5.郭壁 ~より

5.前節

━─━─ № 5-1 (970) ─━─━

  〖わざと〗(副詞的名詞)


わざと】⚠  #1,232

 〈特にそのためだけに〉〈故意に〉の意。

 転じて〈必要性もなく〉〈悪意によって〉の意。



━─━─ № 5-3 (972) ─━─━

  〖ひしひし〗(副詞)


ひしひし】⚠  #1,233

 〈多数がひしめくさま〉〈すきなく敷き詰まったさま〉の意。


ひしひし】⚠⛏  #1,234

 〈差しせまったさま〉〈緊迫したさま〉の意。



━─━─ № 5-5 (974) ─━─━

  〖きつきつ〗〖ぎりぎり〗〖ぎしぎし〗〖ぎすぎす〗(サ変名容詞)


きつきつ】⚠⛏  #1,235

 〈極度に詰め込まれているさま〉〈極度に緊張するさま〉の意。

 転じて〈ゆうのないさま〉〈自由のないさま〉の意。


ぎりぎり】【ぎしぎし】⚠⛏  #1,236

 〈物が強く擦れ合う音やそのさま〉の意。


ぎすぎす】⚠⛏  #1,237

 〈過度に締めらているさま〉〈極度にせているさま〉の意。

 転じて〈ふんがよくないさま〉〈関係性がぎこちないさま〉の意。


☞ 読みのバリエーションだけでここまで意味合い変わるってさあ、、



━─━─ № 5-7 (976) ─━─━

  〖あやふや〗(名容詞)


あやふ】⚠  #1,238

 〈怪しくはなかろうかと疑うさま〉〈あいまいなさま〉〈はっきりせず不確かなさま〉の意。


あやふ】⚠⛏  #1,239

 〈危なっかしく当てにならないさま〉の意。



━─━─ № 5-9 (978) ─━─━

  〖くものす〗(名詞)


蛛網くものす】⚯  #1,240

が自身で産み出すいとこしらえた捕獲網〉の意。


蜘蛛くも】⚠✗  #1,241

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈くもすみ全般〉の意となる。

 ちなみに[くも]の組成はおそらく〔〕で、一字で{くも}{くも}の読みがあり、「蜘蛛くも」は熟字訓。



━─━─ № 5-11 (980) ─━─━

  〖いやけ〗〖いやき〗〖けんき〗(名詞)


いや】  #1,242

 〈うんざりとした気持ち〉の意。


いや】  #1,243

 〈経済や投機に対して悲観的なふん〉の意。


けん】  #1,244

 〈空気をきらうさま〉の意。

 転じて〈風通しの悪いさま〉〈呼吸に酸素を必要としないこと〉の意。


☞ 全部が常用の読みなのにかかわらず、全部に読み仮名が必要だなあ、、



━─━─ № 5-13 (982) ─━─━

  〖こそり〗〖こっそり〗(サ変名容詞)


こそり】【こっそり】⚠  #1,245

 〈他者から見つからぬよう〉の意。



━─━─ № 5-15 (984) ─━─━

  〖ひそり〗〖ひっそり〗(サ変名容詞)


ひそり】【ひっそり】⚠  #1,246

 〈しずかに〉〈ひそかに〉の意。



━─━─ № 5-17 (986) ─━─━

  〖うづたかい〗〖うずたかい〗(形容詞)


うづたかい】【うずたかい】⚠  #1,247

 〈盛り上がっていて高い〉の意。

 組成は〈もりの高い〉の意の〔うづたかい〕。



━─━─ № 5-19 (988) ─━─━

  〖ものみ〗(名詞)


ものみ】⚠  #1,248

 〈物を見ること〉〈見物〉の意。

 転じて〈物を見るための施設〉〈見張り番〉〈ていさつ〉〈様子〉〈見ごたえあるもの〉の意。

 原語は〔もの〕。

 なお〈本部から遊離してていさつ活動をするものみ〉を「せっこう」と呼ぶもので、〔斥〕は〈おしのける〉〈ようすをさぐる〉〈ゆびさす〉の意。



━─━─ № 5-21 (990) ─━─━

  〖やぐら〗(名詞)


