第1章

第7話  友達になってから

僕が通う南海高校は、男子校の中ではちょっとした有名高校だ。


理由としては、


偏差値が高いから?……違う。

運動などに力を入れているから?……違う。

行事がいっぱいあるから……それは、合っているけど違う。


この学校が有名な理由は、男子校の横に女子校があることだ。


はぁ?と思うだろ。

僕も思っている。

なんで女子校が隣にはあるだけで有名になるのだろうか、と。


しかし、入学してから分かった。

文化祭、体育祭などの学校行事を2校合同で行なっていることを……


僕はそんなことしないでくれよ、と思っている。





今日は6月1日。

そして、今月は高校入ってから初めての体育祭がある月だった。



「行ってきます」


僕以外誰も居ないのだが、人間の心理的にか自然と言ってしまう。

返事なんて返ってくることはないのに……


「行ってらっしゃい」


そんなことはなかったみたいだ。

鍵を閉めながら声の主に向かって僕は言葉を返した。


「なんで今から学校に行くのに行ってらっしゃいなんだ」


「普通行ってきますと言っていたら行ってらっしゃいと言うものでしょう」


「まぁ、そうなんだが」


「おはようございます。凛くん」


「うん。おはよう柚花」



柚花と友達になってから1ヶ月。

映画を見に行く以外の趣味なども似ていたこともあり、何度か映画に行くと名前で呼び合う仲にまでなった。


そして……今となると、


「今日の夜は楽しみにしていたアニメの日ですよ。そっちに行きますね」


僕の家に遊びに来るようにまでなっていた。

と、言っても来るのは僕がバイトのない水曜日と土曜日、日曜日だけ。


そして、来ると行っても映画を見に行った帰りと言うのが毎回のパターン。


柚花は柚花で僕に合わしてくれているらしく、どこかでやっているバイトを月、火、木、金曜日にしてくれているらしい。


僕が無理に合わせなくていいと言ったら、その方がお金も貯まるしいいんですっと言われてしまった。


バイト何しているのかと聞いても恥ずかしいと言う理由で教えてくれない。

僕は隠すことではないので喫茶店でバイトしていることを伝えている。


2回ぐらいお客として来てくれたこともある。


「でも、その前に映画行くでしょ?」


「凛くん、なにを当たり前のことを、」


「一応聞いただけだよ……で、なに見る?」


「ん……またあっちで決めましょう。そろそろ行かないとですし」


「そうだね」


あ、これも友達になってから知ったのだが、僕が通う南海高校の隣にある女子校の名前は、南美高校。

南美高校は、顔の偏差値がとても高いことで有名らしい……


そして、そこの学校に柚花も通っている。

まあ、外行きの時の柚花は評価の厳しい僕ですら見惚れてしまう美少女なので、その柚花が通ってる学校ならそう言われてもおかしくないとは思う。



「じゃー今日も駅まで」


「うん、そうだね。そして放課後映画館集合で」


「はい!楽しみですね」


「うん!楽しみ!!」


そう言って友達になってから日課となっている駅までの道のりを二人で歩いた。


___________________________________________

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