11.懇願 ~より

11.前節/中節/後節

    ◆◆◆ 前節 ◆◆◆



━─━─ № 11-1 (1,708) ─━─━

  〖ひものれん〗(名詞)


ひもれん】⚠  #1,923

 〈多数のひもを直線状にり下げて幕のようにしたれん〉の意。



━─━─ № 11-3 (1,710) ─━─━

  〖うらわかい〗(形容詞)


うらわかい】⚠  #1,924

 〈草木などの先が若くてみずみずしい〉の意。

 転じて〈若くういういしい〉〈若さにあふれ元気である〉の意。

 なお「うら」は〈枝先〉の意。


うらわかい】✗  #1,925

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈目の届かない部分が若い〉のような意となる。



━─━─ № 11-5 (1,712) ─━─━

  〖あやなす〗(サ五段動詞)


あやす】⚠  #1,926

 〈色どりをなす〉〈美しい模様をなす〉の意。



━─━─ № 11-7 (1,714) ─━─━

  〖はらはら〗(副詞)


はらはら】⚠⛏  #1,927

 〈あやぶんで気をもむさま〉の意。


はらはら】⚠  #1,928

 〈何かのへんりんが乱れ舞うさま〉の意。



━─━─ № 11-9 (1,716) ─━─━

  〖いぢめ〗〖いじめ〗(名詞)


いぢめ】【いじめ】⚠  #1,929

 〈強い刺激や負荷でさいなませる〉の意。


いぢめ】【いじめ】⚠  #1,930

 〈いぢめてもてあそぶ〉の意。


いぢめ】【いじめ】⚠  #1,931

 〈いぢめてしいたげる〉の意。


☞ 語源は〔いぢり〕。

 〝これは「いじめ」ではなく「いじり」だ〟との言い逃れがよく聴かれるが、前者は行為がもたらす状態、後者が行為そのものを指す語だというだけで、事実としては完全に同一の事柄であるから何の言い訳にもなっていない。



━─━─ № 11-11 (1,718) ─━─━

  〖よこぐるま〗(名詞)


よこぐるま】⚠  #1,932

 〈道理に反した事を無理に通そうとすること〉の意。

 〝車を横から押そうとするには無理があること〟から。

 べつに車が横から突っ込んでくるわけではない。



━─━─ № 11-13 (1,720) ─━─━

  〖むたい〗(名容詞)


たい】⚠  #1,933

 〈実体や能力の無いこと〉〈仏をないがしろにする罪〉〈無法〉の意。

 転じて〈ないがしろにすること〉〈おろそかにすること〉〈無理を強いること〉の意。

 元の意のほうは仏教由来。

 なお「ないがしろ」の組成は〔ないしろ〕であり、{が}は「の」同様の格助詞。



━─━─ № 11-15 (1,722) ─━─━

  〖ばつ〗(名詞)


ばつ】⚠  #1,934

 〈悪事に対する報い〉〈おしおき〉の意。

 転じて〈ごほう()〉の意。


ばつ】⚠  #1,935

 〈後書き〉〈奥付〉〈つまづくこと〉の意。

 なお「ばつじるし」は〈備忘のためにしるしておく印〉の意。

 転じて〈誤りを示す印〉の意。

 なお〔ファ〕と〔バー〕は特に関係性の無い別字。


】⚠  #1,936

 〈きまりが悪い〉〈ぐあいが悪い〉の意。

 語源は[ばつ]。



━─━─ № 11-17 (1,724) ─━─━

  〖ちらちら〗(副詞)


ちらちら】⚠  #1,937

 〈断続して見るさま〉の意。


ちらちら】⚠  #1,938

 〈断続して光るさま〉〈見え隠れするさま〉の意。


ちらちら】⚠  #1,939

 〈細かいものが舞うさま〉〈あちこちに見えるさま〉の意。



━─━─ № 11-19 (1,726) ─━─━

  〖たとえる〗(ワア下一段動詞)


たとえる】⚠  #1,940

 〈説明に該当する物事を挙げる〉の意。

 一般に「げる」と可換でない場合に用いるのは不適切。


たとえる】【たとえる】⚠  #1,941

 〈説明をかみくだくため他の物事になぞらえる〉〈い換える〉の意。



━─━─ № 11-21 (1,728) ─━─━

  〖たがる〗⛏(ラ五段動助詞)


る】⚠⛏  #1,942

 〈行為を実行する事を望む様子を見せる〉の意。



    ◆◆◆ 中節 ◆◆◆



━─━─ № 11-23 (1,730) ─━─━

  〖あっけらかん〗(名詞)