やぐら】⚠  #1,249

 〈矢など飛び道具の発射台〉の意。

 転じて〈高く積み上げた建造物〉〈ろうかく〉の意。

 原語は〔ぐら〕。

 〔櫓〕は〈推進力を得るため船尾に備えつけたあおり〉の意の「」の意もまた持つとされるが、どうせアレでしょ混同でしょ(



━─━─ № 5-23 (992) ─━─━

  〖こうこう〗〖きらきら〗(サ変名容詞)


こうこう〗〖きらきら】⚠  #1,250

 〈かがやかしく〉〈まぶしく〉〈きらきらと〉の意。



━─━─ № 5-25 (994) ─━─━

  〖かがりび〗(名詞)


かがりび】⚠  #1,251

 〈夜警や夜漁に用いる照明〉の意。

 原語は〔かがり〕。

 なお「かがり」の組成は〈糸やひもなどがからったもの〉の意の〔かがり〕。



━─━─ № 5-27 (996) ─━─━

  〖いじん〗(サ変名詞)


じん】  #1,252

 〈すでにいてある陣を別の場所に移すこと〉の意。



━─━─ № 5-29 (998) ─━─━

  〖じょうせき〗(名詞)


じょうせき】  #1,253

 ⦅戦術⦆〈たどるべき足跡〉〈最善とされる手法〉〈じょうとう手段〉の意。

 将棋の場合について特にわれる。


じょうせき】  #1,254

 ⦅戦略⦆〈しておくべき下準備〉〈最善とされる配備〉〈じょうとう手段〉の意。

 の場合について特にわれる。



━─━─ № 5-31 (1,000) ─━─━

  〖かくれる〗(ラ下一段動詞)


かくれる】  #1,255

 〈他者から姿が見えなくなる場所に身を置く〉の意。


かくれる】⚠  #1,256

 〈見つからぬよう逃げたり細工したりする〉の意。



━─━─ № 5-33 (1,002) ─━─━

  〖する〗(ラ五段動詞)


る】  #1,257

 〈こする〉〈すりへらす〉の意。


る】⚠  #1,258

 〈こすりつける〉〈布などに模様をこすり出す〉の意。


る】  #1,259

 〈もので平らにぐ〉の意。

 転じて〈問題を平らげる〉〈状況を改める〉〈専用の器械や機械を使って印影をる〉の意。


る】⚠⛏  #1,260

 〈⦅多くは立ち人から直接⦆こっそり盗み取る〉の意。



━─━─ № 5-35 (1,004) ─━─━

  〖のばす〗〖のす〗(サ五段動詞)


ばす】【す】  #1,261

 〈長さや面積や容積を変形や希釈などによって増させる〉の意。

 転じて〈圧して平らにする〉〈真っすぐにきょうせいする〉〈⦅からだばして⦆くつろぐ〉〈衝撃を与えてこんとうさせる〉の意。

 [す]の語源は〔す〕であり、その受動形〈される〉が「ぶ」へ派生して、それが〈びをるようにする〉の意の「ばす(す)」に成ったと考えられる。


ばす】  #1,262

 〈長さや時間や寿命などを追加する〉の意。


ばす】⚠  #1,263

 〈大きさや能力を成長によって増させる〉〈勢力を拡大させる〉の意。



━─━─ № 5-37 (1,006) ─━─━

  〖たぐい〗(名詞)


たぐい】  #1,264

 〈同じ種類のもの〉の意。


たぐい】⚠  #1,265

 〈同じ程度のもの〉の意。


たぐい】⚠⛏  #1,266

 〈同じ特徴のもの〉の意。


☞ 組成は〈り合い〉の意の古語〔い〕。



━─━─ № 5-39 (1,008) ─━─━

  〖かぞえる〗(ワア下一段動詞)


