marineマリン blueブルー〉〈かいせいしょく〉の意。


あお】⚠  #507

 〈広がる緑の草木〉の意。

 転じて〈greeneryグリーナリー〉〈ぼくそうりょくしょく〉の意。

 だから{くさかんむり}が付いているのであり、「うっそう」も〈うつうつとした森中〉の意であって、つまり青色の事ではない。

 なお〈clearクリアー:問題なし〉を意味する信号色が「greenグリーン」であるのにならい、日本でのそれもかつては「緑信号」だったが、〝「あお」と「みどり」を区別しない勢〟に押されるかたちで「青信号」への改称をなくされ、ついでに信号灯の色までも青寄りに変更されたため、日本の信号灯は世界的にみて奇異な色になったという経緯が有る。

 ただし、緑を{あお}と呼んだそれは「あお」とえるはずなので、「緑→あお」という改称であったなら、少なくとも信号灯の置き換えは必要なかったと思われる。

 ヴァカが「あお」を譲らなかったばっかりに。



━─━─ № 1-295 (296) ─━─━

  〖むす〗(サ五段動詞)


す】⚠  #508

 〈生息している〉の意。

 組成は〔す〕。



━─━─ № 1-297 (298) ─━─━

  〖さびしい〗(形容詞)


さびしい】⚠  #509

 〈ひとこいしい心情である〉の意。

 〝ひとりでさびしい〟など。

 こちらの意味で[さびしい]と表記するのは字義不相応。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


さびしい】  #510

 〈ひとない状況である〉の意。

 〝何も無くてさびしい町だ〟など。

 こちらの意味で[さびしい]と表記するのは字義不相応。



━─━─ № 1-299 (300) ─━─━

  〖きつつき〗〖けらつつき〗〖てらつつき〗(名詞)


き】  #511

 〈キツツキ目キツツキ科の鳥の総称〉の意。

 木のみきのような垂直面で静止することができる、なかなか器用な鳥。

 そのスキルを利用して木のみきを突付き、それに驚いて出てきた虫を食らうのが特徴だが、こいつらが木を突付く音は風流というよりもうるさい。


啄木鳥きつつき】⚯✗  #512

 語義不相応と思われるため遣うことをすいしょうしない。

 〝本来「ついばむ」であり「く」ではない〟との説から作られた熟字訓と思われるが、「⦅でかでかと生えている⦆木の幹をついばむ」という表現には強い違和感が感じられるもの。

 なお「く」と「ついばむ」自体はだいたい同じ意味で通用していることばだが、それは後者の組成が〔む〕で〈⦅くちばしや口先で⦆物を〝突付いて〟食べる〉の意であるため。

 ちょっと似ているというだけで、別語を同様に通用させてしまう、日本人の悪いクセ(


けらき】✗  #513

 語義不相応と思われるため遣うことをすいしょうしない。

 〝かつてキツツキは「ケラツツキ」という名称だった〟との説があり、事実として「アカゲラ」や「アオゲラ」などのしゅが存在する。

 しかし虫などほかの鳥や獣でも突付くものであってこの鳥固有の特徴ではなく、たとえケラツツキと呼んでいた時期が有ったとしても〝木を突付くのが特徴的だからキツツキに改まった〟のではないかと想像されるもの。


てらき】✗  #514

 同義のため遣うことをすいしょうしない。

 おそらく[けらき]の{けら}に{てら}を当て込んだだけのことばと思われるが、実際に寺院の建造物がキツツキによって破損される被害が発生しており、修繕するのもひと苦労であっただろうから、あな憎しと呼びつけてたんだろうなあ、などとしのばれてしまうものである。



━─━─ № 1-301 (302) ─━─━

  〖わびる〗(バ行上一段動詞)


びる】⚠  #515

 〈気落ちする〉〈当惑する〉の意。


びる】⚠  #516

 〈びの意を言葉で示す〉の意。

 転じて〈謝罪する〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。



━─━─ № 1-303 (304) ─━─━

  〖か〗〖かあ〗(副助詞)


】【かあ】⚠  #517

 〈そうであろうか〉の意。

 かいの場合に言う掛け声。

 答えが明白な場合に、同意の返事を促すためにあえて疑問形で言い回す場合にも遣われる。



━─━─ № 1-305 (306) ─━─━

  〖や〗(感嘆詞)


