BLACK CAT

龍川嵐

第1話 殺人事件

「きゃぁぁぁああ!!!殺人だ!」

「あぁ、あ…」

「誰か、警察を呼んで!」


なんかうるさいな。何の事件でも起きたか?


瞼を開けると、自分の周りに両親と学生時代の担当先生、友達、同級生があちこちで倒れていた。吐き気がするくらい血臭さの臭いが空気中に漂っている。あまり猛烈な臭いなので、袖で鼻を覆った。ベタッとして、袖が濡れている。なんだろうかと思って、覆った袖を鼻から離れると、空気中に含まれる酸素に触れていたので、酸化されたサビのような色の大きなシミが目立った。


右手に何かがある。さらに何か貼り付けられたような感覚がする。なんだろうかと思って、右手を見ると、包丁を持っていた。右手と包丁にトマトでも切ったように赤い液体を付けていた。


「おい、手を上げろ!」

「…」

「おい!聞こえてるの?!君だ!」

「え?僕?」

「そうだ!すぐに手を上げないと、撃つぞ!」


一体何が起きたのか、わからなかった。わからないけど、とりあえず言われた通りに包丁を落として、手を挙げてみた。背後から警察に押さえられて、僕の手首に手錠をはめた。警察はちらっと腕時計を確認した。


「19時55分、貸切パーティーペースで複数の人を殺人した男を逮捕しました」

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