第3話 プロフィール

 さて、早速アプリを起動した。目に映るすべてが新鮮だ。


 まずは定番、プロフィール登録の画面が出てきた。


 プロフィールの第一印象と言っても過言ではない登録写真からだ。


 自分でこういう事を言うのはどうかと思うが、一応昔からそれなりにはモテてきた方だと思う。

 複雑だが、性格よりもルックスを褒められる事の方が多い。特に目がぱっちりしているとよく褒められる。


 基本髪は普通かそれよりちょっと長め。

 髪色は数年前まで明るかったが、今はいい歳になってきたしちょっと暗めな茶髪。長さは若干伸びてやや長めな状態だ。

 

 黒髪で普通の長さではあるが、一応半年前に撮られた写真があったからそれをアップロード。若干アホ面な気もするが、変なキメ顔よりはいいだろう。

 写真はとりあえずこの一枚だけを登録。


 ニックネーム、何にしようか…

 宏也だし、【ひろ】とでもしておくか。


 年齢は29歳と…サバを読まず入力。


 身長は176センチ。


 体型は普通を選択と…

 正直、筋肉は意外とあるねとよく言われるが、ここでは普通と言うのが間違いない気がする。(自意識過剰を回避)


 血液型はA型。


 居住地は広島県。


 出身地は千葉県。


 職種は会社員。


 ここまではわりと簡単な情報入力だと感じた。

 だが、ここから先の内容は未知への領域だった。


 結婚歴…


 え?結婚歴??

 あるわけないし、未婚。


 子供の有無、当然なし。


 結婚に対する意思…

 選択方式になっているが、何が正解なんだろうか?

 

 1.すぐにでもしたい

 2.近い将来にしたい

 3.良い人がいればしたい

 4.相手と相談

 5.わからない

 6.したくない


 少なくとも5と6は俺の中では当てはまらない。

 

 だが、6のしたくないって一体何だ?

 遊び目的か?それとも内縁の妻希望?

 世の中色々な人間がいるし、そういう希望があっても不思議ではないか…


 とりあえず4の相手と相談にしておこう。

 

 結婚は正直タイミングだと思う。実際は相談とかよりも、お互いの勢いみたいなところもありそうな気がしている。

 どの選択をしても一概には言えない。


 さて、次の入力を…


 子供は欲しいか?は、欲しい。

 

 こう見えてわりと子供好きである。そして俺は子煩悩だ。

 将来子供と特撮やアニメを一緒に鑑賞したり、玩具を収集したいと思っている。

 もちろん一緒にあちこち行ったり、たくさん遊びたいとも考えている。


 子育てにも積極的に参加するつもりだ。


 また脱線してしまったが、子供よりも先に俺には相手すらいないという現実を思い出して我に返った。


 性格のタイプ…

 これも選択肢が盛りだくさんだが、入力はせずにパスしよう。


 優しい、決断力がある、知的とかその他諸々ある。

 仮にもしどれかを入力したならば、プロフィールを閲覧した女性に(こいつ、自分の事をこう思ってるんだ)なんて冷ややかな目で見られかねないと推測した。


 先程の体型の件と同様で、リスク回避ってやつだ。少し考え過ぎかもしれないが。


 同居人は一人暮らしを選択。


 休日は土日。

 繁忙期は休み返上になりがちだが、ひとまず土日にしておくか。


 お酒、もちろん飲む。

 そう、俺は酒が大好きでほとんど毎日晩酌をしている。酒豪とよく言われる。

 基本何でも飲めるが、特に好んで飲むのはビール、焼酎(芋のロック、湯割り)、ウイスキー。日本酒、ワインも好きだが、すぐに酔ってしまうから付き合い以外ではあまり飲まない。

 

 タバコ、吸わない。

 俺はタバコをやめた元喫煙者。長いこと吸っていたが、ある日30歳になるまでにはやめようと漠然と思った時があり、28歳の時にやめた。

 このご時世だ、タバコを吸わない方が女子ウケが良いと勝手に思っている。


 いよいよ最後の入力。

 好きなこと・趣味だ。

 映画鑑賞、お酒を飲む、料理を入力した。


 映画は昔から大好きで、洋画も邦画もジャンル問わず色々観る。暇さえあれば映画館でもサブスクでも観るから年間50本以上は観ている。


 お酒を飲むは先程説明したとおり、純粋に好きだからだ。仕事が休みで家から出る気がない日なんかは昼から飲む。

 母や職場の人、交際した人にはよくアル中とイジられるが、断固否定する。

 アル中予備軍なら認めよう…


 料理は昔からわりと自炊していたし、得意とか趣味というよりはするのが好きという感じだ。

 そのくせ、得意料理を問われたら【ローストビーフ】【アクアパッツァ】と答えている。

 どちらもオシャレで比較的簡単、だけど料理してる感がある。女子ウケを狙って作れるようになったのはここだけ話。決して下心はない…


 ようやくほぼすべての項目の入力が終わった。15分足らずか。真剣に入力したからか、意外と時間が経過している。


 人生初のマッチングアプリ、いよいよ開始。



 



 

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