唖呆然あっけらかん】⚯⛏  #1,943

 〈意外な事に呆れてぼんやりしているさま〉の意。

 [あっけら]の組成は〈口の開いた状態〉の意の〔あけら〕。


明洒然あっけらかん】⚯⛏  #1,944

 〈何事もなかったようにけろりとしているさま〉の意。

 語源は[唖呆然あっけらかん]で、〈出来事へ対応していない〉の意が転じたもの。



━─━─ № 11-25 (1,732) ─━─━

  〖しんりゃく〗(名詞)


しんりゃく】⚠  #1,945

 〈他者の領分にてはばれるようにしくむさま〉の意。

 〔略〕は〈はかごと〉の意。


しんりゃく】⚠  #1,946

 〈他者の領分をうばいとってほしいままにするさま〉の意。

 〔掠〕は〈かすめとる〉の意。



━─━─ № 11-27 (1,734) ─━─━

  〖ややこしい〗(形容詞)


ややしい】⚠  #1,947

 〈込み入っている〉〈複雑でやっかいだ〉の意。

 「大人おとなしい」の対義語。



━─━─ № 11-29 (1,736) ─━─━

  〖つづめる〗〖つつめる〗(マ下一段動詞)


つづめる】【つつめる】⚠  #1,948

 〈短くする〉〈簡略化する〉の意。

 似た言葉に「つます〔ます〕」があるが、こちらは〈控える〉〈切り詰める〉の意味合いが強いのに対し、[つづめる]は〈単純化する〉〈簡略化する〉の意味合いが強い。



━─━─ № 11-31 (1,738) ─━─━

  〖たち〗(名詞)


たち】⚠  #1,949

 〈物の性質〉〈品質〉の意。


たち】⚠  #1,950

 〈人の性質〉〈気性〉の意。



━─━─ № 11-33 (1,740) ─━─━

  〖したたか〗(名容詞)


したたか】⚠  #1,951

 〈非常に強いさま〉〈非常にしっかりしているさま〉の意。

 組成は〔したか〕。



━─━─ № 11-35 (1,742) ─━─━

  〖どうもく〗(サ変名詞)


どうもく】⚠  #1,952

 〈驚きに目を張ったさま〉の意。



━─━─ № 11-37 (1,744) ─━─━

  〖がくり〗〖がっくり〗〖がっかり〗(サ変名容詞)


がくり】【がっくり】【がっかり】⚠⛏  #1,953

 〈段階的に崩れていくさま〉〈一度にどっと崩れるさま〉の意。

 転じて〈激しく気落ちするさま〉〈失望するさま〉の意。



    ◆◆◆ 後節 ◆◆◆



━─━─ № 11-39 (1,746) ─━─━

  〖せいせいしゅくしゅく〗⛏(名容詞)


せいせいしゅくしゅく】⚠  #1,954

 〈清らかかつ慎みをもって〉の意。



━─━─ № 11-41 (1,748) ─━─━

  〖へいふく〗(サ変名詞)


へいふく】⚠  #1,955

 〈両手と頭を地に着けた姿勢をとる辞儀〉の意。

 これを「」と呼ぶ場合があるが、これは〈しゅじょうの外にあって意見を述べれない立場〉〈場外の立ち位置〉転じて〈ひょう〉の意であり、謝罪や辞儀についてうのは不適切。

 まあ〈土の上で平伏する〉って意味でうんなら[ふく]だよな、「土下」じゃあ〝なに埋まっとんねん〟だし「座」じゃあ〝なに座っとんねん〟だし。



━─━─ № 11-43 (1,750) ─━─━

  〖いっしょうのおねがい〗(成句・名詞)


いっしょうねがい】⚠  #1,956

 〈命をけて申し上げる切願〉の意。

 ここでの[いっしょう]は〈人生すべて〉転じて〈いのち〉の意であり、〝「一生一度」の略〟とする説については「いっしょういちおおたい」からの混同と思われる。

 どうでもいい物をねだるときほどこの言葉が遣われるんだけど、そんなにホイホイ命預けて大丈夫か。



━─━─ № 11-45 (1,752) ─━─━

  〖きょうげん〗(サ変名詞)


きょうげん】⚠  #1,957

 〈道理からはずれるような狂った言葉〉の意。

 転じて〈冗談〉〈たわごと〉〈かりそめの言葉〉〈うその言葉〉〈たん〉〈こっけいばなし〉〈狂言劇〉の意。

 なお「きょうげんげき」は英語の「comedyコメディ」に当たる。



━─━─ № 11-47 (1,754) ─━─━

  〖いたまらない〗〖いたたまれない〗(形容詞)


