こんな作品は(私に)逃げられる!?~読書量の少ない読み手が主張する、こういう作品は避けられるそのポイント~

kayako

こういう作品に私の星はやれねぇ!?


 なろうとカクヨムに登録して半年。

 最初は右も左も分からず、自分の作品に評価は勿論、PVすらつかないのをじっと見守り首を傾げる日々でしたが、それも早くも懐かしい記憶となりつつあります。

 多くのかたの作品を読ませていただき、自分のレベルがまだまだであることを痛感すると同時に、それまでになかった読書体験をさせていただいている日々です。


 しかし、こうしてなろうとカクヨムに書き手として作品を掲載している身ではありますが。

 私、実は読書量……

 そこまで多くはありません。

 他の書き手の皆様と比べると、生涯の読書量は恐らく最下位レベルではないかと。

 高校の頃まではかなり読んでいた記憶があるのですが、それ以降、特に社会人になるとめっきり読まなくなり。

 これではいかんと意識して本を読み始めたものの、どの本を読んでも学生時代ほど印象に残らず、身にもつかないというありさま。

 読みはしたけど内容覚えてないという本が非常に多いです。実質読めてないに等しい。


 さて、それほどまでに読書量の少ない私ですが。

 それでも一応、なろう及びカクヨムの書き手であると同時に、読み手でもあります。

 そこで今回は!


 読書量の少ない読み手(つまり私)は、こういう作品は避けてしまう!

 こういう作品は、悪いけどごめんなさい!と逃げてしまう!!


 ということを簡単に、語っていきたいと思います。

 少しでも書き手の皆様の参考になれば幸いです。


 なお、決して創作論の押しつけのつもりはありません。

「絶対にこうしちゃいけない」というつもりは毛頭なく、ただ、「作品内でこういうことをすると(主に私に)逃げられる可能性があります」と言いたいだけなので、その点はよろしくお願いいたします。


******


 0.行が詰まりすぎ・1エピソードが長い

 

 紙の小説ならともかく、web小説で行が詰まりすぎていると、書き出し以前の段階で投げてしまうことが多いです。

「本だったらこういう書き方が殆どじゃん!」は通用しません。

 かくいう私もずっと行を詰めて書いてて、なろうに来て初めて、それが非常に読みにくかったと認識しました。

 改行のタイミングは正直、なかなか難しいですが……

 台詞と地の文の間、そして適度な区切りで適宜改行を入れ、ある程度まとまったら全体のバランスを確認してみると良いでしょう。



 あと、1エピソードの文字数が多すぎると、読書量の少ない読み手はそれだけで投げてしまうこともあります。


「なんか長そうだな……このエピソードの文字数はと……

 え、1万5千!?」


 書いている側だとなかなか気づけないですが、読む側になってみると、1エピソードの文字数はかなり大事です。

 ちょうどいいなと感じる文字数は3000~5000ぐらいでしょうか。

 それを超えると、そのエピソードで作品が終わるような短編でもない限りはしんどくなることが多いです。

 1エピ1万文字を超える長編、これから延々50話ぐらい読まされるの?と思ってしまいますので……


 かくいう私も(2回目)、二次創作の時はコレ、当たり前のようにやっちゃってました。

 行詰めすぎの上に1エピ平気で15000文字超。読者の皆様本当に申し訳ありませんでしたと今にして思う。


 改行や1エピソードの文字数については、他のかたのエッセイでもかなり触れられているはずなので、それを参考にするのがオススメです。


 このエッセイ5000文字超えてる?

 いや、これ1話で完結するから許してくださいw



 1.背景描写・人物描写が長い


「彼女の黒髪はまるでベルル川の黒曜石の如く艶やか、かつ妖しい輝きを放っていた。

 ベルル川とはここより遥か三千マイルほども西、天をも貫くメメギデ山の頂から流れた雪解け水が流れに流れてやがて形成された河川。その中流で採取される貴重な黒曜石はシャッポホレテフ帝領ググイネ地方の名産品。不可思議な煌めきは見る者全ての心を惑わし、歴代皇帝の秘宝としてジライア宮殿に奉られている。民草の間で伝説と化したその秘宝の輝きが彼女の髪を美しく彩り、そしてその白い肌はショコーラ地方の細雪を思わせるきめ細やかさで」