かぞえる】  #1,267

 〈集計する〉〈分類する〉の意。

 なお〔数〕は〈区分けのあるもの〉の意であり、{けぢめ}{けじめ}の読みがある。


かぞえる】⚠  #1,268

 〈勘定する〉〈演算する〉の意。


かぞえる】⚠  #1,269

 〈全体を計る〉〈合計を評価する〉の意。



━─━─ № 5-41 (1,010) ─━─━

  〖うらひ〗⛏(名詞)


うら】⚠⛏  #1,270

 〈建物の裏手にあるとびら〉の意。



━─━─ № 5-43 (1,012) ─━─━

  〖はじめ〗(副詞的名詞)


はじ】⚠⛏  #1,271

 ⦅たいしょう⦆〈最初に挙がるべき例〉〈筆頭〉の意。


はじめ】  #1,272

 ⦅動作⦆〈新たに発足すること〉〈はじに着手するたいしょう〉の意。


はじめ】  #1,273

 ⦅実績⦆〈新たに発足したこと〉〈はじに着手したたいしょう〉の意。


はじめ】⚠  #1,274

 〈ある分野の創造をはじめること〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


☞ 組成は〔はじ〕。



━─━─ № 5-45 (1,014) ─━─━

  〖しゅくち〗(名詞)


しゅく】  #1,275

 〈地を縮めて瞬間移動をなす術〉の意。

 転じて〈瞬間移動をしたと相手に錯覚させるひょうのひとつ〉の意。



━─━─ № 5-47 (1,016) ─━─━

  〖へったくれ〗(名詞)


へったくれ】⚠  #1,276

 〈愚者のこじれたもの〉の意。

 転じて〈きわめてつまらないもの〉〈なんの価値もないもの〉の意。

 〔剽〕は〈軽々しい者〉〈すばやい盗人ぬすっと〉の意、[たくれ]は〈いびつな物〉〈無価値な物〉の意。

 かつては{ひょうたくれ}とわれた模様。



━─━─ № 5-49 (1,018) ─━─━

  〖り〗(副助詞)


】【】⚠  #1,277

 〈うらがわ〉〈うらづけ〉の意。

 転じて〈それに始終する〉〈後ろ立てられる〉〈真っただ中〉の意。



━─━─ № 5-51 (1,020) ─━─━

  〖もう〗(副詞)


う】【もう】⚠⛏  #1,278

 〈いまや〉〈いまの状態から〉の意。

 当該語に〔今〕との字を当てると多方面ですんなり通る様子が認められるため、この表記を提案するもの。


う】【もう】⚠✗  #1,279

 字義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 〔最〕は〈この上なく〉〈いちばん〉の意であり、当該語義へはかなり及びづらいと感じられる。



━─━─ № 5-53 (1,022) ─━─━

  〖もはや〗〖もうはや〗〖いまはや〗(副詞)


はや】【もうはや】【いまはや】⚠⛏  #1,280

 〈今となっては〉〈もう既に〉の意。


はや】【もうはや】⚠✗  #1,281

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈いちばん早く〉の意となる。



━─━─ № 5-55 (1,024) ─━─━

  〖うっかり〗(サ変名容詞)


っかり】⚠⛏  #1,282

 〈不注意に〉〈軽率に〉の意。



━─━─ № 5-57 (1,026) ─━─━

  〖にせ〗(副詞的名詞)


にせ】⚠  #1,283

 〈本物ではない金銭や物品〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


にせ】  #1,284

 〈しんせいではない人為や情報〉の意。


せ】  #1,285

 〈原本にそっくりなように創り上げたもの〉の意。

 [にせ][にせ]の組成。

 代用や見本として「せもの」を用いる場合もあるので、必ずしもだます意図のある「にせもの」「にせもの」とは限らないが、少なくとも本物ではないし紛らわしくもあるので「もどきもの」「まがいもの」ではある。


