さよなら。クソ野郎

猫の集会

バカ男

 私の彼は、イケメン。高身長。そして、高

 級車に乗っている。

 そして、とにかく優しいの。

 それに、よく海外に旅行に連れて行ってく

 れる。

 英語もペラペラだし。

 時計も高級そう。

 仕事も大手の会社に勤めている。

 もう、完璧。

 絶対に離れません。

 

 そう思っていた。

 結婚するまでは。

 

 でも‼︎

 いざ、結婚してみたら私生活がだらしない。

 服は脱ぎっぱなし。

 足は臭い。

 歯も磨かない…

 

 なに…⁈

 結婚するとこんなにも変わってしまうもの

 なのか。

 よくそんなんでやってられるな…

 

 しかも‼︎

 子供大好きなんだよねぇ、なんておっしゃ

 っていましたよね?

 全然育児しねーじゃねーか‼︎

 なんなら、早く泣きやませろ。

 うるさくて仕方ないってどこかに出かける

 事もしばしば。

 

 事あるごとに仕事仕事ってほとんど家に居

 ない。

 

 

 でも、

 よく仕事帰りにケーキやお花を買ってき

 てくれる。

 洋服もよく買ってくれる。

 結婚指輪もキラッキラ。

 記念日にも必ずプレゼントもくれる。

 お金のやりくりは、オレに全部任せてって

 言ってくれていたから、任せっきりだった。

 

 交際中、一度実家も案内してくれた。

 とっても立派なお宅。

 でも、今日はみんな留守だからとりあえず

 家だけ教えとくね。

 なんかあった時ようにさ。

 なんて言ってくれた。

 

 

 玉の輿〜。

 別荘もあるとか言ってたな〜。

 

 だから、

 家にあんまりいなくても、色々買ってくれ

 るし、いいか。

 お金に不自由がなければ。

 

 

 なんて生活は、二年を待たずとしてやって

 きた。

 ポストに督促状…。

 しかも、次々といろんなところから届いた。

 え?どういう事⁇

 問い詰めると、どうやら金持ちに見せかけ

 て全て借金でやりくりしていたと言うのだ。

 


 完全に騙されていた‼︎

 とにかく生活費をどうにかせねば。

 まず、指輪をお金にかえましょう。

 

 査定さん。

「うーん。これ本物のダイヤじゃありません

 ね。」

 キャー‼︎

 どう言う事ー‼︎

 

 じゃあ、あの腕時計もきっと偽物…

 なら、車を…

 

 キャー‼︎

 高級車だけどもう燃費悪すぎて廃車寸前…

 なんなの…

 

 

 でも、そもそも私によくみられたくてそん

 な見栄をはってしまったのよね。

 なら、仕方ないわ。

 一緒に返済するしかない‼︎

 

 そして、私は育児しながら頑張って返済の

 協力をした。

 毎日クタクタになりながら。

 

 そして、一年後なんとか返済終了‼︎

 これで、安心して生活ができる。

 

 でもさ、最近帰り遅くない?

 しかも、そんな洋服あったかな?

 

 少し疑問に思って聞いてみた。

「その洋服って?」

「あー、これ実家に置きっぱなしだったやつ

 この前取ってきた」

「あ、そうなんだ」

 なんだ。疑ってごめんなさい。

 

 にしても、車の中洋服多すぎない?

 なぜ車にそんなに洋服があったのか、それ

 を知るのは少し後の事になる。

 

 もう、やりくりは私がする事に決定した。

 そして通帳を預かった。

 給料…少ないよ⁇

 これは、もう一つ仕事してるの?

 じゃあ、本業の給料は?

 

 

 二つ仕事してるから、いつも家にいないの

 かな?

 

 帰った夫に聞いてみた。

 すると、眉をひそめながらバイトだけど何

 か?とキレ気味に言ってきたじゃない。

 

「えっバイト?」

「そうだけど何?」

「だって大手の会社って…」

「あー、あんなの嘘に決まってんじゃん」

 

 …  …  …

 

 

 

 じゃあ、これからどうやって生活していく

 んだよ‼︎

 

 

 ってかさ、

「なんでバイトしかしてないのに、帰り遅い の?」

「さぁ」

 

 なんだって‼︎

 一つしか、バイトしてないの⁈

 じゃあ、何してたんだよ‼︎

 もう、これは強行手段にでるしかありませ

 ん。

 お酒好きな夫。

 すぐに酔っ払って寝てしまう。

 なので、失礼しますよー。

 

 指紋をポチッと。

 

 すると、女の名前…

 しかもたくさんいすぎて把握できねーよ‼︎

 

 

 でも、定期的に連絡してる奴が二人いる。

 しかも、変な名前。

 プッ

 

 衣食住とソファだって!