 ハイごめんなさい終了です。

 その黒髪の輝きの説明にどれだけかけるつもりでしょうか。

 いや、黒髪が美しいという話が続くならまだいいとして、ベルル川やメメギデ山の説明、今いりますか。

 読者が話に乗ってきた中盤以降ならアリですが、序盤でコレだと、読書量の少ない読み手(私)はぶん投げます。

 ましてやこのような描写を書き出し付近に持ってこられたら、どれほどの名作であろうと1ページもたずに投げます。読書量の少ない読み手は。



 2.誤字が多い


 わざわざ言うまでもないと思いますが、これは普通に嫌です。

 1話につき二つか三つならまだ許容範囲内ですが、それ以上はさすがにちょっと。

 あと、メインキャラの名前が同じエピソード内で間違えられているのもキツイです(特に主人公でやるなよと)

 そのミチコって娘の名前、「美知子」と「未知子」、両方書かれてるけどどっちなの? もしかしてミチコってそこに二人いるの?っていう。

 何かの叙述トリックかも?と考えてしまうと迂闊に誤字報告も出来ない。



 3.出だしからしておかしい


「ぐるぐる水晶が鳴り出したので、私は極彩色の陽光に見守られて目覚めた。

 カントがショーペンハウエル化したハムエッグを平らげるのがいつもの日課だが、竜祭日たる今日はぺんしる教師のカイロが爆発したのでタブレットを歯ブラシに持ち替えて、私はベンチで蛍光ピンクの空を見上げ、金色のクレヨンで頬とおでこに月と星と太陽を描き、空虚な心を幻想で満たしていたことに気づく」


 なろうやカクヨムに掲載されている作品は、良くも悪くも読みやすいものが多い。

 読書量の少ない私にとってはありがたいです。

 しかし、上記のような文章にもたまーに出くわす(詩でもファンタジーでもなく現代ドラマ)

 しかも書き出しからずっとこの調子。

 読んでいるうちに自分の言語感覚がおかしくなってきて、無関係な他の作品の言葉もおかしくなっているようにさえ見えてくる。

 何故かポイントが集まっているのが不思議ですが、読書量の少ない私のような奴には恐らく絶対に理解不能な名作、なのでしょう。

 例文を考えているだけで頭がおかしくなりそうでした。



 4.のっけから専門用語だらけのバトル描写


「俺はただひたすらに嵐の拳骨シュトゥルムファウストを担いで電気自動車エレカで疾走していた。

『ポイント、マーク102のゼロ二〇インディゴアルファ!

 セイレーン、迎撃頼む!!』

 超弩級妖魔殲滅戦用D(ディストラクション)モードに切り替えた俺は、司令の指示と同時に背中のストライカーユニットを作動させ、一気に天空へと飛翔する。

 リージョン内部に現れ外殻にとりついた、ファルム共。そいつらをリージョンからパージする為に――」


 話の中盤ならともかく、出だしからコレは正直勘弁してほしい。

 エヴァやガンダムが初手から専門用語の嵐でも許されたのは、圧倒的な映像と演出のおかげです。

 小説でそれをやったら、バトルものを読み慣れているかたならともかく、読書量の少ない読み手は即逃げます。



 5.人物描写がなさすぎる(男か女かもよく分からない)


 書きすぎも嫌ですが、描写がなさすぎなのもどうかと。

 一人称視点の作品にありがちですが、一人称が「俺」「僕」「あたし」「わたくし」なら主人公の性別は何とか分かるのですが、「私」だとすぐに判別が出来ないことが多いです。

 特に一人称視点で書いていると主人公の容姿説明がやや難しいですが、地の文や台詞などで性別ぐらいは伝わるようにしてほしいところ。

 逆に性別や容姿をぼかすことでオチを印象づけるというタイプの作品もありますが、短編以外ではそれで読み手を引っ張るのはかなり難しいかと。

 プロローグだけならまだいいですが、3話4話と進んでも主人公の性別さえもがぼやけたままの話、続きを読みたいと思うでしょうか。

 いや、読書量の少ない読み手は無理です。え、10話先で主人公の性別が分かる? そこが大オチ? すみません悪いけどもう無理さよなら。


 台詞中心で話が進んでいくような作品もよく見ますが、読み手側からすると主人公像が逆に見えづらくなる一因となることもあります。

 主人公が男か女かもよく分からない、学生か社会人かも、どういう年齢の人物で社会的にどういう立場なのかも分からない(台詞から何とか推測するしかなく正直面倒さを感じることも)、そんな状態で台詞だけぽんぽん出されても、作者の頭の中だけで話が進んでいる感が半端じゃないです。



