Hey!Samurai!!


ローマは世界中から多くの旅行者がやってくる。

旅行者っていうのはお金をたくさん持っているから、街中に潜んでいるスリや詐欺師の良いカモになってしまう。

このエッセイを読んだ皆さんはぜひイタリアへ行く時には注意してほしい。




友達Kと2人でイタリアに行った時のはなし。

らぷんはこの時、もうすでに海外ひとり旅も経験していて、渡航先でもある程度自由に動き周っていた。一方、Kは今回のイタリア旅行が初めての海外旅行で、らぷんは「Kは初めての海外旅行で慣れてへんから、Kが犯罪に巻き込まれんよう注意せんと!」と息巻いてた。


「K、これから行くコロッセオは人が多いもんで、スリもたくさんおる!絶対にカバンから目を離さんんでよ!」

「りょーかい。」


ウエストポーチを身体の前に持ち、カバンのチャックには南京錠をかけ、パスポートや現金などは服の中のシークレットポーチに入れるという徹底的なスリ対策。

らぷんも「ここまですれば完璧やろ。」と思っていた。




ひと通りコロッセオを堪能して、大満足で出てきた後、コロッセオの入り口の前にそいつらはいた。


「Hey!Samurai!!」


コロッセオの前に、古代ローマ兵のコスプレした男が2人らぷんを手招きしていた。

「コロッセオの目の前に古代ローマ兵が2人もいるんよ!雰囲気が合っていてテンションあがるやん!」

らぷんは、ほいほいとその男たちについて行ってしまった。


「ユーたちはジャパニーズ?サムライ?」

「イエス、サムライ!」

「オー!ワタシたちサムライと一緒に写真撮りたーい!」

「いいね、いいね!写真撮ろー!」

「おともだちはスマホで写真撮ってね。」

「じゃあ、Kはカメラマンよろしく!」


Kにスマホを渡し、らぷんは男たちと肩を組む。「はい、チーズ。」というKの声を聞いた時、あっ…と、あることを思い出した。


それは、地球の歩き方の1ページ。

旅先によくある詐欺について紹介したページ。

「イタリアでは、コスプレをした人が街中にたくさんいます。面白いからと写真を撮ると、撮影料でお金を取られるので写真は撮らないようにしましょう。」


そうか…

ここはユニバでもコミケでもない…

イタリアや…


らぷんがそのページを思い出した時には、もうすでにKはシャッターを押していた。両脇の男たちはすごくいい笑顔なのに、らぷんだけ引き攣った顔。


そして写真を撮り終わった後、男たちはお金がいっぱい入った財布を見せつけて、らぷんに言った。


「わかるよな?みんな金を払って写真を撮っているんだ。お前ら2人€30(約¥4,000-)ずつ払えよ。」


はぁ!?たかが、スマホの写真1枚に¥8,000-って高すぎるわ!!

舐めとんのかぁぁぁぁ!!!!!




結局、らぷんは€5(¥625-)まで値切った。

€60ほどではなかったが、ぼったくられた悲しみで、らぷんは帰り道に泣きながら嘆いていた。


「あぁー!!ローマまで来てぼったくられたぁ!」


そんな様子を見たKは、らぷんの横でゲラゲラ笑っていた。


「あいつらがぼったくり詐欺師だって、海外旅行初心者の俺でもすぐにわかったわwww」

「はぁ!?じゃあなんで止めてくれんかったん!?」

「止めよう思った時には、もうらぷんはホイホイついて行っとったがなwww

あぁこりゃダメだ思うて、詐欺に騙されてるらぷん見て楽しんどったわwww」



スリには会わなかったけど、地球の歩き方に載ってるお手本みたいにぼったくり詐欺師には捕まったらぷんでした。



チクショォォォォォォォ!!!!!!!!!!

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