☞〝カニ肉としてカニカマを出す〟のが[にせ]。

 〝カニ肉を出すふりして出さない〟のが[にせ]。

 〝カニ肉ではない何かをカニ肉に似せる〟のが[せ]。

 〝カニ肉のようなものとしてカニカマを出す〟のが「もどき」。

 〝カニ肉のろうざい〟が「まがい」。



━─━─ № 5-59 (1,028) ─━─━

  〖ひく〗(カ五段動詞)


く】  #1,286

 〈手前へ動かす〉〈抜き取る〉〈誘い寄せる〉〈連行する〉〈持続する〉〈継承する〉〈こんせきが線型を描く〉の意。


退く】⚠  #1,287

 〈うしろへさがる〉〈その場を去る〉〈逃げる〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


く】⚠  #1,288

 〈みちびく〉の意。


く】⚠  #1,289

 〈たぐり寄せる〉の意。


く】⚠  #1,290

 〈さがし調べる〉の意。


く】⚠  #1,291

 〈ぬき出す〉の意。


く】⚠  #1,292

 〈関心を向けさせる〉〈魅了する〉の意。

 使用ひんのわりに常用の読みではないので注意。


く】⚠  #1,293

 〈のこぎりで切る〉の意。


く】⚠  #1,294

 〈強く押し当ててつぶす〉〈ひきずる〉〈とらわれる〉の意。

 転じて〈過ぎ去ったものをいたむ〉の意。


く】⚠  #1,295

 〈強く押し当ててつぶす〉〈うすひきに掛ける〉〈細かくする〉〈粉にする〉〈精製する〉の意。


く】⚠  #1,296

 〈あ゙ーっ!〉〈乗り物によって強く押し当ててつぶす〉の意。

 転じて〈異世界転生させる〉の意。


く】  #1,297

 〈強く押し当ててこする〉の意。

 転じて〈楽器を鳴らす〉の意。



━─━─ № 5-61 (1,030) ─━─━

  〖たたむ〗(マ五段動詞)


たたむ】  #1,298

 〈かさねて置く〉の意。

 「たたみ」は〈かさなる形で置いておくことができる居室用の床材〉の意で、かつては居室全体に敷くものではなく、寝床として積んで用いる一種の寝具だった。

 「かさなる」の組成は〔かさる〕であり、これは{かさなる}とも書かれるが〔重〕は〈重み〉の意であるため字義不相応。


たたむ】⚠  #1,299

 〈平らな物をかさなる形で折る〉の意。



━─━─ № 5-63 (1,032) ─━─━

  〖たたみかける〗〖だめおしする〗(カ下一段動詞)


たたける】  #1,300

 〈かさねて働き掛ける〉〈追撃をする〉〈念を押す〉の意。

 「たたむ」は〈かさねる〉の意で、〈折ってかさねる〉の意の「たたむ」とは別物。


しする】✗  #1,301

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈に事を進める〉の意となる。



━─━─ № 5-65 (1,034) ─━─━

  〖さむからす〗(サ五段動詞)


さむらす】【さむからす】  #1,302

 〈寒がらせる〉の意。

 転じて〈心の奥底からぞっとさせる〉〈深い恐怖を与える〉の意。



━─━─ № 5-67 (1,036) ─━─━

  〖めった〗〖めた〗(副詞)


】【めっ】⚠⛏  #1,303

 〈はなはだしいさま〉〈度を越しているさま〉の意。

 ここでの〔〕は〈程度〉の意。

 古語〔めた〕に相当。


】【めっ】✗  #1,304

 同義だが当て字であるため[][めっ]を遣うことをすいしょうする。


めった】⚠⛏  #1,305

 〈そうそう〉〈思慮の著しく浅いさま〉〈やみなさま〉の意。

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