居怺いたたまない】【たまらない】⚠⛏  #1,958

 〈心に訴えられてその場にじっとしていれない〉の意。

 ひらがなに読み仮名が必要と判断した珍しい例のひとつ。

 かつては素直に読んでたらしいのにどうしてこうなった。

 「⦅水などを⦆たたえる」からの混同カナー。


居堪いたたまない】【たまらない】⚠✗  #1,959

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈居場所がせり上がらない(⁉)〉のような意となる。

 〔堪〕は〈盛り上がった土地〉の意であり、また「たまる」は〈土砂で盛り上がる〉の意。



━─━─ № 11-49 (1,756) ─━─━

  〖たばかる〗(ラ五段動詞)


ばかる】⚠⛏  #1,960

 〈方策を考える〉〈工夫する〉の意。

 単に「はかる」とったときは〈思案する〉〈相談する〉の意で、〈手段を〉との意味合いを含まない。

 またいずれも〈悪意をもって〉という意味合いは本来含まない。

 〝「はかる」という語に(由来不詳の)強調{た}が付いて「たばかる」である〟という決め付けヒャッハーの説明がよくみられるが、とりあえず〝「{た}は強調の意」だという事にする理由〟と〝それを元字一字に集約してしまって大丈夫な理由〟くらいは語ってほしいところ。



━─━─ № 11-51 (1,758) ─━─━

  〖かよわい〗(形容詞)


かよわい】⚠  #1,961

 〈弱々しく頼りない感じである〉の意。

 組成は〔よわい〕。



━─━─ № 11-53 (1,760) ─━─━

  〖いたむ〗(マ五段動詞)


いたむ】⚠  #1,962

 〈痛覚を感じる〉の意。

 転じて〈情動を強く揺さぶられる〉の意。


いたむ】⚠  #1,963

 〈損傷を受ける〉の意。

 転じて〈腐敗する〉の意。

 なお〝損傷が苦痛である場合〟は[いたむ]、〝損傷が悪化する場合〟は「ふかまる、こじれる」であり[いたむ]は不適当。


いたむ】⚠  #1,964

 〈他者の死を悲しみ嘆く〉の意。


いたむ】⚠  #1,965

 〈惨状を悲しみ嘆く〉の意。

 一般にう「いたしゃ」はたぶん惨状()なので「いたしゃ」。


いたむ】⚠⛏  #1,966

 〈恥をしのぶ〉〈おそれいる〉〈申し訳なく思う〉の意。

 〝ご忠告いたみ入る〟は多分これ。



━─━─ № 11-55 (1,762) ─━─━

  〖いたましい〗(形容詞)


いたましい】  #1,967

 ⦅感覚に対して⦆〈痛がっている者の痛覚がどうさつされるさま〉の意。


いたましい】⛏  #1,968

 ⦅感傷に対して⦆〈他者の苦悩がどうさつされるさま〉の意。

 なお〈相手からの好意に恐縮する〉は痛感ではなく感傷であるため「いたる」ではなく「いたる」。


いたましい】⚠  #1,969

 ⦅生物に対して⦆〈犠牲者がしのばしいさま〉の意。


いたましい】⚠⛏  #1,970

 ⦅状況に対して⦆〈目をそむけたくなるほど悲惨なさま〉の意。

 こちらの意味で[いたましい][いたましい]と表記するのは字義不相応。



━─━─ № 11-57 (1,764) ─━─━

  〖みじろぎ〗(サ変名詞)


じろぎ】⚠  #1,971

 〈身体を少しだけ動かすこと〉の意。

 〔しろぐ〕〔するぐ〕は〈微動する〉の意。



━─━─ № 11-59 (1,766) ─━─━

  〖びくびく〗〖ぴくぴく〗(サ変名容詞)


びくびく】【ぴくぴく】⚠⛏  #1,972

 〈身体の一部が細かく震え動いてるさま〉の意。


びくびく】⚠⛏  #1,973

 〈おそれや不安のせいで絶えず落ちつかないでいるさま〉の意。



━─━─ № 11-61 (1,768) ─━─━

  〖びくりと〗〖ぴくりと〗(副詞)


びくりと】【ぴくりと】⚠⛏  #1,974

 〈身体の一部が細かく震え動くさま〉の意。


びくりと】⚠⛏  #1,975

 〈突然の事や意外な事に驚くさま〉の意。


びくりと】⚠⛏  #1,976

 〈おそれや不安のせいで落ちつかないさま〉の意。

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