】⚠  #518

 〈これは一体〉の意。

 怪訝さや驚きを示す場合に言う掛け声。



━─━─ № 1-307 (308) ─━─━

  〖うつ〗〖うつし〗〖うつつ〗(名詞)


うつ】【うつし】【うつつ】⚠  #519

 〈現実〉の意。

 転じて〈現実感〉〈現実観〉の意。

 [うつ]の組成は〔つ〕で、「」は〈存在〉、「つ」は〈存在を認めることができる〉の意。

 [うつし]は〔うつし〕が組成で〈まさにそこに現実がある様子〉の意であり、「うつし」「うつし」「うつし」の語源。

 [うつつ]の原語は{うつうつ}で、くり返しことばであることから「長々」「淡々」などと同じく何らかのをするとき一般に遣われる表現であり、たとえば「うつつかす」は〈現実感をそうしつさせる〉〈現実逃避をする〉の意。

 すべて常用の読みではないので注意。


☞ 「ゆめうつつ」は、本来は〈夢と現実〉の意で「ぜんあく」などと同じに二元しょうをさす語であり、ほか〈寝言などで夢の内容が現実にあらわれる〉転じて〈のんきに寝こける〉〈あまりの夢見心地に正体をなくしてぼんやりする〉の意もまた持つが、これは意識が不確かというだけで状況ははっきりしている。

 一方で〈夢と現実の区別が付かない〉の意の「ゆめうつつか」は、状況に対する認識をそうしつさせただけで意識ははっきりとしているため、混同されがちだが「ゆめうつつ」とは別物。


☞ 〔し〕は〈かんめいを受けるようなようであるさま〉の意であり、「うつくしい」「いつくしむ」の語源。



━─━─ № 1-309 (310) ─━─━

  〖うつせ〗〖うつしよ〗(名詞)


うつ】【うつし】⚠  #520

 〈現実にあるこの世〉の意。

 なお〔世〕は、数詞〝じゅうにじゅうさんじゅう〟の〔卅〕が変化した〔さんじゅう〕が原字であり、〈三十年〉〈一代〉転じて〈この目にうつる世界〉の意を持つもので、つられるように〔代〕もまた〈三十年〉の意を持つ。

 実際にも〝人が現役でまともに活躍できる年数はおよそ三十年〟とされる。



━─━─ № 1-311 (312) ─━─━

  〖うたかた〗(名詞)


かた】⚠  #521

 〈すぐ消えてしまうようなはかないもの〉の意。

 〝水に浮くすいほうがすぐに消え去ってしまう〟ことから。


泡沫うたかた】⚯✗  #522

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈あわまつの総称〉の意となる。

 ガラスのほうなど、すぐに消失しない物もこれに該当するため沿わない。



━─━─ № 1-313 (314) ─━─━

  〖こ〗(副助詞)


】⚠  #523

 〈まえにおなじ〉の意。

 おんいんが{こ、っこ}に固定された「同の字点」のように用い、なんらかの言葉の末尾に付与することでその意を強調するもの。

 実質的にくり返しことばとなるため、そのまま幼稚語としても通用するもので、たとえば〝で〟と〝でっ〟は同様のことばである。

 ただし後者は〈で合い〉の意味でも通用するもので、しかしその場合は本来「でっごっ」となるはずである。


】  #524

 〈それをしたがる者〉〈担当をする子分〉の意。


】✗  #525

 字義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 「だん」「かっ」なども本来「だん」「かっ」である。


☞ 「けっ」は〈追っ掛け追っ掛け〉。

 「けっ」は〈追っ掛けたがりの子供〉〈追跡を担当する子分〉。



━─━─ № 1-315 (316) ─━─━

  〖あける〗〖あきる〗(カ下一段動詞)


ける】  #526

 ⦅他動⦆〈刷新される〉〈開放された状態になる〉の意。


ける】  #527

 ⦅自動⦆〈封やへだたりを除去する〉の意。


ける】  #528

 〈中身を除去する〉の意。


ける】【きる】  #529

 〈執着からける〉の意。



━─━─ № 1-317 (318) ─━─━

  〖まくあけ〗(名詞)


まくけ】  #530

 〈幕を開けること〉の意。

 転じて〈本番開始〉の意。


まくけ】  #531

 〈幕が明けていること〉の意。

 転じて〈ちゅう〉の意。

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