 なんだよそれ。

 そんな名前にされてる奴どんな奴だよ。

 

 はっ…

 まてよ。

 衣食住って生活に大切だよな。

 ってことは、そいつ家政婦みたいなもんじ

 ゃん?

 いいようにつかわれてるー。

 

 ソファは、居心地がいい女って事?

 

 どっちにしてもそんな女がいるって事だよ

 な。

 なんなんだよ!あいつ‼︎

 あいつの為に借金返済したのにさ‼︎

 ま、私も色々買ってもらったけどさ…

 

 

 でも、やっと返済したけどまた別の督促き

 てますけど?

 

 はぁ?

 

 とりあえず哀れな衣食住と連絡取り合いた

 いな。

 番号を教えていただきまーす。

 

 

 

 

 えっ…

 どう言う事…

 この番号…

 私じゃん…

 何?

 

 

 連絡取り合うもなにも哀れなのって私かよ。

 

 びっくりしすぎて涙も出ないわ。

 ってか、変な汗出まくりだよ!

 

 でも、ソファは誰?

 とりあえず知らない番号だったけど明日連

 楽絡してみよう。

 

 

 全然眠れないまま朝を迎えた。

 とりあえず子供を保育園に送り出し、その

 ソファに連絡。

 そして、夫の妹のフリをして会う事に成功。

 

 ソファは、私より一つ年下だった。

 二十二歳。

 なんと三年前から交際しているんだそうな。

 指には、彼からもらったという指輪…

 きっと偽物…

 

 でも、彼ほとんど海外出張でいないんだそ

 うな…

 

 あんたも騙されてんのかい‼︎

 しかも、三年も‼︎

 

 

 全てを話すと青ざめる彼女。

 ですよね…

 なんて思っていたら、彼女の口から思いも

 よらない言葉…

 

 

 

 

 私、妊娠中なんです。

 どうすればいいって泣きつかれた…

 マジかよー‼︎

 

 しかも、その子身寄りがないんだって。

 

 

 

 どうやら奴は、まだ私に隠れてお金を借り

 てるみたいだ。

 彼女にもしょっちゅうプレゼントを送って

 いたらしい。

 

 

 いつも、洋服が素敵だったて彼女は言っていた。

 

 

 もしかしたら、実家から持って来たんじゃ

 なくて、買ってた?

 車で着替えて、ソファのお家に行ってたっ

 て事かよ‼︎

 

 

 他にもいろんな女と遊んでるみたいだし。

 

 

 実家は、あの豪邸ではなかった。

 苗字が同じなだけ。

 だから、夫の両親の顔合わせの時外で会食

 だったのか。

 夫の実家は、共働きだからいつも忙しくて

 居ないって聞いていた。

 旦那の実家に行くの面倒だしちょうどいい

 なんて思ってたバチかもしれない…

 

 

 このまま、一緒に暮らしていたら私まで破

 産しかねない。

 私達は、ある行動に出た。

 

 

 奴にバレないように昼間荷物をまとめて家

 をでた。

 そして、妊娠中のあの子と私と子供は奴に

 わからない違う県でシェアハウスする事に

 した。

 

 家には、嘘つきクソ野郎とはもう暮らせま

 せんと置き手紙を残した。

 あとは、弁護士さんにお任せした。

 

 彼女も同じように手紙を残して来たそうだ。

 

 携帯も、もちろん解約。

 

 

 衣食住も居心地のいいソファも無くしたあ

 の男。

 借金まみれで住む所もなくなるだろう。

 今まで散々遊んだ分、しっかり罪を償えよ。

 クソ野郎‼︎

 

 ざまぁだな。

 

 

 私達は、よき関係。

 一緒に子育てして家事も分担。

 同じ苦しみを味わった分なんか深い絆を感

 じる。

 たまに、おーい、ソファなんて呼ぶ。

 なーに?衣食住!

 あははは。

 もう、笑い話にするしかない。

 

 これからは、きちんとみる目を養わなくっ

 ちゃ‼︎

 

 もう、騙されない。

 とにかく今は、子供の為に毎日笑って暮ら

 さなきゃ。

 

 

 おしまい

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