第11話

「茜!!!」

私が空へ身を投げ出した時、彼は確かにそう呼んだ。本当に嬉しかった。君はさすがだね!初めて生まれてきてよかったと心から思えた気がした。どうして、どうして、こんな時に?

君は泣いていた。私のために泣いてくれた。それだけで十分だったのに。名前を呼んでくれた時、飛び降りたことを少しだけ、ほんとに少しだけ、後悔した。もう少しだけ、彼の隣で他愛のない会話をしていたかったと、そう思ってしまった。

じゃあね、またどこかで会えるといいね。

私は、私は君の1番になりたかった。そして、君が1番だと伝えたかった。

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