 6.書き手本人がちょっと……


 作品が優れていても、書き手のプロフィールや活動報告、近況ノートなどでの言動がなんか変と感じると、読書量の少ない読み手は……

 いや、読書量関係なく避けられると思います。

 なろうやカクヨムでは幸い、今のところそこまでおかしな活動報告やノート、プロフィールは見てないんですけどね(pi〇ivというか二次創作では多かったw)

 ですので皆様、普段から活動報告やノートでの言動には気をつけましょう。

 あまりに過激な言動をしていると、読み手からすると、その書き手に自分の存在を勘づかれるような行為(感想やレビューやフォロー、カクヨムなら星やハートなど)は避けようと思ってしまいます。どれほど作品が良かろうとも。

 痛々しい言葉を吐き続ける姿を見せつけられるよりは、プロフィールや近況報告一切なしの方がまだいいと思います。


 自分が一番要注意? 気をつけますハイ。




 7.(中盤編)キャラが多くなりすぎて誰が誰だか分からない


 読書量の少ない読み手が、それでも何とか長編連載を中盤まで読み進めると――

 だいたい突き当たるのがこの問題。

 連載が100話以上ともなると、登場するキャラ数が膨大になる作品も少なくないはず。

 そして読み手はその連載だけでなく、他の書き手の作品も同時に読み進めていることも多く、そうなるとその作品の続きを読むまでに時間が空いてしまうことも。

 で、読書量の少ない、つまりこういう読み方に慣れていない読み手がどうなるかというと、


 メインキャラはともかく、1話か2話、ちょっと顔を出した程度のサブキャラはきれいさっぱり忘れている。


 そしてこれにより何が起こるかというと


 ちょっと間が空いてもう一度ブクマ部分から連載を読み進めたら、多分序盤で出てたけどそれ以降20話ぐらいご無沙汰で、どんなキャラだったかきれいさっぱり忘れてしまったサブキャラが、結構な重要人物として当たり前のように大手を振って出てきている。

 あれ? このキャラどこに出てたっけ? ヒロインと色々因縁あるみたいだけどすっかり忘れた。え、どこから読み直せばいい? どうやって検索すればいい?

 め、めんどくせぇえ!!


 ……ってなります。


 なので、100話を超えるレベルの長期連載になったら、簡単でいいので出来ればキャラ表を作っていただけるとありがたいかな……と。

(異世界もので、地域名などの固有名詞が多い時は用語集もあると嬉しい)

 読書量の少ない読み手がそこまで読み進められたということは、かなり面白い作品であるということ。それが「キャラを忘れた」という理由で投げられてしまってはもったいない。


 私もそろそろ作ろうかなと考えてる連載があります。まだ60話程度ですがw



 8.賞タグがついている、もしくはコンテスト応募中だがその賞の応募規定が守られていない


 わざわざ説明するまでもないと思いますが……

 文字数1000文字以内と言われている賞に、平気で10万文字以上の作品をエントリーする書き手様。

 重複応募不可と言われている賞の賞タグと一緒に、他の賞タグを作品につけてらっしゃる書き手様。

 読書量の少ない読み手であろうと、そういう行為は分かる時は分かってしまいます。

 作品どころか貴方の存在さえ読み手にぶん投げられます。賞の応募規定すらろくに読めない書き手なんていらねぇ!!



******


 以上のように、読書量の少ない読み手はちょっとしたことですぐに作品をぶん投げがちです。

 なろうやカクヨムの読者層がどれほどの読書量かは分かりませんが、

「自分はこれだけの本を読んできたのだから、読者も絶対その程度は読んでいる。だからこういう表現をしても問題ないはず!」

とは思わないようにした方が良いかなと。


「俺の作品は本好きだけを対象にしてるから、ファウンデーションシリーズの読破も出来ない底辺層なんざ知らねえ! ついてこられるヤツしか求めてねぇ!!」という強い意思をお持ちの書き手様ならそれでも構わないと思いますが、そうでないのなら、このエッセイで少しでも考えていただければ幸いです。


 あと、しつこいようで申し訳ありませんが、このエッセイは決して創作論の押しつけのつもりはありません。

 ここにあげられたけど、こういう描写は自分は好きだよというご意見も当然あろうと思います。

 ただ、「これをやったら(私からの)星を逃す可能性があるよ」ということを言いたいだけでした。

 


 何より私は、書き手の自由に、好きに、心のままに書かれているなと感じる作品は大好きです。

 だからこそそういう作品は多くの人に評価してもらいたいし、勿論私も評価したいし、細かい部分で星を逃すようなことはしてほしくない。そう思ったのでこのエッセイを書きました。

 書き手の皆様も読み手の皆様も、どうか良きカクヨムライフを!

 

 

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