餓鬼のにおい
ぽた、と雫が重くはね、地に溶ける。おあずけを食らう犬、の、唾液が、今か今かと瞳まで潤ませて、吐息は浅く深くを行き惑う。その事だけで、頭が熱くなる。脳までじんわり汗をかく。唇をぺろりと温めて、最初の一口。の、直前、瞬間、強く立ち昇る
満たされてはならない。
*餓鬼
生前の行いにより常に飢えと渇きに悩み苦しまされている。食べ物を見ることができたとしても、それを口に運ぶ瞬間に炎となってしまう。
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