第2章
第33話 夏休み (1)
夏休み初日、早速遊びに行こう!!…………とはならず、柚花と一緒にバイト先へ向かっていた。
バイトに行くのもなんだか久しぶりな感じがする。
実際はそうでもないんだけどね。
「なんか久しぶりな感じがしますね!バイトに行くの」
柚花も僕と同じことを思っていたみたいだ。
本当にこう言うところは意見が合うんだよな……なんで海と山だけ違ったかなー。
「僕も同じこと考えてたよ。でもそんな久しぶりってわけでもないんだよね」
「ふふ、結構同じこと考えていること多いですよね。海と山は違いましたけど。確かに、そんなに久しぶりではないんですよね……不思議な感じです!」
ほら、また被った。
もうなんか気持ち悪くなってくるぐらい柚花とは同じ思考をしているのかも知れない。
「あ、そう言えばまだ海とか山とか大まかなところしか決めてないね。今日の夜決めようか」
「そうですね。え〜と、7月に山で8月に海でしたっけ?」
「7月に海で8月に山だよ!」
「ふふ、そうでしたそうでした」
よくわからないけど、絶対今のわざと間違えただろ。
楽しそうだから僕は全然構わないんだけどさ。
そういえば!今日の柚花は珍しく外行きの格好をしていない。
バイトの時ですら、いつもは外行きの格好を柚花はしている。
またもや珍しく、寝坊をしてしまったみたいなのだ。
僕からしたら今の柚花の方が自然体で可愛いと思うけどね……恥ずかしいから口にはしない。
これから夏休みの間はこうして毎回バイト前に好きな人の顔を見ることができる。本当に僕は幸せな人間だと思うよ。
都合いいかも知れないけど、神様ありがとう!感謝してるよーー!
そんなこんなで、楽しく話しているとすぐにバイト先についてしまった。
柚花といると時間の経過が早く感じる。
それほど僕が柚花との時間を楽しんでいると言う証拠だと思うが、もう少し話したいと言う思いが強い気がする。
「では、私は更衣室使わせてもらいますね」
「了解!僕はリビングで着替えてくるよ」
僕は柚花と別れリビングに向かう。
「お邪魔しまーす」
「いや〜〜ん!凛のえっち〜」
そこには、着替えてる最中の美奈がいた。
………………いや、なんで更衣室使わねーんだよ。
「えっち〜じゃないよ。なんでここで着替えるんだよ」
「えーたまには更衣室じゃないとこで着替えようかなって思ったの〜」
美奈がいると思ったから、更衣室を譲ったのにさ。
意味なかったじゃん。
「っていうか、相変わらずラッキースケベだね!凛は」
「はぁー、美奈のラッキースケベなんて嬉しくもなんともないよ」
「ほほぅー、なら柚花ちゃんなら嬉しいってことなのね?ふむふむ、凛はむっつりと……メモメモ」
「いいから、そう言うの。早く行くよ」
「はーい」
これでも美奈は僕よりも年上なのだが……まぁ、これが美奈って感じだしいいんだけどさ。
ちなみに、美奈の下着はピンクでした…………。
変なことは頭から放り出し、僕はバイトの服に着替え、ホールに出るのだった。
「ヘェ〜今度出かけるんだ」
「はい!私が口を滑らせてしまった時に、なら行くか?って凛くんが言ってくれたんですよ!!」
「ははぁ〜ん、凛も友達や恋人いらないとか言っていながらちゃんとやることやってるじゃ〜ん」
「おい、変なこと言うのやめろ!」
バイトが始まって早一時間……お客は全く来ていない。
だからか、柚花が美奈に出かける話をしたらしい。
最初は少し驚いていた美奈だったが、
「でも、お姉さんなんか悲しいな……付き合ってるならもっと早く言ってくれればよかったのに……」
「「付き合ってない!!」」
「あら、息もぴったり!!」
まぁ……こんな感じである。
「でも、せっかく行くんだから楽しんできてほしいし、いいものあげるよ!ちょっと待ってて!!」
仕事中にも関わらず美奈はリビングの方へ走っていった。
何を持ってくるのだろうか……少し期待したところもあるが殆どが嫌な予感で頭が埋め尽くされていく。
本当にとんでもないものを持ってきたりして…………絶対にやめてくれよ。
「あったあった、これこれ!こないだ買い物行った時にたまたま当たったんだよね!はいこれ!二人にあげる!!」
そう言って、僕と柚花に美奈が手渡してきたものは……………………『2泊3日伊豆温泉宿泊ペアチケット』と書かれているものだった。
「「え……」」
もちろん、「やったーありがとう!!」となるわけがなく、僕と柚花は同じような反応をしたのであった。
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33話読んで頂きありがとうございます!
今回から2章夏休みが始まります!夏休みが終わるまでは2章となると思いますのでよろしくお願いします。
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